野田内閣や橋下市長の本性が誰の目にもはっきりとわかるようになってきた。原発・消費増税・ＴＰＰに対する野田・民主党政権の基本姿勢は、この政権が米政官業利権複合体勢力の手先でしかない現実を何よりも明白に物語っている。そして、支配階級のイデオロギー操作のために、ＮＨＫ、民放、全国紙といった大手マスメディアは、この米政官業利権複合体の手先として行動してきた。橋下市長もその人気を市民のためにではなく、利権複合体のために使おうとしている。
２０１２年５月５日、福島の方々を初めとした大きな犠牲を払って、日本は４２年ぶりに原子力発電所が全部停止する状態となった。日本のような経済大国が、５０基の原発をゼロにしてもまわっているこの状態こそ、脱原発が可能であるという世界に向けた強烈なメッセージであった。国民世論がそこまで追い込んだのである。
ポピュリスト橋下大阪市長と大阪維新の会は、関電大飯原発３、４号機の原発再稼動に関する８条件をぶち上げたり、関西電力の株主総会での「脱原発」株主提案を公表したりして、再稼働に走る野田政権を牽制していた。しかし、「しんぶん赤旗」２０１２年５月１日がすっぱ抜いたように、一方で、橋下氏は政府の原発再稼働方針を進める経済産業省幹部と２月に都内で隠密裏に会っていた。水面下で再稼働を推進する政府・民主党関係者と再稼働に道を開くタイミングを謀っていたようだ。
再稼働を巡り、関西広域連合が再稼働容認に転じた声明を出したことについて、議論を主導した橋下大阪市長は１日、「負けたと思われても仕方ない。反対し続けなかったことに責任は感じており、声明への批判は真摯に受け止める」と語った。誰に対しても歯に衣着せず物を言っているようで、橋下市長は支配階級に絶対に逆らわない。だから消費税増税容認だし、ＴＰＰ賛成だし、原発も結局再稼動容認である。弱きを挫くことはあっても強きを挫くことはない。これが、人気者・橋下氏の素顔である。
橋下市長は負けても、国民は、原発再稼働も消費増税も認めるわけにはいかない。「決められない政治」といわれるが原発再稼働も消費税増税もＴＰＰも国民は求めていない。民意に逆らって、原発の再稼働や消費税増税、ＴＰＰを強行突破しようとするから、「決められない」のだ。
原発再稼働問題について共同通信社世論調査は、
原発の稼働が停止して、これまでのライフスタイルに比べて不便になることについて、
受け入れられる ７６．９％
受け入れられない ２０．５％
定期検査で停止している原発について、政府が「安全性が確認された」として再稼働することについて、
賛成 ３６．０％
反対 ５６．３％
であった。
日本経済新聞社調査では、
大飯原発の再稼働に
賛成 ３４％
反対 ５０％
原発を再稼働しないことで日々の生活に、
不便があってもよい ６０％
不便があるのはよくない ３４％
の結果が示された。
支配階級のイデオロギー操作に加担しているマスコミの世論調査でも、「脱原発」の民意は明白だ。
国民は、福島の悲惨な事故の処理も終えぬなかで、安全性の確認できない原発を再稼働させることを容認していない。消費税増税についてはどうか。
５月２６、２７日に共同通信社が実施した世論調査で、
第一に、野田内閣が提案している消費増税案についての賛否。
賛成 １１．９％
どちらかといえば賛成 ２９．８％
どちらかといえば反対 ２５．０％
反対 ３１．８％
つまり、賛成が４１．７％に対して、反対が５６．８％である。
第二に、消費増税法案を今国会で採決した方が良いかを問う。
今国会で採決した方がよい ４３．１％
今国会で採決しなくてもよい ５２．１％
第三に、野田佳彦氏は消費増税関連法案の今国会成立に政治生命を懸けるとしている。今国会で消費増税法案が成立しない場合、あなたはどうするのがよいと思うか。
野田首相が衆院を解散して総選挙で国民の信を問う
５７．１％
野田内閣が総辞職する １８．５％
そのまま野田首相が続ける １９．６％
米政官業利権複合体（支配階級そのもの）とその手先（橋下市長や大手メディア）が嵩にかかって民意に襲いかかっている。しかし、日本の政治の主権者は国民である。橋下市長は負けても、民意どおりの政治を実現するまで、国民は諦めないし負けない。
