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動物霊園グリーンメモリアルのブログ

「いとしい子たちよ安らかに」

巡る画像

2015年01月27日 | 可愛い子とご家族のお話
近年は撮影した画像をSNSに投稿したくさんの人と共有される方が多いですね。
私も経験がある事なのですが、最近の出来事です。
私的に知り合って10年来のワンちゃんのご葬儀を行いました。前日からの予定から早朝ご自宅へお迎えした時ご家族は広く延ばされたワンちゃんの画像を手にされております。
見慣れた可愛い顔の画像について御主人に自分で撮影されたのかと尋ねましたら、数週間前にインターネット上で犬の画像集を閲覧してた時に・・どこかで見た姿が・・何とご自分宅のワンちゃんがネット上にアップロードされていたのを偶然見つけました。公園でたたずむ姿はご主人も思い当たりがあり、1年くらい前に散歩の途中に顔見知りの方に撮影してもらったそうです。
その後、撮影した方がご自分のSNSに上げ、画像が巡り巡って戻ってきたのです。
ご家族は嬉しさのあまり画像を出力し写真化しました。
良く晴れた公園を背景にした写真を遺影に、ご家族はワンちゃんをお送りしました。



新生活

2014年10月27日 | 可愛い子とご家族のお話
10月の台風一過、晴れ渡る空の下ワンちゃんの葬儀にご夫妻がいらっしゃいました。
最期を看取ったご主人は3日間寝ずの看病をしてとてもお疲れ気味の様子でした。
しかし、一方では安堵した気持ちでもありました。
と、いうのは、遠い地方で一人住まいをしております御義母様と数カ月前からご夫妻の家で一緒に暮らす事が出来た事にあります。
御義母様はお年寄り特有の病気にかかり母の余生を案じ途方に暮れる奥様に「皆で一緒に暮らそう」と、ご主人が打ち明けました。
新たな生活が始まったと同時にワンちゃんの衰弱がはじまり、ご夫妻は仕事をしながら介護を必要とする親と犬の面倒を見てきました。
思えば、手を焼かせまいとワンちゃんが身を引くような死に方だったとご主人は言い、奥様は優しい御主人の言葉や行動に救われたと言いました。
これから3人でこれまで以上に仲良く暮らして行きたい。そんな心境でワンちゃんとのお別れをなさいました。

コンビニの招き猫

2014年06月23日 | 可愛い子とご家族のお話
梅雨の合間、夏の様な日差し差す6月のある朝。県内の港湾地帯付近にあるコンビニエンスストアーへ猫さんのお迎えをいたしました。
平日の通勤時間ともありお伺いしたお店の中はお客様の出入りが混濁し、オーナーである奥様の手が空くまでの間、広めの駐車場の片隅で待つ事とさせていただきました。
お仕事のシフトの関係で前日に亡くなった猫さんは奥さまが少し離れたご自宅から早朝お店に連れて来られました。
レジの行列が一通り済み一息ついたところ駐車場に出てきた奥さまがダンボールのお棺に入った猫さんをご自分の自動車の後部座席から抱え出しました。
猫さんは十数年前にこのお店の近くで成猫の状態で数日ウロウロしていた所を息子さんが保護したそうです。
人に慣れており話しかけると頷く素振りを見せる事から、おそらくは前の飼い主から捨てられたのではないか、という感じだったと奥様が回顧しておりました。
猫さんとご家族が出会ってから程無く、店舗の新装や拡大が決まり経営はより良い環境となり、親しい方からは「招き猫がやってきた」と、もて囃されました。
その後、ご自宅で飼われた猫さんは病気や怪我もなくこの日を迎えます。
息子さんは別の店舗から霊園に来て猫さんの葬儀に来られるという事で、奥さまは出会ったお店でお別れをなさいました。
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車中の励まし

