プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

朝米首脳会談以降、非核化交渉が足踏み状態 厳格な制裁の履行と非核化は両立しない

2018-07-24 17:53:27 | 政治経済

6・12シンガポール朝米首脳会談後、北朝鮮の非核化交渉と関連し、これと言った進展がみられない。米韓が米朝首脳会談、南北首脳会談の共同声明や共同宣言を無視して、北朝鮮の完全な非核化までは対北朝鮮制裁の枠組みを維持すべきだと強調し、北朝鮮を圧迫しているからである。ボクシングのファイティングポーズをとりながら、どうして握手できるのか。先の両首脳会談での握手はウソだったのか。

6月12日のシンガポールでの米朝合意について、北朝鮮は「4項目の全条項に関するバランスの取れた履行」を強調する。
意外に理解されていないが、1993~2008年の間、米朝は国交改善を前提に、「非核化」や「国際テロ」などについて少なくとも10本の合意文書や声明を発表している。「北は過去に非核化の約束を破った」とよく指摘されるが、実は「非核化」だけに特化した米朝合意などない。いずれも「米朝関係の正常化」と「非核化」がパッケージの合意だ。(https://mainichi.jp/articles/20180718/dde/014/070/008000c

今や米国や韓国、日本では北朝鮮の「非核化の合意」としてのみ記憶されるが、「米朝関係正常化」があっての「非核化」である。「米朝関係改善措置」抜きでの「北朝鮮の非核化」はありえない。シンガポールでの米朝共同声明も同じ構造である。

この点について文在寅(ムン・ジェイン)政権も煮え切らない。アメリカに忖度ばかりしていて、本当に「板門店宣言」を履行することができるのか。光ケーブル、ガソリン、車両などが搬入制限のままでどうして南北共同事業を実現できるのか。南北事業には対北朝鮮制裁の緩和が絶対に必要なのだ。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。