徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

おふくろの味…?

2006-12-15 17:38:07 | オカン
 あなたにとって御袋の味とはなんですか…? 
そう訊かれたら…う~んと唸ってしまうかもしれない…。
強いて言えば…おにぎりとおでん…なんだけど…。

そうなんだけど…この御方の場合…多々難有り…。
 
 言っちゃ何だがはっきり言うと…オカンは料理が下手だ…。
子供の時分から料理をしているにも関わらず…味がまったく安定しない…。
 同じものを作っても日ごとに味が変わるから…どれがオカンの味か分からない…。

汁物ひとつとっても…水のように薄い時もあれば…喉がえらえらしそうなくらい塩っ辛い時もある…。

 これはすべての手料理に言えることで…シャビシャビのカレーとゴテゴテのカレーだったり…味のない煮物と佃煮のようになってしまった煮物だったりするから…何が御袋の味か…と訊かれても…はっきり答えようがないのだ…。

同じ材料使って同じもの作って…毎度これだけ違う味になるってのも…ひとつの才能かもしれないのだが…。


 前にも書いたけれど…オカンは虫が嫌い…。
野菜なども栄養がとんでしまうほどごしごし洗う…。
菜っ葉なんて一枚一枚洗わないと気が済まないほどだ…。

それなのに時々…脱走しているのが居る…。
運がいいのか…丈夫なのか…。

サラダボールの縁をのんびり尺とっていらっしゃる青虫くん…。

オカン…一生懸命…何洗ったの…?


 あれは…旅行か…合宿から戻った夜…だったと思う。
みんなが夕飯を食べ終わったところに帰宅した…。
オカンは優しく野菜スープを温め…大皿にたっぷりとよそってくれた…。

疲れて空腹だった自分は喜び勇んでスプーンをスープに…。

ベロ~ン!

5センチほどのイモムシが…具になっている…。

プカ~ッと浮いていらっしゃる…。

オカン…だしが…よう…きいとる…な…。

ありゃりゃ…っとオカンは覗き込んだ。
だしが出た後でこれじゃ…もっと大きいのだったんだねぇ…。
あはは…みんな食べちゃったよ…。

あはは…って…何洗ってたんかねぇ…?

 まあ…仕方がないのでイモちゃんだけ捨てて…スープは食べた…。
白菜しか食っていないイモちゃんは毒ではないだろうけれど…。
プカ~を見ちゃった後では…美味しいとは思えない…。

溜息…。

えっ…そんな気持ちの悪いスープを食べたのかって…?
そうなの…そうしないと生きられないの…我が家では…。

なぜかって言うと…オカンは常習犯なのだ…。

ほうれん草のおひたしの茎と茎の間に…デロ~ン…。
十六ササギの間にノベ~…。

いちいち食べずに捨てていては…おかずがなくなる…。

死活問題なの~!
それも…何故か…決まって自分の皿にだけ出現するのだ~!

運が悪いだわ…とオカンはけらけら笑う…。

 あのな…イモちゃんの皿は自分のだけど…あんた食べた野菜も一緒に湯がいたやつでしょうが…。
だしは同じ…出てんだよ…い~っぱい…。

 あれだけ洗って何故…とも思うのだが…。
考えてみるとごしごし洗ってるということは…イモちゃんは逃げる間もなく一緒にごしごしされて目を回し…束ねられ…鍋に放り込まれたわけで…。

よく洗われたイモちゃんだから…清潔よ…ってなことで…済むかっ!


自分の御袋の味って…イモちゃんスープのだし…なんだろうか…?

う~ん…。