2014年03月20日 | 可愛い子とご家族のお話
冬の終わり、もうすぐ春の3月の柔らかい日差しの中、市内に於きまして猫さんのお迎えをいたしました。
国道沿いに住まわれてるお宅に到着すると、両隣の奥様方に出迎えていただきました。
「トシちゃん!お迎え来たわよー」と仲良しの声音に宅の奥様が奥の居間から顔を出し、手招きしをします。
お邪魔した居間のソファーの上に愛用してたベッドに猫さんは横たわっておりました。
猫さんは去年の暮れから体調を崩し病院へは奥様に連れられてタクシーで通う事になりました。
週2回以上は利用したタクシーですが、猫さんと奥様は顔馴染みになった運転手さんから毎回励ましの言葉を掛けてもらっていたそうです。
決して若くなく、先の短い猫だと分かっていても優しい言葉はとても嬉しいものだと奥様はおっしゃいました。
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うどん猫と誕生日

2014年01月30日 | 可愛い子とご家族のお話
寒さたけなわの1月のある朝、猫さんのお迎えをいたしました。
ご家族は高層住宅に住んでおられ階下のへエレベーターまで迎えをして下さり玄関に到着すると幼稚園に行く準備をしていた女の子が猫さんとお別れの言葉を掛けていました。
女の子のお婆ちゃん、つまり猫の飼主である奥様は前日まで郷里の香川県に自分の誕生日を祝って頂く為にお出かけされて、今朝お家に帰り着いた所で猫さんとの死に目に会いました。
猫さんは香川の奥様のご実家で生まれ、歯が生え揃った頃、千葉に連れて来られました。
ちゃんと名前を与えられましたが白い姿も相まって奥様の
お友達からは生涯「うどん猫」と言うありがたい称号をいただき、とても可愛いがられておりました。
誕生日の節目に同郷の仲の猫さんとのお別れに土産物の讃岐うどんをお供えして欲しいと云う事でお預かりいたしました。
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息子と犬の成人式

2014年01月13日 | 可愛い子とご家族のお話
1月13日、成人の日。本日は全国で121万人の若者が新成人となります。
そんな晴天の朝、1組の御家族がお参りにいらしました。
ご家族の次男が成人式に赴く前に皆でお堂に眠っているワンちゃんにお線香を上げに来たのです。
一通りの礼拝も済み、お母様がおっしゃるには次男と昨年亡くなったワンちゃんは同い年で、もし生きていたら息子さんと並べて記念写真を撮りたかった・・と、照れくさそうな次男を横にし、笑顔でおっしゃっておりました。
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カマボコの思い出

2013年12月30日 | 可愛い子とご家族のお話
年の瀬でお正月を迎える準備で忙しい方も多いかと思います。
本日も朝からお参りにいらっしゃるご家族がたくさん来園されております。
そんな中、おせち料理の思い出で猫とカマボコのお話をして下さった方がおりました。
生涯同じ銘柄でピンク色の板付きカマボコをこよなく愛していた猫さんに、お正月用の高級カマボコを差し出したら、お皿を跨いで隠れてしまったそうです。
江戸時代ではマグロを「猫跨ぎ」と呼んでましたが、以降この方のお家では正月用のカマボコを家庭内限定で、「猫跨ぎ」と呼ぶようになったそうです。
本日はその猫跨ぎを買い求められた帰途、猫さんにお線香を上げにいらっしゃいました。
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海を見に行く旅

2013年12月22日 | 可愛い子とご家族のお話
先日、千葉県松戸市在住で当霊園を古くからご利用されておられますご家族がワンちゃんのご葬儀にいらっしゃいました。
ご家族の親族が南房総市に住んでおられ、年に何度かはワンちゃんを連れて泊まり掛けでドライブを楽しんでいたそうです。
当日はお出かけの思い出として、松戸のご自宅から南房総市を経由して来園されました。
これから寂しくなりますが、海を眺めながらの旅行はこれからも続けたい、と、おっしゃっておりました。
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探検のお伴

