小沢氏は角栄・金丸・小沢と特捜部との30年戦争に負けなかったと安堵していることだろう。しかし、今回の不起訴処分によって決して“一件落着”となってほしくないと一番悔しい思いをしているのは、小沢氏に金を貢いだ当のゼネコンだろう。西松の東北支店幹部は、大久保被告から「お宅がとった胆沢ダムは小沢ダムだ。忘れちゃ困るよ」といわれた。ゼネコン業界とは不思議なものである。業界自治で談合システムを完結すればよいものを話し合いがつかないものだから(小沢事務所は一端まとまった本命にノーをだすことで影響力を行使することもやっていた)、「天の声」に頼る。小沢事務所にたかられるのは自分たちの自治能力が足りないからだ。それだけに小沢氏の不起訴処分によって“一件落着”となることほど悔しいことはない。といって、特捜部に小沢事務所をチクルこともできない。談合破りとして、業界からの放逐を覚悟しなければならないからである。最大の悪は小沢のような政治家である。
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