?振声氏(1930~1998)医案 肺腎両虚 陰虚内熱案
(中国当代名医医案医話選より)
患者:李某 27歳 男性 工場労働者
初診年月日:1987年3月
主訴と病歴:
1986年11月感冒後に四肢に皮疹が出現、掻痒感があった。数日後、両下肢に瘀斑が出現、肉眼的血尿を伴い、尿蛋白(2+)、赤血球満視野、白血球、円柱は偶見、某医院に入院し「紫斑病性腎炎」と診断され、抗過敏及び止血治療を3ヶ月受け、瘀斑はやや好転したが、尿蛋白と顕微鏡学的血尿が持続し消えず、腰酸痛、咽干咽痛、手足心熱、口干喜飲、小便黄赤、大便干結。
初診時所見:
意識清明、倦怠あり、両下肢に依然として瘀斑が散在し、軽度の浮腫を合併する。舌質紅、苔薄黄、脈弦細。尿検:蛋白(2+)、赤血球満視野、白血球5~101/高倍視野、円柱0~3/低倍視野、腎機能正常。
診断と治則:
尿血(紫斑病性腎炎)、肺腎両虚、陰虚内熱
治則:養陰清熱 涼血散瘀
処方:生地15g 牡丹皮 10g 麦冬10g 五味子10g 茯苓15g 澤瀉15g 馬鞭草30g 生側柏葉30g 益母草30g 白花蛇舌草30g 桔梗6g 8剤 水煎服用
二診時所見と経過:
8剤を服用後、尿蛋白はすぐに陰転、尿の赤血球も消失し、諸症は顕著に好転した。上方を加減して継続服用1月余で、多数の尿検査で陰性は持続した。後に竹葉石膏湯など清利余熱の方に改め、今日まで3年再発なく、腎機能は正常である。
評析
本案は、生地 牡丹皮 麦冬で養陰清熱、馬鞭草、白花蛇舌草、生側柏葉で清熱止血に、茯苓 澤瀉は淡滲利湿に、五味子は斂陰益気に。桔梗は宣肺利咽に働き、共同して養陰清熱 涼血散瘀の効能となる。
ドクター康仁の印象
麦冬10g 五味子10gの組み合わせですぐに想起するのが生脈飲ですね。
人参 五味子 麦冬の組み合わせですが、若し本案に加味するとすれば、太子参がいいでしょうね。薬性も平~微寒ですから配伍しても間違いでは無いでしょう。私は党参と区別するためにライトブルーで表記し、平よりもやや寒よりの表記をしています。
紅人参 人参 党参 太子参 西洋参 という具合です。
2013年3月26日 記
そろそろ準備しないと。なんでも切羽詰らないとやらないのは私の癖ですね。
策士になれないはずです。
火事場の馬鹿力の方が効率はいいんですよ。
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