平成29年 (2017) 1月
平成29年、今年の干支は酉(とり)年です。
「鳥」ではなく「酉」と表すのはニワトリの事であり朝一番に鳴き、お客様を「とりこむ」商売繁盛の縁起が良いとされております。
・・以下は干支になった動物たちの経緯のお話です。
ある年末のこと。神様がこんなことを言いだしました。
「元旦の日に、私の元へ来なさい。1番から12番目までの者を一年間の大将にしよう。」
動物たちはそれぞれ、一番をめざして元旦の日に神様の元へ行くよう準備を始めました。猫はうっかりいつ行けばいいのかを聞き逃したのでネズミに聞いてみると、ライバルを一人でも少なくしようとしたネズミはわざと一日遅れの日を教えました。
牛は、歩くのが遅いことを自分で知っていたので、みんなより早く出発。ネズミは牛の出発を知り、楽をする為に背中にのり、のんびり神様の元へ向かうことにしました。
牛は元日前に到着。神様の門があくのを待っていました。そして、その門が開いた時・・背中にいたネズミがピョン!と飛び降り一番目。ネズミを連れてきた牛は2番目となったのです。
その後、トラ、うさぎ、龍、ヘビ、馬、ひつじ、サル、とり、犬、いのししが到着。ここで12番目までが決まり、12年間の大将選びが終了しました。
何も知らずに次の日についた猫はびっくり!!すでに12番目が決定しているどころかもう誰もいない。・・一日騙された!!とわかった猫は怒り、ネズミを追いかけるようになりましたとさ。
おしまい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
内緒の言葉
少し肌を刺す12月の朝、同じ区内に於きましてワンちゃんとご家族のお迎えを致しました。
晴れた空の下、ご家族が玄関先で出迎えて下さり奥様とワンちゃんのご遺体は当霊園の自動車に乗車、娘さんは御自分の自動車で追従するかたちで出発し、車中で奥様がワンちゃんの思い出をひしひしと語りはじめました。
奥様は元々犬が好きじゃない・・というか関心が無かったのですが7年前、ワンちゃんの本当の飼い主であったご主人が他界し、誰に言われる事なく自分と娘さん世帯みんなで世話を引き継ぐ事になり生活様式も変わり犬を通した友人も増えました。
幼いお孫さんは残ったワンちゃんと触れ合う事により家族や生き物に対する思いやる心が育み亡くなった前日はお別れを言いたいのでワンちゃんと二人きりにして欲しいと懇願したので言われた通り皆が席を外すとおよそ4~5分間、障子のガラス越しから冷えた和室でワンちゃんの頭を撫で手を繋ぎ声を掛けている姿が見えました。
奥様はお孫さんにワンちゃんと何を話していたのか尋ねましたがそれは内緒なのだそうで、
あまりの悲しさと寂しさに本日の葬儀には来ないで通っているスポーツクラブに行って気持ちを紛らわしているそうです。
御主人、つまりお孫さんのお爺様の生き物を思いやる優しい心は教えなくても子孫に伝わるものですね、と奥様は話を結びました。
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紙面版PDF
平成29年、今年の干支は酉(とり)年です。
「鳥」ではなく「酉」と表すのはニワトリの事であり朝一番に鳴き、お客様を「とりこむ」商売繁盛の縁起が良いとされております。
・・以下は干支になった動物たちの経緯のお話です。
ある年末のこと。神様がこんなことを言いだしました。
「元旦の日に、私の元へ来なさい。1番から12番目までの者を一年間の大将にしよう。」
動物たちはそれぞれ、一番をめざして元旦の日に神様の元へ行くよう準備を始めました。猫はうっかりいつ行けばいいのかを聞き逃したのでネズミに聞いてみると、ライバルを一人でも少なくしようとしたネズミはわざと一日遅れの日を教えました。
牛は、歩くのが遅いことを自分で知っていたので、みんなより早く出発。ネズミは牛の出発を知り、楽をする為に背中にのり、のんびり神様の元へ向かうことにしました。
牛は元日前に到着。神様の門があくのを待っていました。そして、その門が開いた時・・背中にいたネズミがピョン!と飛び降り一番目。ネズミを連れてきた牛は2番目となったのです。
その後、トラ、うさぎ、龍、ヘビ、馬、ひつじ、サル、とり、犬、いのししが到着。ここで12番目までが決まり、12年間の大将選びが終了しました。
何も知らずに次の日についた猫はびっくり!!すでに12番目が決定しているどころかもう誰もいない。・・一日騙された!!とわかった猫は怒り、ネズミを追いかけるようになりましたとさ。
おしまい。
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内緒の言葉
少し肌を刺す12月の朝、同じ区内に於きましてワンちゃんとご家族のお迎えを致しました。
晴れた空の下、ご家族が玄関先で出迎えて下さり奥様とワンちゃんのご遺体は当霊園の自動車に乗車、娘さんは御自分の自動車で追従するかたちで出発し、車中で奥様がワンちゃんの思い出をひしひしと語りはじめました。
奥様は元々犬が好きじゃない・・というか関心が無かったのですが7年前、ワンちゃんの本当の飼い主であったご主人が他界し、誰に言われる事なく自分と娘さん世帯みんなで世話を引き継ぐ事になり生活様式も変わり犬を通した友人も増えました。
幼いお孫さんは残ったワンちゃんと触れ合う事により家族や生き物に対する思いやる心が育み亡くなった前日はお別れを言いたいのでワンちゃんと二人きりにして欲しいと懇願したので言われた通り皆が席を外すとおよそ4~5分間、障子のガラス越しから冷えた和室でワンちゃんの頭を撫で手を繋ぎ声を掛けている姿が見えました。
奥様はお孫さんにワンちゃんと何を話していたのか尋ねましたがそれは内緒なのだそうで、
あまりの悲しさと寂しさに本日の葬儀には来ないで通っているスポーツクラブに行って気持ちを紛らわしているそうです。
御主人、つまりお孫さんのお爺様の生き物を思いやる優しい心は教えなくても子孫に伝わるものですね、と奥様は話を結びました。
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