徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

天界からの不思議な声…?

2006-12-03 17:33:00 | ひとりごと
 神社の近くに育ち…子供の頃から神棚や仏壇に囲まれて寝起きしていたこともあって…さほど信仰心が深い方じゃないにも拘らず…よく不思議な体験をすることがある。 
不思議と言っても…他の人から見れば…なんだそんなことかぁ…と笑い飛ばされそうな話なんだが…本人にとっては笑えないことばかりだ…。

 あれは…そう…父方の祖父の弔い上げが済んだ後の話だ…。
10年以上も前になるかな…。

 祖父はまだ親父が学生の時に亡くなったので…弔い上げも早かった。
同時に…祖父の母親である曾祖母の弔い上げも行った。 
親父もこの世の人ではなかったから…母親が代わってすべてを取り仕切った。

 弔い上げと言ってもいつもの法事と変わりなく…小学生の頃からそうだったように裏方で忙しく働いただけで…取り立ててその日が特別だったわけではない…。
 
 これまで何度も法事をさせて貰ってはいたけれど…会ったことのないふたりの仏さまに対しては…親父の法要の時とは異なって…近い身内というよりは子孫としての義務的な感覚の方が先に立っていた。 

 弔い上げがあってからどのくらい経ったのかは覚えていない…。
弔い上げをした…という記憶はすでに消えていたから…きっと何ヶ月も経っていたのだろう…。

或る夜…こんな夢を見た…。 

 それが何処の家なのか分からない…。
自分は家の玄関の戸口にいて…他の若い連中と家の中を覗いている…。
どうやら…土間までは入れて貰えるようだ…。 

 上がり框から向こうは広い座敷…まるでお寺の講堂のよう…。
そこには年配の男女がたくさん居て嬉しそうに声をあげて小躍りしている…。
自分の母親や叔母などの姿も見える…。 

 その先の舞台のようなところにまるで仏像のように大きくなった曾祖母と祖父がこちらを向いて座っていた。
虹のように眩く後光がさして…静かに微笑んでいる…。
何故と訊かれても答えようがないが…自分にとってほとんど記憶にないそのふたりが…感覚的に曾祖母と祖父だと分かった。 

 突然…どこからか…厳かな声が響いてきた…。
男とも女ともつかない声…。 声は穏やかに語りかけた…。

 『壇上のふたりはこのたび…めでたく修行を終えた者たち…。
上に居るものたちは…間もなく修行を終える者たち…。
おまえたちはまだ修行の途中なので下に居なければならない…。 』 

 どうやら…修行の度合いによって置かれる位置が異なるらしく…奥へ行くほど修行の終わりに近付くようだ…。

 母親や叔母は座敷の上がって間もないようでまだ手前に居る…。
自分はまだまだ…これから先が修行のようだ…。 

 目が覚めた時…何とも不思議な感覚だった…。
いつもの夢とは違って…はっきりと覚えている…。


 つい最近…親戚の弔いの席でお坊さまの話を伺う機会に恵まれた…。
たまたま…その夢を思い出した自分は…その夢の話をお聞かせしてみた…。

お坊さまは感慨深げに頷かれた…。

 我々には日常的に…その存在を感じることはできませんが…時折…何処かの誰かに…そうやって語りかけてくださるのです…。
 それを仏というか神というかは別として…大いなる力が存在するということを知らしめてくださるのです…。
有り難いことです…。 

そのようなことを仰られた…。

 真偽のほどは分からぬものの…確かに…この世には人事の及ばぬ力が存在すると自分は思う…。
この世は修行の場…というのが自分の考え方でもあったから…そのせいでそんな夢を見たとも思えるが…それはそれでいいではないか…。

怠け者の我が身・我が心に鞭打って…少しは真面目に修行するかな…。

 人生の修行は…滝に打たれるとか…奉仕活動をするとか…写経をするなどという形あるものとは違うけれど…これからもできるだけ真っ直ぐに生きていこう…。

 あ…真っ直ぐは…ちょっと無理かなぁ…。
見たい・やりたい・聞きたい病があるからなぁ…。

あちらこちら…寄り道しながら…ゆっくりと…ね…。