動物霊園グリーンメモリアルのブログ

「いとしい子たちよ安らかに」

通信紙 第75号

2015年05月31日 | 通信紙版バックナンバー
平成27年(2015) 6月


芒種
6月6日は二十四節季のひとつ芒種(ぼうしゅ)にあたります。
芒種は6月6日から夏至までの期間。太陽黄径75度。小満から数えて15日目頃です。
芒(のぎ)のある穀物や稲や麦など穂の出る穀物の種をまく季節ということから、芒種と言われています。
(実際の種まきは、これよりも早い時季に行います)。
梅の実が青から黄色に変わり、百舌(モズ)が鳴き始め、かまきりや蛍が現れ始める頃でもあります。
次第に梅雨めいて、五月雨(さみだれ)の季節に入ります。


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病室の打ち明け
5月の連休明け、推定6才だという猫さんのご葬儀に来園した方がおられました。
何度か当霊園を利用されておりますこの方がおっしゃるには、1年くらい前にご近所の初老の男性がこの猫を市内の公園で保護し自宅で飼うようになったそうです。
これまでの経緯が分からない猫でしたが人慣れており一人暮らしの男性と仲良く暮らしておりました。それから半年後、猫の身体に癌が発覚し、男性は病に伏した猫を連れ獣医に通う様になります。


猫の病状は芳しくなく治る気配がしない日々が過ぎて行く中、今度は男性が重度の病に倒れ救急車で病院に運ばれました。ご近所の仲、話を聞きつけ見舞に行った所、本人はICUにおり、男性の仕事仲間の方が応対してくれました。挨拶もそこそこに話は獣医に入院中の猫の事にいたりましたが、悩むまでもなく男性の病状が良くなるまで飼い主代理として責任を持つ事になりました。
数日後、意識が戻り一般病棟に移った男性の見舞に再度赴きお互いの近況と猫の経過についてお話をしましたら、男性はうつろな表情で自分自身の今後の医療費や入院費は工面出来そうだが財産も底を尽き猫の医者代は払えなくなった、と打ち明けました。
突きつけられた現実にうつろな目からうっすらと涙がこぼれるのを垣間見、獣医師に支払う治療費も含め自分が猫を引き取る事を男性に承知してもらいました。


余命いくばくも無く自宅での療養を薦める獣医師の助言もあり数日間ではありましたが、行く当ての無くなりそうな猫を介護して今日に至ります。
男性は今も入院生活をし、リハビリを行えるまでに回復しました。









第75号 紙面版(PDF)





病室の打ち明け

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

5月の連休明け、推定6才だという猫さんのご葬儀に来園した方がおられました。
何度か当霊園を利用されておりますこの方がおっしゃるには、1年くらい前にご近所の初老の男性がこの猫を市内の公園で保護し自宅で飼うようになったそうです。
これまでの経緯が分からない猫でしたが人慣れており一人暮らしの男性と仲良く暮らしておりました。それから半年後、猫の身体に癌が発覚し、男性は病に伏した猫を連れ獣医に通う様になります。


猫の病状は芳しくなく治る気配がしない日々が過ぎて行く中、今度は男性が重度の病に倒れ救急車で病院に運ばれました。ご近所の仲、話を聞きつけ見舞に行った所、本人はICUにおり、男性の仕事仲間の方が応対してくれました。挨拶もそこそこに話は獣医に入院中の猫の事にいたりましたが、悩むまでもなく男性の病状が良くなるまで飼い主代理として責任を持つ事になりました。
数日後、意識が戻り一般病棟に移った男性の見舞に再度赴きお互いの近況と猫の経過についてお話をしましたら、男性はうつろな表情で自分自身の今後の医療費や入院費は工面出来そうだが財産も底を尽き猫の医者代は払えなくなった、と打ち明けました。
突きつけられた現実にうつろな目からうっすらと涙がこぼれるのを垣間見、獣医師に支払う治療費も含め自分が猫を引き取る事を男性に承知してもらいました。


余命いくばくも無く自宅での療養を薦める獣医師の助言もあり数日間ではありましたが、行く当ての無くなりそうな猫を介護して今日に至ります。
男性は今も入院生活をし、リハビリを行えるまでに回復しました。