2013年11月27日 | 可愛い子とご家族のお話
秋の収穫の中、県内の田園広がる農場を営むお宅へワンちゃんのお迎えをいたしました。
伺った先は有名無名問わず史跡や遺跡が数多く、向かう途中は地元教育委員会が文化財を指定する看板が道沿いにいくつも点在しております。
到着すると宅の奥様が出迎えて下さいました。奥様は学生時代に知り合ったご主人と数年前に結婚され自分の飼っているワンちゃんを連れてこの家に嫁ぎました。
当初は戸惑いもあった都会育ちの奥様でしたがワンちゃんとの楽しみが出来たそうです。
それはお散歩の通り道の不思議な形の丘陵が後に古墳であるのが分かった事から周辺の史跡や遺跡についてもワンちゃんをお伴に見て調べる事を趣味とする様になりました。
以来、似た趣味を持つ人達との交流も増え、今では発掘調査員の方からも遺跡や出土品について意見を尋ねられるまでになりました。
この先、何年経っても姿を変えないであろう古墳を前に寿命を全うしたワンちゃんとの思い出を大事にしたいとおっしゃっておりました。
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僕らの上京物語

2013年10月26日 | 可愛い子とご家族のお話
~~今から22年前。生まれ育った広島を去り、就職先が決まった東京へ向かう高速道路の夜更けのサービスエリア。
小腹が空き、立ち喰いに入ろうとすると外の自動販売機の陰で鳴き声が聞こえてくる。
覗くと白い子猫の姿が。空腹を満たし一息つくとともに仔猫を見遣った。目と目が合ってしまう。誰が見ても捨てられたに違いない小さな泣き虫を後先考えず、クルマに乗せ目的地に向かった。
一緒に上京したあの日、思えば親に反対され半ば故郷を捨て・・・否、故郷に居場所を無くした自分とその時拾った子猫は似た者同士に思えてならなかった。
僕の上京は僕らの上京になったのだ。
長い時を経て、僕は黒い髪に白い簾が増えたけど、子猫だった相棒は昔のままの白猫だ。
最初に就職した会社、乗っているクルマ、住んでいる所、恋人、僕の周りは色々と変わった。
だけど、白猫とのこの旅は何一つ変わらなかった~~
・・・季節外れの台風が近づく10月の連休中、この猫さんの葬儀にいらした方がお話して下さいました回想です。
親御さんに反対され身を投じた音楽業界。オーディションから携わった若者達のデビューアルバムがこの世に発表される日に白猫さんはあの世に行きました。
今、手掛けている仕事が一段落したら久しく連絡をしてないお母様に会いに広島へ行き、帰り道は猫さんと出会ったサービスエリアにも寄りたいとおっしゃっておりました。
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匂いを感じて

2013年10月10日 | 可愛い子とご家族のお話
お昼が過ぎた頃、アマゾンに注文した品物が届きました。
いつも届けて下さる配送の方は、今年の冬の寒い時期に猫さんを亡くし当霊園をご利用されました。受領書にサインをする際に挨拶とともに、仕事が終わって家に着くと猫さんの事を思い出ししんみりしていると言い、少し寂しい感じでした。
仕事の途中であり今日はお線香を上げる事が出来ませんでしたが、貨物車を出す時「この辺(霊園周辺)の道を通ると、不思議とあの子(猫さん)の匂いがするんですよぉ!」と声を発し次の人の品物を届けに笑顔で軽トラックを発車させました。
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水筒の氷

2013年09月30日 | 可愛い子とご家族のお話
今年の夏は記録的猛暑日が続き、健康な人でも身体の調子が悪くなった方も多かっただろうと思います。
勿論、ヒトより体温の高い犬にとっても厳しかった事でしょう。
先日、ワンちゃんの四十九日忌のお参りに来園された方が塔婆の足元に氷のお供えしました。
生前のお散歩、特に夏場はいつも手提げに氷の入った水筒を入れ、途中の一休みに氷の粒を与えていたそうです。高齢でいつお迎えがきても不思議ではなく、心の準備は出来ていたのですが、
自分が留守をしている間に亡くなり、死んだ事自体が悲しいのではなく、最期に小さな氷の粒を舐めさせてあげられなかった事がとても心残りだ、ご家族の長兄が仰っておりました。
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お揃いの赤い服

