Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

CV挿入時の針の選択

2015年09月21日 | その他
連休、連休、うれしーなー。でも文献は読みますよ。趣味だから。
先週はICMばかり紹介したけど、今週は全部CCMの予定。それじゃ普通じゃん、どれも知ってるよと言われそうな気もするけど、面白いのがCCMばっかりだったんだから仕方ない。

Lee YH, Kim TK, Jung YS, et al.
Comparison of Needle Insertion and Guidewire Placement Techniques During Internal Jugular Vein Catheterization: The Thin-Wall Introducer Needle Technique Versus
the Cannula-Over-Needle Technique.
Crit Care Med. 2015 Oct;43(10):2112-6. PMID: 26121076.


韓国の二人の麻酔科医が、手術前にエコー下で右内頸静脈にCVを挿入する時に、どの針を使うかでRCT。具体的には、
Thin-wall introducer needle (TWN):静脈に刺した針にダイレクトにガイドワイアを通す、18ゲージ針
Cannula-over-needle (CON) :外套付きの針を静脈に刺して、外套を血管内に進めてからガイドワイアを通す、外套が18ゲージ、針は20ゲージ
のどちらかを使用。二人とも両方の手技に慣れている(50例以上ずつ)。合計266例が対象、患者背景に差は無し。その結果、一発でガイドワイアを通せたのはTWNが87.3%、CONが77.3%でTWNの成功率が高かった(p=0.037)。皮膚を刺す回数もTWNで少ない(1.1 vs. 1.3, P=0.026)。最終的にほぼ全例で両群共にCV挿入は成功(99.3% vs. 97.7%, P=0.37)。ダイレーター挿入時に皮膚をメスで切開する必要があったのは、TWNで2例、CONで59例(p<0.0001)。

僕もTWN派だったので、単純に嬉しい結果。だって、外套がうまく進まないことって少なくないんだもん。
知らなかったのは、ダイレーターをメスなしで挿入できる頻度がTWNとCONで違ったこと。ふーん、そーなんだ。

やるな、韓国。
コメント
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