「ナムターン・マイ」5週目

第9話
ニアンとペーは正式に婚約し、ペーの家から金銭が贈られます。ニアンはそのお金を父に全額差出し、「これで問題は全部解決できるはず」と言います。父サートンは心から娘に感謝し、娘の幸せを願います。一方エーとうまくいかなくなったターオは、こっそりボーの兄ティックに相談。ティックもターオを心配し、ボーに隠れて家に行きます。ターオから食事に誘われ、ティックも拒むことは出来ないのでした。

ペーと食事に出かけたニアンは、留学していた頃の恋人が同じ店で食事をしていたのを偶然見かけ、驚いて席をはずしてしまいます。ペーをうまくごまかし、ウェイトレスに彼の近況を探らせます。近々帰国するといっていたのを確認し、ニアンは彼と絶対会わないですむよう「旅行に行きたい」とペーにねだります。一方バンコクのターオのもとを訪れたティックは、そのままターオと一夜を共にしてしまっていました。

出産を間近に控えたボーは、自分のこれからのこと、子供の将来のことを考えて不安な気持ちになります。いけないことだと分かっていながらも、ペーを好きになり、ペーに愛され、満たされない日常がみるみる幸せな日々に変わっていったことを思い出し、涙を流します。そんなとき、ボーはおなかにいつもと違う痛みを感じます。その頃ペーとニアンは、家族の祝福のもと結婚の儀式を行っていました。

ターオのもとにいたティックへ、ボーが破水したという連絡がはいります。電話で話しているのをターオはすべて聞いてしまいます。ティックはすぐさまボーのいる病院へ駆けつけます。ボーは、2ヶ月早かったものの男の子を産み落としました。ティックと一緒にボーのもとを訪れたターオでしたが、ターオをみてボーは表情をかたくします。ターオは赤ちゃんの写真をペーの携帯に送ります。しかしペーはその赤ちゃんがボーの子だとは気付きません。

なんだかとんとん拍子に結婚することになってしまいましたが・・・。

ターオは今までの自分を深く反省し、ボーと離婚することにします。一方ニアンとペーの結婚披露宴が盛大に行われようとしていました。支度をするニアンの姿が、なぜがボーの姿に見えてしまうペー。「いったいどこにいるんだ」とつぶやきます。席を外したペーの携帯に、全てをペーに話そうとしたターオから電話がかかってきます。ターオは今日が結婚式だと聞いて驚き、父親の顔も知らず育つことになるであろうボーの子供を不憫に思います。

ハネムーンに出かけたペーとニアンでしたが、些細なことで口論になってしまい、険悪なムードが続きます。そんな中、ターオから電話がかかってきたと会社から連絡が入り、ターオがボーの夫であることを知っているニアンに嫌味を言われます。ハネムーン先の香港でも、ペーとニアンの気持ちはすれ違ってばかり。一方ボーは、両親に「仕事をしようと思うんだけど」と切り出します。両親に苦労を掛けたくないとの考えでしたが、「まだ早い」と両親は難色を示します。

ターオの部屋で過ごすようになったティック。ある朝車の鍵を部屋に置き忘れてしまいます。偶然戻ってきたエーにその鍵を見咎められ、「誰の鍵だ！」と詰め寄られるターオ。エーが恐くてターオはなにも言えません。こっそり戻ってきたティックは、人を使ってうまくその場を切り抜け、エーを残しターオを連れ出します。そのころハネムーン中のペーとニアンは再び口論をしていました。ニアンの元を立ち去ろうとしたペーでしたが、ニアンは急におなかを押さえ苦しみ始めます。

バンコクに戻ったニアンに妊娠が発覚。しかし「毎晩家で私と一緒に食事をして」とわがままを言うニアンに、ペーは疲れ果ててしまっていました。ついボーの家のほうへ車を走らせてしまいます。赤ちゃんを抱くボーの姿をみたペーは、いても立ってもいられずベルを鳴らしてしまいます。ボーは両親にペーが来たことを伝え、いないといって欲しいと頼みます。赤ちゃんの鳴き声を不審に思いながらも、両親は「となりの家の子です」とごまかそうとします。

ティック兄さん、頼れる男！という感じです。まっきーに似てるのも個人的にツボ。

ターオが改心しました！やっぱりもともとはいい子なんですよねターオって。ちゃんとペーと話をしてくれればいいのですが。ティックと再びよりをもどしたターオ、なんだかとても可愛く見えてきます。若奥さん、って感じで（笑）。そして無事に子供を産んだボー。しかし大変なのはこれからです。父親の顔も知らずに育つなんて、当然のことですが可哀想ですし、いくらまわりの人間が愛情を持って接したとしても、やはりいつかが自分の出生のことについて知るときがくるでしょうからね。しかしもうペーはニアンと結婚してしまっています。ボーとペー、そして息子の3人で幸せな日を送ることは出来るのでしょうか？


