今日の新聞に、私にとってはうれしく思える記事が掲載されていました。
「タイ “エイズ制圧”」
記事によると、98年には年間死者数が8833人だったのが、今年は10月の時点で757人に激減し、国連からも称賛されているとのこと。エイズで亡くなった患者のミイラを展示したり、性産業に関わる職業の人たちに避妊具を無償提供したりと、さまざまな対策を練ってきたようです。
タイに住んでいたときには、タイが「エイズ大国」だという認識は低かったのですが、コンビニのレジ横にコンドームがばら売りされていたり、普通のファッション雑誌にもエイズに罹った元タレントや元モデルが載っていたりと、日本よりはエイズに対する認識は高いのかな?ぐらいに思っていました。それでもこの数字は(事実なら)驚異的ですよね。
エイズで死んだ有名人・・・ということで、まっさきに思いつくのはフレディ・マーキュリー。エイズに感染していることをカミングアウトした翌日に天国へ旅立ったのはあまりにも有名。しかし当時の世論の反応はどうだったでしょうか?
フレディがゲイだったことから「エイズは同性愛者のかかる病気」「同性愛者=不潔」「エイズ患者は同性愛者で不潔」・・・今にして思えば、なんて浅はかなんて無知しかしそんなさなかにもバブル期真っ只中の日本人男性は、海外へ売春ツアーに出かけ、エイズのことが多少社会問題になってくると、処女を買うようになりました・・・。そうして感染した日本人男性はけして少なくないはず・・・そしてそんな日本人男性を夫に持った日本人女性も多いでしょう。さらに海外が危険となると国内で援助交際をしていた男性も多いはず。だから日本国内でも、かなりの数の感染者がいると思います。
「ちゃんと避妊をすれば大丈夫」「コンドームを使えばエイズには感染しない」・・・確かにそうかもしれません。しかし、一番大事なことは「不特定な相手との性交渉をもたない」ことではないでしょうか?性に対するモラルが崩れ去った今、もう少し自分を、そして相手を大切に思いやる気持ちが大事なのではないでしょうか。
エイズは確実な治療薬もないし、キャリアである自覚すらない場合もあります。でも、エイズに感染して一番恐ろしいこと、それは「エイズで死ぬこと」ではなく「エイズ差別で世間から抹殺されること」なのです。タイの施策は確かに効果を上げたものでした。しかし未だに、タイでもエイズ患者に対する差別はあります。私の大好きな「微笑みの国」タイ・・・どうかこの先も「エイズ大国」に戻らぬよう、意識を高めていって欲しい、そして私の母国日本・・・どこに向かうのかは分からないがとにかく過去のように海外に恥をさらすようなことはやめて欲しい。節操のない民族だと思われるような行動は慎んでほしいと思います。