一般市民が不発弾の巻き添えになるケースが後を絶たず、「非人道兵器」として非難されているクラスター爆弾の禁止条約締結を目指し、アイルランドの首都ダブリンで開かれていた「オスロ・プロセス」の国際会議(日本など約110カ国参加)は最終日の30日、現存クラスター爆弾のうち、最新型以外のすべてを禁止する事実上の全面禁止を定めた条約案を日本を含む全会一致で採択した(時事通信5月30日20時1分配信)。力の強いものが世界を牛耳るなかで、「オスロ・プロセス」の努力は多いに評価されて良い。しかし、残虐兵器の使用禁止などは、戦争をどう行うかのルールに関する協定であって戦争行為そのものを禁止するものではない。無法者のアメリカを孤立させ、戦争をやらせないためにはなお一層の国際世論の包囲を強めることが必要だ。
国際条約では、一定の範囲に入る兵器は「非人道的兵器」として禁じている。生物兵器や化学兵器は、ジュネーヴ議定書やハーグ陸戦条約で禁止されている。対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(対人地雷全面禁止条約)は1999年3月に発効した。火炎放射器は、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)議定書IIIにおいて制限されている。クラスター爆弾も不発弾化したものが地雷と同様の被害を与えるという意味では、禁止されるのが当然であった(「規制が議論されている兵器」『ウィキペディア(Wikipedia)』)。
今回の条約は、クラスター爆弾の使用、開発、製造、入手、貯蔵、保有、移転とともに、条約非締約国のクラスター爆弾使用を支援、奨励することも禁止。締約国は、クラスター爆弾を、条約発効から8年以内に原則廃棄しなければならない。しかし、子爆弾の数が10未満で、目標識別機能や自己破壊機能を持つ最新型は条約の例外とされた。最大の問題は、主要生産・保有国である米国、中国、ロシア、イスラエルなどなどはこのプロセス自体に参加していないことだ。 そして、ご丁寧にも条約には条約非締約国との共同作戦に締約国が参加することを認める条項が盛り込まれた。同条項は、クラスター爆弾に固執する米国との共同作戦を念頭に、日本や英国が要求したものだ(「しんぶん赤旗」5月31日)。
その兵器が国際条約に違反していても、残念ながら、それを決定し、犯罪であるならば制裁を加えるべき機関がないため、力のつよい者の思いのまま、放置されているのが現実である。イラクの核開発施設は全部破壊されが、米国のそれは依然として無傷である。どちらも破壊されるべきものだが、力のある米国が力を持っていないイラクにのみ、破壊させたというわけだ。6者協議という体裁をとりながら、北朝鮮にも同様の圧力をかけている。一方アメリカは、イスラエルが核兵器を作っていても、インドやパキスタンも見て見ぬ振りをしている。
軍の論理で言えば、クラスター爆弾や劣化ウラン弾のように効果的に打撃を与えられる兵器を使うことに歯止めはないだろう。その国の政府がセルフ・コントロールしない限り、それを外から規制することは、難しい。アメリカ軍産複合体が自ら進んで、セルフ・コントロールすることは、あり得ないだろう。
私たちにできることは、米国が自国の軍隊をコントロールするよう、国際社会、米国、そして米国民に訴え、さらに日本が平和憲法をもつ国として、日本政府にその責務を果たさせるようにしつこく、しつこく訴え続けることである。人々の意志が戦争を止める日が来るまで決して、あきらめないことだ。
国際条約では、一定の範囲に入る兵器は「非人道的兵器」として禁じている。生物兵器や化学兵器は、ジュネーヴ議定書やハーグ陸戦条約で禁止されている。対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(対人地雷全面禁止条約)は1999年3月に発効した。火炎放射器は、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)議定書IIIにおいて制限されている。クラスター爆弾も不発弾化したものが地雷と同様の被害を与えるという意味では、禁止されるのが当然であった(「規制が議論されている兵器」『ウィキペディア(Wikipedia)』)。
今回の条約は、クラスター爆弾の使用、開発、製造、入手、貯蔵、保有、移転とともに、条約非締約国のクラスター爆弾使用を支援、奨励することも禁止。締約国は、クラスター爆弾を、条約発効から8年以内に原則廃棄しなければならない。しかし、子爆弾の数が10未満で、目標識別機能や自己破壊機能を持つ最新型は条約の例外とされた。最大の問題は、主要生産・保有国である米国、中国、ロシア、イスラエルなどなどはこのプロセス自体に参加していないことだ。 そして、ご丁寧にも条約には条約非締約国との共同作戦に締約国が参加することを認める条項が盛り込まれた。同条項は、クラスター爆弾に固執する米国との共同作戦を念頭に、日本や英国が要求したものだ(「しんぶん赤旗」5月31日)。
その兵器が国際条約に違反していても、残念ながら、それを決定し、犯罪であるならば制裁を加えるべき機関がないため、力のつよい者の思いのまま、放置されているのが現実である。イラクの核開発施設は全部破壊されが、米国のそれは依然として無傷である。どちらも破壊されるべきものだが、力のある米国が力を持っていないイラクにのみ、破壊させたというわけだ。6者協議という体裁をとりながら、北朝鮮にも同様の圧力をかけている。一方アメリカは、イスラエルが核兵器を作っていても、インドやパキスタンも見て見ぬ振りをしている。
軍の論理で言えば、クラスター爆弾や劣化ウラン弾のように効果的に打撃を与えられる兵器を使うことに歯止めはないだろう。その国の政府がセルフ・コントロールしない限り、それを外から規制することは、難しい。アメリカ軍産複合体が自ら進んで、セルフ・コントロールすることは、あり得ないだろう。
私たちにできることは、米国が自国の軍隊をコントロールするよう、国際社会、米国、そして米国民に訴え、さらに日本が平和憲法をもつ国として、日本政府にその責務を果たさせるようにしつこく、しつこく訴え続けることである。人々の意志が戦争を止める日が来るまで決して、あきらめないことだ。