ケヤキの木の下で

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

自分の子供の成長を同じ場所、同じ構図で撮影されて年月の経過を思いを寄せる画像を以前メディアを通じて見た事があります。犬に対しても同じ気持ちでいたいと思う方もたくさんおられる事でしょう。
4月の寒の戻り、長寿を全うした柴犬のご葬儀にご夫妻が来園されました。
斎場でのお別れには犬小屋に張り付けていた御主人お手製の表札を持たせてあげておりました。
ご夫妻がご用意なさいましたご供養の際に使うワンちゃんの仔犬時代、成犬時代、晩年の写真を一つの額に挿した遺影を手に、お二人は懐かしそうに当時のお話をして下さいました。
今回亡くなったワンちゃんは先代に飼っていたワンちゃんが他界して間もなく知人から「仔犬が生まれたので見に来ないか?」との呼びかけがきっかけでご縁がありました。
当時、先代を亡くされて寂しさ紛れが半分、死んで間もなくの生まれ変わりの希望が半分の気持ちで知人宅に伺いました。そこには可愛い2匹の仔犬がつぶらな瞳を輝かせて待っておりました。
これにはお二人も困ったらしく、もし生まれたのが5匹とかオスとメスだったなら選び易かったのでしょうが、何しろ生まれたのは2匹の元気なオス。もう一組、別の方が里親を名乗り出ているため両方引き取るという訳にはいかず、お二人にはどちらにするか迷う苦渋の選択が迫られます。
数分を経て意を決した御主人が口元の黒い熊に似た方の仔犬をもらう事を奥様と知人に告げました。
めでたく里親となった帰り道、車中で奥様が先代のワンちゃんとの思い出深い場所に寄りたいとご主人に口ずさみました。そこは自宅からそれ程遠くない小高い丘で周囲の町を見渡せるお散歩コース。先代のワンちゃんと十数年に渡り毎日往復していた歩道が視界に広がります。
当時現場監督を務めていた御主人はその日もカメラを持ち合わせていたので、散歩コースの折り返し地点であったケヤキの木の下で仔犬と記念写真を撮り、この日以来撮影は年中行事となりました。
・・あの時選び洩れた兄弟犬はどうしているのだろう・・仕様もない心配とは分かってはいるものの片割れの幸せを願う気持ちも有り毎年同じ場所で二人は自分達と犬の写真を撮り続けます。二人きりとなったご夫妻は葬儀の帰りにワンちゃんの出所である知人宅に挨拶も兼ね訪問するのだそうです。これから先の人生でもケヤキを見る度にワンちゃん達の事を思い出してあげたい。そう願っておりました。

かすみ草

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

本来肉食である猫が草を食べる光景は猫を飼っている方なら一度は見た事があると思います。
猫草あるいはそのままキャットグラスと呼ばれる植物は燕麦(エンバク)のようなイネ科が多くペット用品店などで栽培キットも販売されております。
なぜ猫は草を食べるのでしょう?ストレス解消や不足した栄養摂取など諸説はありますが毛繕いで胃に溜まった毛を吐き出すため、というのが有力です。



しかし実際のところは解明されておりません。
ところで猫草以外の植物を食べていた猫さんがおりました。
節分過ぎのポカポカ陽気の中、市内に於きまして猫さんのお迎えをいたしました。
納まったお棺にはたくさんのかすみ草が別れのしるしとして詰められておりました。
当霊園で幾度か葬儀をされました猫さん達は皆、猫草ではなくかすみ草を好んで食べていたそうです。今から十数年前の事、茶の間のお飾りにかすみ草を花瓶に挿したところ初代の猫さんが興味津津に近づきムシャムシャ食べはじめました。
これを機ご家族は日常的に近所の花屋さんに通う様になります。
不思議な事に後に飼う事になる血の繋がらない猫達も同じ行動をしており、今回亡くなりました猫さんは花屋さんにも可愛がって貰いました。
猫さんとの思い出と共に御家族は今後もかすみ草を飾り続けるそうです。


拍手でサヨナラ

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

師走。まだ年の瀬の感が薄い12月初旬にお婆ちゃん、お母さん、小学生の男の子の3世代3人の御家族が猫さんの火葬ご供養に来園されました。
本堂に上がっていただき読経を一通り済み振り向いたところ、男の子から拍手喝采をうけました。
後でお婆ちゃんがおっしゃるには男の子は前日、自治体が開催した音楽コンサートを小学校全体で赴き手拍子や拍手のタイミングを演目前に練習したそうです。
前日の楽しい余韻での嬉しさと家族皆で可愛いがっていた猫さんとのお別れが微妙に噛み合い、そのせいあってか拍手はとても良い間で行えた訳です。
男の子はこれからも音楽を楽しみたい、と、お婆様に耳打ちをしておりました。



