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動物霊園グリーンメモリアルのブログ

「いとしい子たちよ安らかに」

商店街の半見知り

2012年06月22日 | 可愛い子とご家族のお話
薄日差す梅雨の合間の朝、これまで何度か、猫さんの葬儀をなさっているご家族のもとへお伺いしました。
前日の夜に奥様からお電話を頂き、どうも猫が自動車に轢かれた現場に居合わせて、ともかく、懇意の獣医さんに連れて行き、何かあったら連絡するとの事でした。
猫さんは助かる事は出来ず、翌朝、奥様から再び電話が来ました。
奥様は、同じ区内に住んでいる独立した息子さん宅に定期的に通っておられ、何年も前から通り道の商店街で、この猫さんとは何度も会う事が有り半見知りの仲だったそうです。
歳も相当取っていて、動き出した自動車に気が付かなかったのでしょう。
残念ではあったが、生涯と終わり方は幸せだったと、商店街の方達は奥様に仰っていたそうです。
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家族旅行

2012年06月12日 | 可愛い子とご家族のお話
渇いた風が気持ちの良い日曜日の遅い朝、ワンちゃんのご葬儀を行いました。
一通り葬儀も終え、供養の際、祭壇に飾らせて頂きましたお写真をご家族にお返ししました。
奥様が額入りの写真をじっと見つめ、ご主人に撮影当時の思い出を語りはじめました。
毎年、年末年始は旧知の方が経営している南関東地方の旅館にお家に居るワンちゃん全員を自動車に乗せて旅行をなさってるそうです。
写真は数年前の旅行の道中で景観の良い場所で休憩していた処を撮影したものだそうです。
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語学の修得

2012年05月18日 | 可愛い子とご家族のお話
初夏を思わせる、良く晴れた朝に21才で亡くなった猫さんのお迎えをいたしました。
居間に通して頂くと、毛足の長い猫さんが人間用の赤ちゃんの籠の中で横たわっておりました。
今から約20年前、語学留学でフランスに赴いていたご主人が、帰国の際ホームステイ先のお家で生まれた猫さんを貰い受けたのだそうです。
日本の地に着いた猫さんは元気に成長し、近所の人々にも可愛いがられておりました。
奥様が言うには、ご主人はフランス語の他に猫語(?)も修得したらしく猫さんとは以心伝心の仲だったそうです。
亡くなる前日は最期の挨拶を交わしたのだそうです。
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新しい街

2012年04月29日 | 可愛い子とご家族のお話
桜の花も舞い散り、新緑が日々繁るある日の午後、ワンちゃんのお迎えをいたしました。
伺ったお宅の番地はまだGoogle mapに表示されない程の新しい宅地で、周りは建築中の建物がいくつもありました。
ご家族はこの春、年老いたワンちゃんと共に都心から移住されました。
引越の作業や、ご近所との挨拶も一通り済み、落ち着きはらったと同時にワンちゃんが亡くなったのだそうです。
新生活を楽しみにして購入されたばかりの真新しいペット用のベッドに横たわるワンちゃんを優しく撫でてお別れをなさいました。
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春の願い事

2012年03月29日 | 可愛い子とご家族のお話
穏やかな春の朝、小さな男の子と小型のワンちゃんを連れてお参りにいらしたご家族がおりました。
皆でお堂に納骨されている先代のワンちゃんにお線香を上げ、手を合わせておりました。
挨拶でお声を掛けていただき、男の子は春休みを迎え新学期には小学2年生になるのだそうです。
今日は進級して新しい友達がたくさん出来ますように先代のワンちゃんにお願いを掛けていたのだそうです。
パパが小脇に抱いているワンちゃんは男の子と同い年で、ママが仰るには、連れてきたワンちゃんは、これからも1年生のままなのだそうです。
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通いの黒猫

2012年03月25日 | 可愛い子とご家族のお話
彼岸の中日が過ぎ、寒さも和らいだある朝に猫さんのお迎えをいたしました。
伺ったお宅のリビングにはピンク色のタオルにくるまれ、赤いリボンを首に巻いた黒猫さんが横たわっておりました。
この黒猫さんは、ご家族の娘さんが少女だった頃に度々お家の庭にお邪魔して、なにやら用事が済んだら居なくなる、といった日常が3年位続いたそうです。
黒猫さんと出会って4年目の秋に変化が起こりました。
ある日を境に用事が済んでも帰らなくなり、お家に居付く様になったのです。
元々、動物好きで「猫も嫌いな所には寄り付かないよ」といった感性を持っている御家族はそのまま黒猫さんをお家に上げ、一緒に暮らす事になりました。
実はこの黒猫さん、お家から通りを隔てた、今は取り壊された団地に住んでいたお爺さんお婆さん達ににも可愛がられていた...と、町内会の会合で知ったのは、飼いはじめてから1年後の事でした。
晩年はあまり動かなくなりましたが、天気の良い日はお庭で丸くなり、用事が済んだらリビングに戻る日常だったそうです。
来訪した客人が偶然にも団地でウロウロしていた頃の黒猫さんの事を知っていて、本人(笑)を前にして当時の事のお話を聞いたのは良い思い出だったと、娘さんが仰いました。

