加山到のハマッ子雑貨飯店

おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい雰囲気が伝われば嬉しいなっと。08年11月6日開店!

中曽根元首相逝去

2019-11-30 | 心静かに

101歳でしたか。お疲れさまでした。まずはごゆっくりお休みください。

「加山、お前も行ってこい!」

「え?」

「行って、スタッフの飯の世話とトイレの場所をわかっておけ。」

私が全日空に入社して半年後、係長に呼び出されて言われた言葉です。この時の出張というのが「中曽根総理大臣訪中特別便」でした。それまで政府要人が外遊する際には日本航空を利用していたのですが、この時に初めて全日空を利用、会社としては社史に残る大プロジェクトでした。そこに末端スタッフとして私も参加することになりました。

ちなみに係長の言葉の意味は、「北京のホテルでの食事の時に、ANAスタッフは中国語を話せないから、お前が通訳しろ。」「トイレの場所を始めとして、スタッフ用通路、貴賓室、税関・・・現地空港でのロケーションを把握しろ。」という事でした。つまり、中国語ができるとはいえ入社して半年の新人、空港の仕事などまだまだ半人前ゆえに現地ではひたすら先輩の指示通りに動けという事なんですよね。

 加山撮影

1986年の11月。秋晴れの北京の空に自社の機体が見えた時、先輩たちは国際線としての運行、その悲願の瞬間に涙腺が緩んだようです。私は私で、社員としてもちろん嬉しかったのですが、前年に他界した父(北京大使館勤務)が、政府要人が訪中してくると必ず出迎え作業をしていたので、同じような仕事をしていると万感の思いになりました。

タラップから降りてきた中曽根総理を中国の要人が迎え入れ、用意された車で市内へと移動します。我々スタッフは一行の手荷物取り卸しやフライトクルーの誘導など担当に分かれて作業を始めるのですが、私は代理通関を行う先輩に同行、政府関係者より預かった一行のパスポートを携えて別室で待ち受けている中国の入国審査官に提出。審査官はパスポートに入国証明の判を押すわけです。

その時にね・・・審査官2人と私たち2人は、総理のパスポートをお互いに回しながら見るわけですよ。「お~~~~!」とか言いながら。こんな機会はなかなかありませんからね。つまり、総理のパスポートには私の指紋がついているのです(自慢です・・・笑)。

(北京から東京へ向かう帰国便の特別仕様の搭乗券)

全日空スタッフとしての誇りを感じさせて下さり、私にとって第2の故郷である中国で父に少しだけ近づいたという自負を持たせてくださった中曽根総理。感謝です。

ご冥福をお祈り申し上げます。

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2 コメント

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ANA便中国入り (BINTAKE)
2019-12-02 09:42:17
歴史に残る大イベントでしたね!私も微かに記憶している。貴兄が頑張っているなぁと感心していました。
当時は私は横浜港で中国の船(在来船&コンテナ船)から輸入された貨物の取り扱いに「奮闘」していました。。。。。
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それぞれ (イタル)
2019-12-02 13:57:30
>bintakeくん
みんな、それぞれのフィールドで奮闘していてんだよね。
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