Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

非難と衝突

2015年08月13日 | ひとりごと
こんな話題についてのレビューが、同じ週に、別の集中治療系のメジャー雑誌に掲載された。ちょっと考えてしまったよ。

文献を読むのが趣味なので、他の分野の雑誌もざっと眺めるけれど、医療事故における非難とか、他科との衝突とか、そういう話題についての文章はほとんど見かけたことがない。でも、集中治療系の雑誌ではそれほど珍しくない。バーンアウトとか、どうやってICU内の雰囲気を良くするかとか、そんなのもたまに見る。ICUは、重症患者をみるところとか、医療機器がたくさんあるところとか、他の医療現場とは異なる特徴があるけれど、非難と衝突が起こりやすいというのも特徴らしい。

・いろいろな専門分野や立場の人が関与する。
・これが正解と断言できることが少なく、人(や専門)によって意見が異なることが多い。
・重症患者なので、医療従事者の関心が高い、なんとかしたいとみんなが思う。
・重症患者なので、ちょっとした間違いが大きく影響しうる。
・モニタリングや記録が濃厚に行われているので、単なる急変ではなく、間違いだったことに後で気がつきやすい。
・なんとかしたいと思っているのに、誰かのせいで状態が悪化すると不愉快に感じる。

職場での不満やストレスって、給料が少ないことだったり、嫌いな人がいることだったり、仕事が忙しいことだったり、休みが取れないことだったり、やりがいを感じられないことだったり、いろいろな理由があるだろうけど、ICUで働いていると、この非難と衝突ってやつが大きなウエートを占める気がする。

非難するのも楽しくないし、非難されるのも楽しくないし、衝突するのも楽しくない。

ただねー、
どうすれば回避できるのか考えても、確実な方法は一つしか思いつかないんだな、困ったことに。

いやいや、ネガティブになっても仕方ないので。
こういう問題が起こりやすい傾向があるんだっていうことをみんなで意識するだけでも、状況は改善するのかもね。感情的にならずに冷静でいられたりとか。M&Mはその典型例。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする