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動物霊園グリーンメモリアルのブログ

「いとしい子たちよ安らかに」

短冊に願いを

2013年07月07日 | 可愛い子とご家族のお話
関東甲信越地方の梅雨が明けたとの一報を受けた午後、猫さんのご葬儀をいたしました。
斎場にて猫さんを納棺し、ご家族はそれぞれが持ち寄った品物をお棺の猫さんに持たせてあげおりました。
一番近親者である娘さんが最後に願いを込めた色鮮やかな短冊を猫さんの懐に抱かせておりました。
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ホームの猫とお友達

2013年06月15日 | 可愛い子とご家族のお話
午前中の予定もそろそろ済みそうな時間に市内の老人福祉施設の事務局から電話が来ました。
この施設は居宅介護をしており、当霊園において古くからのお付き合いをさせていただいてる奥様が入居なさっております。
電話の内容は、奥様が飼っている猫さんが亡くなり迎えに来て欲しいとの事でした。
時間を指定していただき、介護施設に趣きました。
一階のラウンジには職員の方と共にソファーに座っている奥様がおられ、まだ温もりが残る猫さんが白いタオルにくるまれて膝の上で身を委ねておりました。
奥様は戦後の復興を経て結婚し、長年添い遂げたご主人が他界して幾年月の後、この猫さんと共にこのホームでの暮らしがはじまりました。同じフロアに入居している方々とも仲良くなりました。
奥様の様子を案じた職員の方の提案でご葬儀には仲の良い隣のお部屋の奥様に同行してもらう事にしました。
往復の車内は仲良し同士の会話で奥様の寂しさが和らいだかと感じとる事が出来ました。
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見送りの声援

2013年06月06日 | 可愛い子とご家族のお話
千葉市の多くの小学校は5月から6月にかけて運動会を開催しております。
梅雨の合間の晴れた朝、小学校の付近では保護者と共にピクニックシートや水筒を携えた子供達の姿が見えました。
そんな折、市内の小学校に隣接する住宅街へワンちゃんのお迎えをいたしました。
前日の夕方に亡くなったワンちゃんはお散歩の時間と小学校の児童の帰りの時間が重なり、いつも下校中の子供達に声を掛けてもらってたそうです。
校庭から聞こえる子供達の声援がワンちゃんを見送る掛け声の様だ、と、お家の方がおっしゃいました。
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母が残したもの

2013年04月26日 | 可愛い子とご家族のお話
寒気が戻り冷たい雨が降りしきる4月の昼下がり、猫さんの葬儀をとり行いました。
猫さんは元々、野良猫に近い状態でお家の庭に居付いておりました。
邪険にする訳もなく数年間ご家族は暖かい目で猫さんを見守っておりました。
半年ほど前に一番可愛がっておりました奥さまが急逝なさい、家の中の空気がぽっかり空いた様な寂しい雰囲気に包まれました。
奥さまが亡くなり一人暮らしとなりました御主人の事を案じた娘さんが嫁ぎ先からしばらくの間、実家に滞在する事にしました。
ある日、庭に居付いてる猫さんが縁側の窓を乗り越えお家に入り、奥さまが使ってた化粧台の椅子に座り込みました。
特に困惑する事もなく、その場に居た娘さんが猫さんを抱きかかえたところ、爪がクッション部に引っ掛かり、椅子の下部の収納庫の中があらわになりました。
収納の中身は奥さまの生涯の思い出の品が多数納まっており、ご主人も交え感慨深く手に取り故人を懐かしく思い浮かべました。
この日を境に猫さんは家猫となり、一人じゃなくなった父の事を安心した娘さんは自分の生活に戻りました。
猫さんは高齢だったと思われ、家の中ではとてもおとなしく過ごしましたが、日々、衰弱も進みこの日のお別れを迎えました。
娘さんは、この猫さんは母が残した最後の思い出だとおっしゃいました。
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留守番亀さん

2013年03月17日 | 可愛い子とご家族のお話
三寒四温の暖かい昼前、県内に於いて大きな亀さんのお迎えをいたしました。
亡くなった亀さんはお家のご主人が若かった頃、ペットショップで買い求められ、当時は手の平に乗る位に小さな子亀だったそうです。
数年の月日が経ち、およそ動物園でしかお目に掛かれない程の大きさに亀さんは育ちました。
食べ物は野菜が主食ですが、ある日贈り物の洋菓子を与えたところ、成分に洋酒が入っており、亀さんは酔っぱらってしまったそうです。
ご主人は県内で工場を営んでおり、ある時、作業所で留守番をしていた亀さんは出入りの業者の方々に頭を撫でてもらう事もありました。
「鶴は千年、亀は万年」と言われる様に縁起の良い動物と捉え、抜け変わった時に取っておいた旧い爪を事務所の神棚に祀ってあげたいと、ご主人がおっしゃられました。
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母のもとへ

2013年01月29日 | 可愛い子とご家族のお話
まだ日陰に雪が残る1月の昼下がりにワンちゃんのお迎えをいたしました。
市内で農業を営んでいるご主人が広い庭の一角に作られた犬舎の中の亡くなったワンちゃんのもとへ案内して下さいました。
ご主人は約8年前に元の飼い主が他界したこのワンちゃんを縁あって引き取りました。
故人が飼われていたのはこの子の他に母犬もいたそうです。
事情を知っていた御主人は母子一緒に引き取るつもりでいましたが、母犬は元の飼い主を追う様に死んでしまったのだそうです。
その後、子供の方はご主人のもと大事にしてもらっていました。
ご主人は楽しかった思い出話とともに、「お母さんのもとへ行きなさい」と、ワンちゃんに最後の言葉を掛けておられました。
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乳飲み子と通勤

2013年01月23日 | 可愛い子とご家族のお話
優しい日差しの冬の午後、区内のお菓子屋さんの駐車場で待ち合わせの猫さんを亡くされたご家族をお迎えいたしました。
駐車場には孫娘を伴ってシーツに包まれた猫さんを抱いた奥様が既に待っておられました。
亡くなった猫さんは、お孫さんのお母さん、つまり奥様の娘さんが当時の通勤路で目の開いててない乳児の状態で保護し育て上げたのだそうです。
獣医さんや周りの人達には、育てるのは無理だと忠告を受けました。
乳児の体温が下がらないように四六時中、肌着の上から離れないように工夫したそうです。
勤務先の会社も理解して下さって、哺乳瓶をカバンに入れて乳児と通勤する日々が続きました。
その後は病気や怪我も無くすくすく育ち、歯も生え揃った頃にはご自宅で暮らすようになりました。
ご葬儀の前に奥様はお孫さんに自分のお母さんが成し得た事を懐かしそうに語っておりました。
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みかん箱、りんご箱

2012年12月19日 | 可愛い子とご家族のお話
斜陽眩しい師走の夕方、市内の八百屋さんへ猫さんのお迎えをいたしました。
午前中の仕出しの忙しい時間を避けてお伺いしましたが、年の瀬を迎えるにあたり、お店の方達は慌ただしく倉庫の品物の入替えをなさっておりました。
店内の片隅にはお正月用のしめ縄が陳列されて、その傍らにリンゴ箱に納めてもらった白い猫さんがおり、ご家族が入り口まで連れて来ました。
この猫さんには姉妹がいましたが、片方の猫さんは数週間前に突然行方不明になったそうです。
年老いた猫であり、そう遠くには行かないだろうと思いその日は帰りを待ちました。
次の日からご家族は猫の目線になりながら方々を隈なく幾日も探しましたが遂に見つける事は叶いませんでした。
そして姉妹は再会することなく今日を迎えました。
居間の奥からご家族が、いなくなってしまった猫さんが使っていたミカン箱を持ってきました。
箱の中には敷いていたタオルがそのままに、猫さんに見立てた折り紙も入っていました。
残った猫さんが亡くなった事により諦めをつけたいと言うご家族の願いから、姉妹の唯一の持ち物を一緒に荼毘に伏してあげました。
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教室の猫

2012年11月28日 | 可愛い子とご家族のお話
本格的な冬を迎え、よく晴れた遅い午前に市内に置きまして猫さんのお迎えをいたしました。
伺った先は学習塾をなさっている方のお家です。
教室の入り口の下駄箱の上にはボール箱にお菓子とお花を添えて納まっている猫さんがおりました。
若い頃の猫さんは周辺をウロウロする野良猫でしたが、ご家族の導きから飼い猫になり、教室では生徒達の人気者になりました。授業中はウロウロする事無く下駄箱の脇で行儀良く丸くなっていたそうです。
添えられたお菓子は生徒である子供さん達がお別れに持たせてくれた物でした。
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寄り添う2つの心

2012年11月18日 | 可愛い子とご家族のお話
秋の長雨も降り止んだある日の午後、レトリバー犬のご葬儀を行いました。
このワンちゃんとは4日前に会ったばかりで、その時はお家におります別のレトリバー犬が亡くなりご自宅にお迎えをした時の事でした。
その時は案内され、ガレージに横たわる白い毛の犬の姿が見えましたが違いました。「こっちのはまだなんですよ」と奥様。
亡くなったのはその奥の小屋の中でシーツにくるまれた黒い毛のワンちゃんでした。
今から約10年前、この2頭のワンちゃんは市内のゴルフ場の駐車場に捨てられていたそうです。
行き場を無くした2頭はお互い寄り添い、かばい合って幾日をその場で凌いでいました。
ゴルフ場に通っていた奥様とご主人は見かねて運営と相談し、行政の手続きや指導に基づきワンちゃん達を引き取る事にしました。
4日前に至るまで2頭は離れる事無く仲良く過ごし、黒い毛の子が亡くなった後はめっきり精気を失い、ご家族の励まし虚しく白い毛の子は後を追う様に目を閉じました。
斎場でのお別れの時には「この子達は離れられなかったんだね」と、ご家族が仰いました。
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誕生日前日

