Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

集中治療の変化

2015年08月01日 | ひとりごと
専門を内科から集中治療に変更したのが1997年の7月なので、先月から19年目に突入。
ふと、以前と比べて何が変わっただろう、と考えてみた。

見たり聞いたりしなくなった、使わなくなった、減った
・心停止以外に対する低体温療法
・SjO2
・ドーパミン
・肺動脈カテーテル
・アルブミン
・補液量
・一回換気量
・鎮静剤
・ICU症候群
・ポピドンヨード
・DICの治療、ガンマグロブリン、PMXなど、そっち系の治療
・サイトカインとかそっち系の単語
・「ご専門は?」、「集中治療です」、「救急車とかたくさん来て大変ですね」という会話

見たり聞いたりするようになった、使うようになった、増えた
・tPA
・バソプレッシン
・vvECMOの話題
・閉鎖式気管内吸引
・HFNC
・人工鼻
・NPPV
・経皮的気管切開
・静注のPPI
・鎮痛剤
・静注のβラクタマーゼ阻害剤
・クロルヘキシジン
・手指衛生の施行頻度
・閉鎖式の動脈ライン採血
・M&M
・RRS
・終末期医療
・チーム医療という単語
・早期リハビリ
・電子カルテ、インターネット、MEDLINE
・ガイドラインとかプロトコルとかバンドルとか

新しい薬や細かいものをあげればもっとたくさんあるだろうけど、頻度の高いものやインパクトの大きいものなどだと、こんな感じ。思っていたよりも多かった。とくに呼吸と感染とシステム的なものが増えたものに多い気がする。

問題は、この変化が患者さんにとってどれくらい有益かということだけど。増えたものの中には有効性が示されているものも少なくないので、集中治療はそれなりに進歩しているのかな。ずっと同じことをしていて進歩していないんじゃないかと漠然と思っていたけど、そうでもないのかも。

RCTとかやってもどうぜネガティブになるから意味がない、なんて話を聞いたりもするけど、約20年の積み重ねをみると、そんなことはないなと思う。
コメント
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