「え?あ…とうとうここもか…」これが僕の第一声でした。
この敷地には2軒の平屋と、2階建の木造のアパートがありました。いかにも「懐かしの昭和」というたたずまいでしたが、いつ取り壊されてもいいと思えるくらい老朽化はしていました。
6部屋を構えた2階建の木造アパート。カンカンカン…と上がる時に音のする金属製の階段。その名残が写真に残されています。2軒の平屋の玄関それぞれには笠をかぶった裸電球が、夜になると温かみのある色で足元を照らしていました。狭い家だったのでしょうか、玄関脇の外には洗濯機が置かれていました。はげ落ちた壁やその他いろいろな事を総合して考えると、たぶん昭和30年代後期から40年代中期に建てられたものだったのではないでしょうか。味のある建物でした。