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慢性腎炎の漢方治療 第63報 豚の膀胱が薬になる話

2013-03-04 00:15:00 | ブログ

盛国栄氏医案 水湿内蘊案

(当代名医臨床秘訣より)

患者43歳男性 1986412日初診

初診時所見

面色白、精神混沌、腰痛、眩暈耳鳴り、時々悪心あり、大便希溏、小便清長、眼瞼と四肢に浮腫、血圧138/109mmHg

検尿:蛋白(3+)、顆粒円柱(2+)WBC(+) RBC記載なし

コレステロール320mg/dl

舌質淡苔薄白、脈細弱。西洋医診断慢性腎炎腎病型

中医治療

湯配合金匱腎気丸加減

経過

治療1ヶ月で、症状好転、各項目検査異常なし。

評析

湯は盛氏の経験方である。

その組成は猪脬(豚の膀胱)1個 杜仲10g 冬虫夏草7g 地骨皮10g 茯苓20g 芡実20g 

懐山薬20g。猪脬以外の六味を清水3碗で30分程度煎じ、滓を除き、其の煎じ液で猪脬を

煮込 み、11剤或いは2日で1剤を服用し、12剤連続服用する。

本方は健脾滲湿、補腎の効能があり、方中の薬剤は全て入脾する組成であり、

性味は和平、 補にして不?、協調して補腎健脾、滲湿消腫の効能がある。

ドクター康仁の印象

脾腎陽虚ですね。フォローアップはしているのでしょうね。

さて

猪脬(ちょふ ジューフー)

性味は甘咸、平とも微寒とする説も有りますがどうでもいいと思います。無毒です。

帰経は膀胱。当たり前といえば当たり前ですが。

効能は止尿、除湿。消遺尿、疝気痛、囊湿疹、茎生瘡に効果があるとされます。

膀胱を食えば膀胱が良くなるのでしょうね。膀胱の気化作用が改善されるのでしょう。

腎臓じゃないところが面白いです。

半日は笑って暮らせます。

金匱腎気丸(きんきじんきがん)

六味地黄丸派生学 金匱腎気丸=八味地黄丸 以下の記事をご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20121005

201334日 記