Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

重症市中肺炎の管理についてのガイドライン

2023年04月16日 | 感染
Martin-Loeches I, Torres A, Nagavci B, et al.
ERS/ESICM/ESCMID/ALAT guidelines for the management of severe community-acquired pneumonia.
Intensive Care Med. 2023 Apr 4:1–18. Epub ahead of print. PMID: 37012484.


8つの臨床的疑問について。
その一つはステロイド。この研究のことを考えると、ちょっとタイミングが悪かったか。それともステロイドの推奨が高くならずに済んだので良かったのか。
そのステロイドについての推奨は、
"we suggest the use of corticosteroids if shock is present."
なのだけど、その後のrationaleを読んでもなぜこうなったのかイマイチわからない。ちょっと好きじゃない。

誤嚥性肺炎については、
”we suggest standard CAP therapy regimen and not specific therapy targeting anaerobic bacteria."
と書いてある。これは随分以前から言われていることだけど、今でも臨床の場で”嫌気”という言葉が出てくる。CRRTのことをCHDFと呼ぶ人が絶えないのと同じで、世代から世代へと”伝承”されているのかな。

伝承で医療をする人はガイドラインを読まないかもしれないので、そういう人がいたら教えてあげてください。
コメント
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