プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

目が離せないシリア情勢

2005-10-23 21:11:26 | 政治経済
レバノンのハリリ前首相暗殺事件について調べてきた国連の国際独立調査委員会(ミーリス委員長)は20日、事件にシリア治安当局の最高幹部や事件当時のレバノン治安当局者が関与していたとする報告書をアナン事務総長経由、安全保障理事会に提出した。安保理は25日にこの問題を協議する予定である。イラク戦争で苦境に追い込まれつつあるブッシュ政権が、テロリストを支援しているとしてシリアへの非難を強めているときだけに、今後のシリア情勢の動向に目を離せない。
今年2月レバノンのラフィク・ハリリ前首相が暗殺された。彼は、シリアがレバノン内政に大々的に干渉し、憲法を改定をさせ、親シリア派のラフード大統領の任期を延長させたことに抗議して、殺される4ヶ月前の昨年10月に首相をやめた。その時から、アメリカはハリリ殺害はシリアの犯行だと主張続けている。この10月12日には、シリアの内務大臣であるガジ・カナーンがなぞの死を遂げた(シリア政府は拳銃自殺と発表)。カナーンはシリアのレバノン支配を現地指揮し、1982年から約20年間、レバノンに駐在し、ハリリ前首相とも親しかった。シリア・アサド政権の転覆を企むアメリカが、ハリリ前首相暗殺事件やカナーン死亡事件にどうかかわったのか。国連報告書に政治的歪曲はないのか。シリアのメクダド国連大使が、国際独立調査委員会の報告書は「信頼性に欠け、受け入れられない」としているなか、安保理がどのような措置をとり、ブッシュ政権がシリアに対しどのような行動を仕かけるか、イラク情勢の今後の展開とともに目が離せない。

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