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まだ言えない事

2012年02月28日 | 可愛い子とご家族のお話
外の水道が凍結する程の寒い日が続くある朝、今年に入り猫さんを亡くされた方がお参りにいらっしゃいました。
数年前にワンちゃんの葬儀をした事のあるこの方はこれまでも度々、ご夫妻で仲睦まじくお参りに来られておりましたが、最近は奥様の体調が芳しくないのか、お一人でお見えになる事が多かったです。
帰り際に挨拶でお声を掛けて頂き、懐かしそうに猫さんのお話をして下さいました。
そして、一番可愛いがっていた奥様は認知症になり、現在は入院施設におられるのだそうです。
この猫さんに会いたい一心でお正月に一時帰宅されたのですが、奥様が再び入院施設に入られた数日後に猫さんが亡くなったのです。
奥様を思いやるご主人は、まだその事を話せないままで過ごしていると、仰りました。
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迷子の帰還

2012年02月23日 | 可愛い子とご家族のお話
小雪が舞い降る2月の午後、県内よりワンちゃんを亡くされたご夫妻が来園されました。
葬儀中ご主人は、思い立つ事があるのか終始とても寂しい感じでした。
このワンちゃんは、1年と3ヶ月前に公用車のサイレンの音に驚き、自宅の塀を飛び越えて行方不明になったのだそうです。
以来、ご家族はワンちゃんを探す日々を送る事になりました。
それから1ヶ月の月日が経ちました。
ご主人は、お住まいの地域はもとより、犬が自発的に移動出来るであろう周辺の自治体の保健所や動物保護局
に定期的に問い合わせをしておりました。
インターネット上で保護されている動物たちの画像を閲覧し、膨大なデータの中から遂に宅の子を見つけました。
その日のうちに自宅から約20Km程離れた隣の自治体の保護局へ迎えに行ったそうです。
その姿は、随分と痩せてましたが、間違いなく自分の家の子だと確認した時は涙が出たと仰いました。
迷子だったワンちゃんは無事にご家族とお家に帰る事が出来ました。
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被災地の猫

2012年01月17日 | 可愛い子とご家族のお話
少しずつ日が沈むのが遅くなった、もうすぐ大寒を迎える夕暮れ、一組のご夫妻に火葬の済んだ猫さんのご収骨をして頂きました。
ご夫妻は過去に幾度も猫さんの火葬をなさっておられ、私は「お家には何匹の猫さんがおられるのでか?」と、不躾にも問い掛けてみました。
今は、ご自宅に30匹の猫さん達がおられ、その内の何匹は福島県で被災された方から預かってるという事です。
被災された方は今、埼玉県に住んでいおられ、ある御縁で行き場の無くなった猫さんをご自宅に迎え入れたのだそうです。
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幼い頃の手紙

2011年12月24日 | 可愛い子とご家族のお話
穏やかに晴れ渡る12月24日
一組のご家族が前日の夜に亡くなったワンちゃんのご葬儀に来園されました。
ご家族は約21年前に当霊園でワンちゃんを火葬され、お骨は現在に至るまでお堂に納骨されておりました。
本日は、その後19年間生活を共にしたワンちゃんがお亡くなりになったのを機に、先代のワンちゃんのお骨を共同墓地へ埋葬される事としました。
供養を行うにあたり、ご家族と一緒に先代のほとけ様を本堂の祭壇へ移そうとしましたら、納骨壇の奥に折りたたまれた朱色の折り紙ありました。
私はそれを手に取り「懐かしい物がございました」と、ご家族のお一人に手渡しいたしました。
折り紙はその方が幼少の頃、先代のワンちゃんに書いた手紙で、21年間納骨壇のほとけ様の傍らに添えられておりました。
照れながら受け取りながらも、皆様懐かしんでおられました。
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8年間のお姫様

2011年12月15日 | 可愛い子とご家族のお話
日の傾きかけた日曜日の昼過ぎに千葉市中心街にお住まいの方のお宅へ猫さんのお迎えをいたしました。
混雑した休日の駅周辺を通り抜け、ご家族のもとに到着しました。
優しい日だまりの縁側に16歳を迎え前日の夜お亡くなりになった猫さんがお庭の咲いていた色とりどりのお花と共にお棺に納まっておりました。
縁側の奥の居間の方からは、別の猫さんの鳴き声が聞こえます。
鳴いていた猫さんは8年程前に遠くアメリカから来日し、お宅で暮らす事になりました。
と、同時に昨日亡くなった猫さんは当時、自ら二階の寝室に入り一生を終える一か月前まで一歩も外に出る事無く過していたのだそうです。
猫さん達の都合は人知の超えた所にあるのでしょうが、ご家族のお母様は寝室に入り込んだ猫さんをご自宅のお姫様と位置付け、居間におられる猫さん共々大事にされていたそうです。
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めぐり会う時間

2011年10月23日 | 可愛い子とご家族のお話
肌寒さを感じはじめた10月の遅い午前中、ワンちゃんの葬儀をいたしました。
ご自宅へお迎えし、伴走、霊園に到着。一度管理事務室に戻り来園予定表を見ますと、今、お迎えしたご家族の奥様の弟さんのお名前が記入されておりました。
お姉さん宅のワンちゃんが亡くなった報受けての事と思い、奥様にお伝えしましたら、未だ弟さんには伝えてはいないと言う事でした。
斎場で点火した後、弟さんが来園され、本堂へお上がりいただきお姉さま夫婦と葬儀に参列いただきました。
ご姉弟は同じ区画内でそれぞれ個人でお墓を持たれており、弟さんはたまたまそれぞれのお墓に塔婆を立てに来られたのだそうです。
お姉さんは弟さんのお仕事の都合もある事から後日知らせるつもりだった様です。
大人になりそれぞれ独立し家族が揃う機会が年々減りましたが、きっとワンちゃんが引き合わせてくれたのだろうと、皆さま仰っておりました。
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終わりのない夏休み

2011年08月31日 | 可愛い子とご家族のお話
8月31日
明日は多くの学校が新学期を迎える夏休み最後の日。
朝方にワンちゃんを亡くされた方がその子を連れて来園されました。
家電製品の空き箱に納まっているワンちゃんの傍らに、その方の娘さんが書いた楽しかった夏休みの思い出の手紙が添えられておりました。
手紙には、ワンちゃんと一緒に自動車で田舎のお婆ちゃんのお家へ行った事や、同じく一緒にキャンプ場に行って昆虫採集をした事を似顔絵付きで思い思いに綴っていました。
娘さんは明日からの準備で来園する事が出来ませんでしたが、親御さんであるその方はワンちゃんに「終わりのない夏休みになったねぇ」と、優しそうにお別れの言葉を掛けておられました。
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お供えのスイカ

2011年08月13日 | 可愛い子とご家族のお話
お盆の迎え火をしようとした夕暮れに、最近ワンちゃんを亡くされた方がお墓参りをされておりました。
お帰りの際は大きなスイカをいただきました。
この方は農業を営んでおられ、スイカが大好物だったワンちゃんの為に毎年ご自身で栽培し食べさせていたのだそうです。
今年もスイカが実り、今日は亡きワンちゃんへのお供物としてお持ちされました。
大事に栽培されたスイカを本堂の祭壇にお供えさせていただきました。
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みんなのエンピツ

2011年07月04日 | 可愛い子とご家族のお話
夏至の遅い夕暮れに、市内に於きましてワンちゃんをお迎えにお伺いしました。
玄関先で最初に出迎えてくれたのは元気な3人の男の子達でした。
次いでお出になられた、お母様、お婆様に案内していただき男の子たちと一緒にワンちゃんの居る庭へ移りました。
縁側で横たわるワンちゃんをお棺に納め、男の子達に何か持たせてあげたい物があれば傍らに入れてね、と促すと皆駆け足でお家へ戻りました。
それぞれが持ち寄ったのは、庭に咲いてたお花、袋に詰めたドッグフード、お別れの絵文字を書いたノートの切れ端でした。
ご家族の男の子が、このワンちゃんから返信の手紙を貰えるようにエンピツを持たせようと提案しました。
男の子は同じ小学校に通う近所に住む仲の良い2人の友達と、下校後や休みの日は広いお庭と隣接する田園で亡くなったワンちゃんと遊んでいたそうです。
持たせたエンピツは3人が文房具の物々交換をしてるうちに廻りめぐって戻ってきたのです。
お別れの言葉を済ませ、ワンちゃんを自動車に乗せ出立する頃には3人はいつものように田園へ駆け出しておりました。
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