沿道の応援者

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

11月連休最後の遅い朝、月に一度程霊園内の設備に来られる社長さんから電話がありました。
年老いたワンちゃんが今朝亡くなり午後1時半までに迎えに来て欲しいと云う事で時間の指定もされました。
この日は国際千葉駅伝が開催され、社長さん宅の前は第6走者のコース上に当たります。
交通規制される事を予想してか案外道路は空いておりスタート30分前には社長さん宅に到着がする事ができました。玄関前の沿道はまさに最後のランナーが走るコースで、多くの大会関係者が歩道と道路の安全確保の作業に忙殺され赤いパイロンが綺麗なラインを成しておりました。
社長さんは毎年この大会の日にはご近所の方をお招きし、庭にディレクターチェアとテーブルを出してワンちゃんと共に走者全員に声援を掛けていたそうです。
ワンちゃんが居なくなって寂しい限りの社長さんでしたが、これからも毎年疾走する選手達を応援したい、と言う気持ちで一杯でした。

一夜の森の秘密

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

木枯らしが落ち葉を舞い散らす秋の空、何年も前に猫さんを火葬された方が命日のお参りに来園され、当霊園に隣接する森を感慨深そうに眺めておりました。
十数年前に知人から引き取った仔猫はわがまま一杯に育ちお家の方も少々手を焼いておりました。
数年経ったある日、掃除中に何が気に食わなかったのか掃除機を掛けている奥様の腕にかじりつき棚にあった物をどんどん落としてしまいました。
これまでもそんな事が度々ありましたが、この時ばかりは思わず声高々に怒ってしましました。
自分が巻いた種にびっくりした猫さんは開いた窓から逃げ出し自宅隣の森に逃げ込みます。
わがまま放題の暴君を半ば野に放つみたいな事になりましたが、それでもご家族は森に向かって呼びかけました。猫さんはその日一日行方不明の状態となります。
あくる朝、けたたましいニャーニャー声が窓を通り越して聞こえます。
たった一晩の家出でしたが以来猫さんは生まれ変わったかのように大人しく落ち着いた性格になり生涯外に出る事はなかったそうです。
帰って来た朝までの間、猫さんの性格に悩まされた自分が諦めを付け森に捨ててしまった様だと秘密の気持ちを奥様が打ち明けました。
森の中で一晩、人間の知り得ない動物の世界で何が起きたかは分かりませんが、余程怖い目に有ったのではないかと云った見解でした。

仔猫が選んだ31人目

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

夏の終わりが近付き、すっかり秋めいた8月の午後。
若葉区内の住宅街へ猫さんとご家族のお迎えをいたしました。
伺った先は昭和の代から何度かお迎えに行った事のある家で、変わらぬ姿の奥様が出迎えて下さいました。
今回亡くなりました猫さんは今から14年前、大手新聞社が発行するフリーペの里親募集が縁でお家に来たのですが、元の飼い主さんから了承を得るまでには2カ月を要しました。
それと言うのも、最初に連絡した時点で既に30人の応募者がおり、元の飼い主の方は里親として相応しいかどうかを全ての方に会って見極めていたそうです。
30軒中どの方も目に適わず31人目の応募者であるご家族宅に元の飼い主さんが仔猫をお家に連れて参りました。
仔猫との初対面。ご家族もいくばくかの緊張のもとバスケットの入り口を開けると白い小さな体躯が足取り軽く応募者であるご主人の懐の入り込み丸くなります。
これには元の飼い主さんも驚いて、自分にさえした事のない仔猫の行動に少し焼きもちをしたみたいでしたが、その場の和んだ空気を見通したのと、ご家族が仔猫と暮らしたいという気持ちが
噛み合い今日に至りました。
仔猫が飼い主として選んだご主人は数年前に他界され、娘さんも嫁ぎ、一人となった奥様はこの先は楽しい思い出を心の支えとして生きて行きたい・・と、おっしゃいました。




海のへのお出かけ

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

梅雨明け以降暑い日が続く中、ワンちゃんお墓参りにいらした方からたくさんの野菜をいただきました。
この日はこの方の奥さまの命日という事で午前中にご自宅での法要を済ませ訪れた親戚を駅まで送り当霊園に来られたんだそうです。
いただいた野菜は家庭菜園で栽培された物で亡くなった奥さまも生前は野菜作りを手伝ってくれたそうです。菜園は千葉県九十九里浜の近くにあり、亡くなった奥さま、ワンちゃんとは農作業が済んだ後、一緒に砂浜で遊んでいた・・と、思い出話をして下さいました。
あの夏から幾年が経ち、独り身となったこれからも亡くなった家族と居るつもりで野菜作りを続けたいとおっしゃっておりました。


祭りの準備

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

もうすぐ梅雨が明ける7月の連休中、開業医をなさっているお宅へ猫さんのお迎えをいたしました。
古くから開業している医院はモダンな趣を過度に主張せず庭の植え込みが良い具合に調和しており朝の診察時間を待っています。
庭の広いアーチをくぐり住居側の玄関に廻ると医院の主、院長先生が出迎えて下さいました。
出棺の準備も済み、ふと通りの公園を見ますと祭りの準備がされており、町内会とおぼしき人達がやぐらを組みせわしなく作業をすすめております。
一緒に来園された御家族のお話によりますと、亡くなった猫さんは数年前の同じ時期、この公園で院長先生に保護され家に招きいれたのだそうです。
その後も猫さんは度々公園にお出かけして、ご近所の方には「院長先生の猫」と呼ばれ医院共々親しまれました。
毎年行われる祭りの朝、猫さんは可愛がって下さったご近所や外来患者の方に見送られました。

思い出を励みに

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

新緑薫る5月の晴れたある日、およそ10年前に亡くなり当霊園に眠るワンちゃんのお参りに仔犬を伴い一組のご家族がいらっしゃいました。
自動車から力もと無く降りたご主人は数年前、脳梗塞で倒れ救急車で病院に運ばれ一命は取り留めましたが当時は身体の自由が効かない状態だったそうです。
それまではお仕事、趣味、ご家族を自分の鑑とし充実した生活を送っておりましたが一変しました。ただ呆然と自分の状況を受け入れこれまでの半生が何だったのかを自問するばかりでした。
しかし、ご家族の支えと仕事仲間の理解協力もあり、その後の辛いリハビリを乗り越え現在は杖無しで歩行できるまで回復し、お仕事も支障のない程度に復帰されました。
生前のワンちゃんとご主人はお住まいの千城台から御成街道を通り史跡「御茶屋御殿」まで良く散歩をされてリハビリの歩行訓練では当時の事を思い出し励みにしていたそうです。
この日のお参りは、最近飼い始めた仔犬と共に先代のワンちゃんにお礼を告げ、帰りには思い出の史跡を久しぶりに御家族と散策するそうです。

車中の励まし

2015年05月25日 | 可愛い子とご家族のお話

冬の終わり、もうすぐ春の3月の柔らかい日差しの中、市内に於きまして猫さんのお迎えをいたしました。
国道沿いに住まわれてるお宅に到着すると、両隣の奥様方に出迎えていただきました。
「トシちゃん!お迎え来たわよー」と仲良しの声音に宅の奥様が奥の居間から顔を出し、手招きしをします。
お邪魔した居間のソファーの上に愛用してたベッドに猫さんは横たわっておりました。
猫さんは去年の暮れから体調を崩し病院へは奥様に連れられてタクシーで通う事になりました。
週2回以上は利用したタクシーですが、猫さんと奥様は顔馴染みになった運転手さんから毎回励ましの言葉を掛けてもらっていたそうです。
決して若くなく、先の短い猫だと分かっていても優しい言葉はとても嬉しいものだと奥様はおっしゃいました。


仔猫だまし

2015年05月23日 | 園内の整備・準備活動
新緑の季節、最寄りのコンビニの駐車場ではハイキングへ行く児童達が水筒を携え待ち合わせをしておりました。
先週の花の植え替えに続き植木の剪定を行い、背丈を揃えました。



・・・先日、朝の準備作業で手元を誤り「猫だまし」を破損しました(つД`)
現在は秘密工房で集中治療中(笑)です。



お詫びに「仔猫だまし」を設置しました。今回は2匹おります。


母の日

2015年05月09日 | 季節・空模様
明日、5月の第2日曜日は母の日ですね。
誰しも皆、お母さんから生まれ愛情をもって育ててもらい成人します。
普段の感謝の気持ちを休憩所にカーネーションを置きました。


これから一年で一番植物が成長する時期に入り不定期的に園内の植木の剪定作業を行います。