2012年10月24日 | 可愛い子とご家族のお話
秋空が高く青い昼さがりに1組のご夫妻がワンちゃんのご葬儀に来園されました。
長年、お仕事前の早朝からご夫妻でお散歩をさせたて途中行き交うお散歩仲間のお話を楽しそうにお話して頂きました。
葬儀の過程、本堂でお待ちしている間に奥様が「そういえば明日は貴方の誕生日だったわねぇ」と仰いました。
お二人は息子さんと娘さんが独立後も尚、ご自分の生業に精進し忙しい毎日を送りながらもワンちゃんを大事にしておられました。
携帯電話を取り出した奥様が息子さん娘さんや友人に明日夕食を供にする約束をしました。
ワンちゃんの思い出話を兼ね、ささやかですがご主人のお誕生会をなさるのだそうです。
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相談話

2012年10月19日 | 可愛い子とご家族のお話
10月に入ったある日の朝、お参りにいらしたご夫妻からある相談を受けました。
現在ご自宅で飼われてる猫さんが家を飛び出して帰る事が出来ないのだそうです。
かつて可愛がっていた納骨堂に入っている猫さんが亡き後、縁あって引き取り家から外に出た事無く1年を過ぎた猫さんですが、何かの拍子で外に飛び出した様です。
それから数日後、奥様がすぐ近所で猫さんを見つけました。
小さな時から外に出た事のない猫さんに奥様が名前を呼んで手招きするものの、怖がってるのか逃げてしまいます。
私はご夫妻に以前獣医さんから聞いた、トイレの砂を家の付近に蒔いたら帰り易くなる事をしました。
この話はご夫妻も知っており、ご近所の迷惑にならない程度の実践されてる様です。
全く姿を無くしたという訳ではないので、気長に見かけたら腰を落としてこちらの事を見向いてくれるようにしたいと奥様が仰いました。
早く、お家に帰る事が出来たらいいね。
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夫婦喧嘩は猫が食う

2012年09月27日 | 可愛い子とご家族のお話
暑さも和らいだ9月のある朝、市内に於きまして長寿を全うした猫さんのお迎えをいたしました。
ご自宅から霊園までの往復中、同乗した奥様から猫さんの思い出話を聞かせて頂きました。
初めてお産に立ち会った事、交通事故で前足を複雑骨折をした事、そして些細な事でご主人と喧嘩になった翌朝、ご主人の顔や手足が傷だらけになっていたそうです。
喧嘩をした夜は険悪なムードでご主人はリビングで一人で寝込んみました。
どうも自分のテリトリーを侵されたと勘違いした猫さんにかじられ蹴られた様です。
ご主人は怒る気など毛頭も無く、奥様はご主人の事を思いやり、猫さんが二人を仲裁したのだ、と、思う事にしました。
傷だらけの顔を見てお互い笑い、ご夫妻は仲直りをしました。
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社長さんと猫達

2012年08月29日 | 可愛い子とご家族のお話
猛暑日が続く8月の半ば、猫さんのお迎えをいたしました。
ご依頼をされたのは市内の繁華街で代々ご商売をなさってる社長さんで、これまでもご自分で飼われてるワンちゃんや猫さんばかりではなく、お店の周辺でウロウロしてるいわゆる地域猫のご葬儀もされております。
社長さんが仰るには、周辺に居る猫のグループは5年から10年位の周期で入れ替わるらしく、今回亡くなった猫は最近姿を表したグループの一員だそうです。
この周辺の猫達は社長さんが幼い頃から居着いており、遠方から見物に来る人も居るそうです。
社長さんは近年から周辺に配慮し、人に寄り付く猫には病気が蔓延したり、当てのない子猫が増えない様に施しをなさっているそうです。
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田んぼの畦道

2012年07月10日 | 可愛い子とご家族のお話
雨上がりの朝、田園広がる耕作地付近にお住まいの方からご依頼がありました。
亡くなったのは小型のワンちゃんで、今から5年前に家の前の通りを隔てた田んぼの畦(あぜ)道で保護したそうです。
成犬になってるとは言え、汚れた体をヨロヨロさせている所を数羽のカラスに襲われそうな状況で、お家の方は抱きかかえ家へ連れて行きました。
獣医さんの健康診断を受けたところ、高齢による疾患と長期の放浪で受けた疲労で長くは生きて行けないとの看立てでした。
どんな事情で放浪したかは判らないが、元の飼い主を探したとて名乗り出る事は無いであろう、という思いもありワンちゃんを引き取る事にしました。
余生はご家族と過ごし、田んぼの畦道を毎日お散歩をさせてもらってたそうです。
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