盛国栄氏医案 水湿内蘊案
(当代名医臨床秘訣より)
患者:43歳男性 1986年4月12日初診
初診時所見:
面色白、精神混沌、腰痛、眩暈耳鳴り、時々悪心あり、大便希溏、小便清長、眼瞼と四肢に浮腫、血圧138/109mmHg。
検尿:蛋白(3+)、顆粒円柱(2+)WBC(+) RBC記載なし
コレステロール320mg/dl。
舌質淡苔薄白、脈細弱。西洋医診断:慢性腎炎腎病型
中医治療:
猪脬湯配合金匱腎気丸加減
経過:
治療1ヶ月で、症状好転、各項目検査異常なし。
評析:
猪脬湯は盛氏の経験方である。
その組成は猪脬(豚の膀胱)1個 杜仲10g 冬虫夏草7g 地骨皮10g 茯苓20g 芡実20g
懐山薬20g。猪脬以外の六味を清水3碗で30分程度煎じ、滓を除き、其の煎じ液で猪脬を
煮込 み、1日1剤或いは2日で1剤を服用し、12剤連続服用する。
本方は健脾滲湿、補腎の効能があり、方中の薬剤は全て入脾する組成であり、
性味は和平、 補にして不?、協調して補腎健脾、滲湿消腫の効能がある。
ドクター康仁の印象
脾腎陽虚ですね。フォローアップはしているのでしょうね。
さて
猪脬(ちょふ ジューフー)
性味は甘咸、平とも微寒とする説も有りますがどうでもいいと思います。無毒です。
帰経は膀胱。当たり前といえば当たり前ですが。
効能は止渇、縮尿、除湿。消渇、遺尿、疝気堕痛、陰囊湿疹、陰茎生瘡に効果があるとされます。
膀胱を食えば膀胱が良くなるのでしょうね。膀胱の気化作用が改善されるのでしょう。
腎臓じゃないところが面白いです。
半日は笑って暮らせます。
金匱腎気丸(きんきじんきがん)
六味地黄丸派生学 金匱腎気丸=八味地黄丸 以下の記事をご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20121005
2013年3月4日 記