Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

集中治療医に必要な資質は何か

2015年09月25日 | ひとりごと
間違いに気がついた。

「集中治療999の謎」の中で、こんなことを書いた。
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12. 集中治療医に必要な資質は何か
 勤勉さ、コミュニケーション能力、決断力、手技のうまさ、診断能力、患者中心に考えられる、などたくさんの資質が必要だが、これら全てを備えた人はほとんどいないのではないだろうか。筆者が集中治療医にもっとも必要な資質だと思うは、繊細さだ。
・あらゆる情報を収集するよう努める(細かい情報も漏らさない)
・それら一つ一つの情報に気を配り、検討する
・何となくルーチンで処理せず、些細な変化に対しても疑問を持って考える
Franklinによる100 thoughtsの39番目にも、”the best critical care doctors are those who pay attention to detail. Some smart critical care doctors have never learned that.”との記載がある。まったく同感である。

Franklin C. 100 thoughts for the critical care practitioner in the new millennium. Crit Care Med 2000; 28: 3050-2. PMID: 10966294.
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読み返してみても、全体の内容は間違っていないと思うのだけど、資質って、「生まれつきの性質や才能、資性、天性」っていう意味なんだよね。ということは、繊細さという生まれ持っての才能がないと集中治療医にはなってはいけない、ということになっちゃう。そんなことはない。

どんな能力も、訓練すればある程度は身につけることができる。
僕は小学校どころか保育園の頃から、運動は何をやってもクラスでビリだった。でも大学で水泳部に入ったおかげで、今でも泳ぐことだけは人並み以上にできると思う。
繊細さも同様。不注意でついやらないといけないことを忘れてしまう人は、忘れなくなるように訓練すればいい。そうすれば、クラスでトップにはなれなくても、職業として必要な程度には身につけられる。

ミスを犯したら反省する。言い訳しない。同じミスを繰り返さないように、いつも自分に言い聞かせる。ある特定のことを忘れる場合は、それを思い出せるような方法を考える。
大変だけど、仕方ない。だってプロだもの。
コメント
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