プロメテウスの政治経済コラム

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非核「神戸方式」決議34周年  『時代の大ウソ』を照らす灯火 情けない「いど(ひどい)」知事

2009-03-19 20:47:16 | 政治経済
昨日、非核「神戸方式」決議34周年のつどいが神戸市勤労会館であった。非核「神戸方式」の際立った特徴は、「非核三原則を守ります」とか、「尊重します」といったただ口先だけの建前ではなく、神戸港への「核兵器の持ち込みを認めない」ということを決議で明記し、さらに、その決議を自分たちだけでできる「行政措置」という形で具体的に実践していることである。米占領軍命令によって自衛隊が創設され、日本独立後も米占領軍が居座り続けることによって、日本国憲法は無残にも、文面どおりの意味をもっていないということを世界に宣言することになった。憲法がこんな状態なのだから、佐藤内閣以来の日本政府の建前である「非核三原則」(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)も世界の人びとは本気で信じていない。そんななかで神戸市民は、自分たちができる範囲で、政府の「非核三原則」を愚直にも34年間守り続けている。ところが、政府の言いつけを真面目に守る非核「神戸方式」を日本政府は、米国と一緒になって攻撃し続けているのである

1975年3月18日、神戸市議会は神戸港が朝鮮戦争やベトナム戦争で米軍の出撃・兵站基地にされた苦い経験から、「戦争の港」から「平和の港」に変身することを願って、全会一致で次のように決議した。
「 神戸港は、その入港船舶数及び取扱貨物量からみても、世界の代表的な国際商業貿易港である。 利用するものにとっては使いやすい港、働く人にとっては働きやすい港として発展しつつある神戸港は、同時に市民に親しまれる平和な港でなければならない。 この港に核兵器が持ち込まれることがあるとすれば、港湾機能の阻害はもとより、市民の不安と混乱は想像に難くないものがある。 よって神戸市会は核兵器を積載した艦艇の神戸港入港を一切拒否するものである。 
以上、決議する
。」
そして、神戸港に入港接岸する艦船に対し次のような手続きをとることを求めた。
 

非核証明書(例文) 「当該艦艇は核兵器を積載していない」  ○○○○船長 署名 

上記のとおり、非核「神戸方式」とは、国是である「非核三原則」のうち3つ目の「持ち込ませない」を神戸港において、具体化しただけのもので、何も格別のものではないしたがって全国のすべての港湾管理者にこの手続きを推奨することこそが、政府のやるべきことだろうところが、日本政府はアメリカと一緒になって非核「神戸方式」を目の敵としている。憲法を無視して国家主権をアメリカに侵害されても嬉々としている政府だから当然と言えば当然だが、政府の「非核三原則」は口先だけだということを自らの態度で証明しているようなものだ。

かつてラロック少佐が「非核三原則」の『時代の大ウソ』を思わず暴露している。1974年10月6日、議会で核兵器の取り扱いについて質問を受けて「核兵器が搭載できる艦船には全て核兵器を搭載している。日本の港に入る時にも核兵器は外していないという証言をしたのだ。 アメリカ艦船は「当該艦艇は核兵器を積載していない」とは言えないものだから、神戸港には入港できない。嫌がらせに隣の「姫路港」に3回も入港し、兵庫県井戸知事を揺さ振っている。

いま兵庫県民の合言葉は、上から読んでも下からよんでも「いどひどい」である。彼は、外務省が「事前協議」がないといっているのだから、そして「非核証明書は自己証明なので、自己証明をいくら求めてもどれくらいの価値があるのか」といって真面目に国是をまもる神戸市を批判するのだ。
昨年7月には、小池百合子防衛相(当時)は、震災のときに「アメリカ(の艦船)が支援のために神戸港に入ろうとしたところ、神戸の港湾組合が厳しいためなかなか着岸できなかった」と「神戸方式」攻撃の矛先を労組に向けることまでやっている。

非核「神戸方式」つぶしにかけるアメリカの執念はなかなかのもので、神戸市長、財界、議会与党にも“医療産業都市構想”への企業進出の協力などあの手この手で揺さ振りをかけている。 アメリカは、彼らが必要とするならば、日本は、全土どこでも自由に米軍のために差し出すのが当然と考えている。神戸港の戦略的重要性もさることながら、一地方都市が彼らに逆らうことが、我慢ならないのである
アメリカは、日本では「いどひどい」というようなのが当たり前と思っているのである

私は、国是を愚直に守る非核「神戸方式」が、世界から注目される(昨日は、34周年への海外からのメッセージとして、ニュージーランド、英国、カナダ、オーストラリア、フィリピン、ドイツ、アメリカなど多数が紹介された)現実を日本政府のために本当に恥ずかしく思う。

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