第10話
ボーの家を訪れたペーでしたが、ボーの姿を確認できません。「トイレを貸して欲しい」と強引に頼み込み、家に上がるペー。自分の携帯電話のひとつをボーの家に残し、もうひとつの携帯とつないで室内の様子を伺おうとします。ボーの声が聞こえ、ペーはボーがいることを確信します。あとで再度電話をいれ「忘れた携帯をとりに行きたい」と訴えるペーに、ティックは、「大事な話があるから、僕が会社に行きます」と告げます。

結婚の報告に実業家であるターオの母の家を訪れるペーとニアン。ニアンの妊娠に、ターオは祝福の言葉を述べます。ターオの母の前でわざと「お子さんが生まれたんですってね」と話を降るニアン。ボーは流産し、ショックを受け外国で静養中、と母に話してあったターオは、母から本当のことを問い詰められます。母に離婚のことを初めて話すターオ。そしてこっそりペーにボーのことを話そうとしますが、ニアンが邪魔をします。

ペーが自分のことを今でも探していることを知ったボーは、どうしていいか分からなくなってしまいます。家族揃っての食事の席でも、そのことばかり考えてしまい表情も冴えません。部屋に戻ったボーは、父親が誰なのか知らないまま育つであろう子供の将来を思い、ある決断をします。一方ペーは、ニアンから逃げるようにウィーのいるいつものバーへと向かいます。ウィーと酒を飲んでいる時間が、ペーには唯一安らげる時間でした。

一旦家に帰ったペーでしたが、ニアンにどこへ行っていたのか、誰と一緒だったのか問い詰められ、口論になってしまいます。ニアンに対しつい言葉を荒げてしまい、怒ったニアンに花瓶を投げつけられ、さらに逆上するペー。再びウィーの店に戻ってしまいます。そのままウィーの部屋で飲みなおすペーは、「今夜はずっと君と話をしていたいよ」と、ニアンの膝で眠ってしまいます。そんなペーを気遣いながらも、ウィーにとっては幸せなひとときでした。

あんたなにやってるよ！！と思っていたのに、この回終盤では、まるで新婚さんのようにラブラブでした。

ボーは子供を連れてこっそり家を出ていました。新しく家を借り、たったひとりで新しい生活を始めようとしていました。ボーがいなくなったことで、両親は心配しますが、ティックは子供の父親が実はペーであること、自分がターオを付き合っていること（つまりターオと自分はゲイであること、ボーとターオに夫婦関係がなかったこと）を話し、両親は大ショックを受けます。ペーと会う約束をしていたティックは、ボーは幸せに暮らしていくだろうから、もう自分達に関わらないで欲しいと伝えます。

息子ティックがゲイだったこと、その相手がボーの夫ターオだったことを知ったボーの両親は、そんなティックのことをなかなか受け入れることができず、苦しい日々を過ごします。ティックとターオが一緒にいるとき、ターオの携帯にエーから電話がかかってきます。金を用立てて欲しいと訴えるエーに、「これが最後だから」と金を渡したターオ。しかしエーはターオが昔の恋人とよりを戻したのではないかと勘ぐり、怒りをあらわにします。

エーはターオのいるマンションまでやってきます。ターオが今はティック、つまり昔の恋人と一緒に過ごしていることを確認したエーは、自分の言いなりだったターオが変わってしまったのはティックのせいだと怒り心頭です。一方ボーは、家に連絡をいれ、両親がすべて知ってしまったことを知ります。「あの人にはもう家族がいる、近々子供も生まれる、そうしたら私のこともきっと忘れる」と涙を流すボー。しかしペーとニアンの関係は冷え切っていました。ペーはウィーの店に入り浸ります。

ニアンは実業家として仕事をはじめ、ボーはひとりで子育てをします。ペーはウィーの部屋で暮らすようになり、それぞれの月日が流れていきます。ニアンの悪評が新聞記事になって、父サートンは新聞社に乗り込んだりもしていました。そんななか、ニアンはペーの会社に行きます。会議中だからと秘書の制止を振り切って「大事な話がある」とペーの前に久々に現れるニアン。ふたりの間に険悪な空気が流れます。

子供を保育園に預けて仕事に出るボー。初日、子供と別れられなかったのがリアリティありました。

今でもペーのことが好きで、ターオと離婚までしたのにペーのもとにはもう戻れないボー、可哀想です。そして同じように、ボーへの気持ちを断ち切れないままニアンと結婚してしまったペーでしたが、そんな気持ちを忘れようとウィーに安らぎを求めてしまっています。いろんな人の気持ちがゆがみ、ひずんで最初のかたちとは随分違う方向へと向かってきているようです。観ていてかなり辛い展開・・・ボーとペーはもちろんですが、今までずっとペーのよき理解者だったウィーにも幸せになってもらいたいし、ティックとターオもそれぞれの両親に認められる関係になってほしい、だけどきっと難しいんですよね・・・このさきどんな展開が待っているのでしょうか。