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Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

セプザイリス、ああセプザイリス

2019年07月16日 | ひとりごと
久しぶりに、セプザイリスについて考える機会があった。
そう言えばしばらく書いてない、と思い、書く。

まず過去ログ(古い順)。
セプザイリス
集中治療医学会総会 in 神戸の感想②
セプザイリス②
AN69STとクエン酸
セプザイリスとナファモスタット
慈恵ICU勉強会 180320 180327

今回したのは、AN69ST(セプザイリスの材質名)をPubMedで調べてみたこと。
28個が検出され、そのうちauthorが日本人なのが11、日本人以外が17。
日本人のやつは全てサイトカイン吸着とかそいう話。日本人以外のは全て抗凝固関連。
それは当然で、以前からAN69STは海外で抗凝固剤が少なくできる膜として販売されていて、それが日本に入ってくるときに、何故か「敗血症に有効」という話に変化したから。

日本流の治療って昔からいろいろある。
免疫グロブリンとかトロンボモジュリンとかシベレスタットとかPMXとか。
全て、日本でまともな根拠なしに使用開始され、海外で多施設RCTが行われ、有効性が否定されている(それぞれ経過も現状も異なるけど、簡単に言えばそういうこと)。
でもセプザイリスは違う。海外で別の目的で使用されていたものが日本で敗血症用として導入された。
だからPubMedを見ると、日本以外では敗血症のことなんか書いてない。それは今も同じで、「おお、AN69STは敗血症に有効なのか!」と海外の人が日本からの文献を読んで思って、自分たちで研究をしたりなんかしていない。

僕と働いたことのある人は知っているだろうし、そうじゃない人もお気づきになってるかもしれませんが、
基本的に僕は商品名を使うのが嫌いで、でもここでは敢えてセプザイリスと書いてます。
理由は、グーグル検索で引っかかるようにするため。
以前は「セプザイリス」とググるとこのブログ記事が最初のページに出てきていたのだけど、今日検索してみたら出なくなっていた。
実はそれが書こうと思った理由。

このページが検索上位に来ますように。
そして、少しでも無益で高額な治療を受ける患者さんが減りますように。
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