政府は12日午前の閣議で、当初予定していた国家公務員法改正案の決定を見送った。なぜか日本では、公務員をバッシングすると一般受けする。「官僚主導の政治が、日本の政治をだめにしている」という民主党のスローガンは、今日の時点で日本を支配しているのは誰かという政治変革の核心を国民の眼からそらせるという役割を果たしているのだが、国民の中には反官僚の意識が強いので、このスローガンは人気がある。多くの国民は、公務員が有難い存在であるという経験をほとんど持たない。これは、戦前から一貫する日本の歴史とかかわっている。不幸なことに、70年代の革新自治体時代を除いて、日本の国民は、福祉国家型の官僚組織のあり方を体験したことがないのだ。
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