Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

外科医と集中治療医のコミュニケーション

2015年09月24日 | ICU・システム
平行宇宙って。。。そこまで難しい話じゃないと思いたいが。

Haas B, Gotlib Conn L, et al.
"It's Parallel Universes": An Analysis of Communication Between Surgeons and Intensivists.
Crit Care Med. 2015 Oct;43(10):2147-54. PMID: 26181222.


カナダのトロント大学の関連病院4つの中にある合計7つのICU。すべてのICUが20年以上前から集中治療医により管理されている。そこで働く25名の参加者(8人の外科医、7人の集中治療医、5人の看護師、5人のレジデント/フェロー)に、インタビューを行った。質問内容はあらかじめ決められていて(APPENDIX 1)、参加者を外科側と集中治療側に分け、相手側とのコミュニケーションの状況についてどう思っているか、実例を挙げなから答えてもらった。

Editorialにも書いてあるけど、文献の内容は表面的で、ここから具体的にどうするべきかについて考えるのは難しい。
でも、そもそもこんなインタビューをやろうと思うのも凄いし、それを文献にしようと思うのも凄いし、実際の回答例も書いてあるのだけど、知っている人が読んだら誰のことか分かっちゃうんじゃないか、みたいなものある。例えば、外科医が感じる疎外感の例として、
Surgeon: [name of intensivist] often says “We don’t need you to talk about the ventilator, the inotropes. We just wanna know what to do with the NG tube.” I don’t think we do want to just think about the NG tube. I think we wanna think about all aspects of patient care.
なんてのがあったり。

世界共通の話題なんでしょーねー。まあ、みんな患者さんに対して一生懸命で、でも視点や知識や習慣が違うから、どうしてもぶつかってしまう。

ちなみに、たしかカナダは70%くらいがclosed ICUだとどこかで読んだ気がするのだけど、
Critical care nurse: So we have what we like to term an “openly closed” unit [laughs].
Surgeon: I think that, number one, is that our closed unit actually operates a lot like an open unit, not in name but actually in function...
というのがあって、実は同じような話を別の文献でも読んだ。内容が伴っていなくても、"うちはclosed unitですよ”と言うことに何か意味があるのかも。カナダはカナダで、いろいろシステム的に問題があるらしい。

英語でも(笑)って書くんだね。
コメント
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