2013年09月29日 | 可愛い子とご家族のお話
翌日が敬老の日となる日曜の朝、年配のご夫妻がうさぎさんの葬儀に来園されました。
斎場の準備が整う合間、本堂で奥様がうさぎさんをくるんでいる赤い服について嬉しそうにお話しをしておりました。
奥様は足を悪くされており、外科のリハビリセンターに通っております。この赤い服はそこの療法士の方が、およそ平均の倍に近い年齢のうさぎさんの長寿を祝ってミシンと手作業の裁縫し、奥様の分のブラウスもお揃いで作ってくださった贈り物だそうです。
拝見しますと、作った方は小動物の体つきを良く知っておられ、うさぎさんにぴったりとフィットしておりました。
とうに還暦を過ぎた奥様は照れもあってか、いままでは自分では着る事はありませんでしたが、うさぎさんが亡くなった昨日の夜、自分も赤い服を着てご自宅でお通夜をしてあげました。
まだ歳の若いお孫さんに「自分も死んだらこの赤い服を棺桶に入れてね」と、お願いしましたら、
「まだまだ先の話でしょう。長生きしてね、お婆ちゃん!」と、返されたそうです。
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夏休みの文具店

2013年08月22日 | 可愛い子とご家族のお話
お盆を間近に控えた8月の暑い朝、市内の小学校に隣接する文具店を営む方のもと亡くなりましたワンちゃんのお迎えに伺いしました。
文具店は小学校が夏休みという事もあり、毎年それに合わせて閉店しております。
お家の御主人は、こちらがお伺いする時間にお店を開けていて下さり、開放された門戸をくぐり照明を落とした店内に入ると赤や黄色の体操帽、校章の入った体操服、上履き、名札等がガラスケースに整然と陳列されていました。「ごめんください」と声をかけると奥の小上がりからワンちゃんの鳴き声と共に御主人がお出でになられました。
前日に亡くなった両手に抱えた鉛筆のダンボール箱には安らかな顔をしたワンちゃんが横たわっており、前日亡くなった事を近所のツテで知った夏休み中の児童からの寄せ書きが添えられておりました。
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兄妹の7月

2013年07月18日 | 可愛い子とご家族のお話
「お兄ちゃん、いたよ!やっぱりいたよ!!」
夏休みのある朝、妹の悦び立った黄色い声に眠い目のままの兄は呼ばれるまま近所の公園に足を向けました。前日の夕方、遊び場の公園の一角で仔猫の鳴き声が聞こえたが日暮れの空腹とともに空耳になり妹と家路に着き夕食時には鳴き声の事などすっかり忘れていました。
妹の方はどうしても鳴き声の行方が知りたくて、一人早朝から公園を探索しておりました。
公園と隣接する団地との垣根、植え込みの茂みがどうも怪しく、自分も仔猫の泣きまねよろしく呼び掛けすると、緑の奥から返事が返ってきました。小学生の子供の目線でなければ見つける事が出来ない位置を色めき覗くと藍色に輝く小さな両の瞳が見えます。手を差し出し捕まえようとするものの届きません。そこで兄に助けを求めました。眠い目をこすりながら妹の言わんとしている事をすぐに理解した優しい兄は身を屈めて植え込みに半身を潜らせました。
およそ数日、不安と寂しさで鳴き続けた仔猫はなかなか捕まってくれず、掌で抱き上げようとしたら怖さのあまり兄の二の腕から下を所かまわず引っ掻きまわしたそうです。夏場のTシャツ姿は仔猫を保護しましたがまるで崖から転げ落ちたような擦り傷だらけの腕になりました。
様子を見に来た出勤前の母に介抱されながら兄と妹は仔猫を大事に抱き家に帰りました。
あの日と同じ7月の朝、あれから20年の歳月が経ち兄妹は大人になりそれぞれ独立しました。藍色の瞳だった猫さんが生涯を終え、出棺前、何ひとつ変わっていない公園の風景のもと、母と共に二人は猫さんに別れの気持ちを伝え、思い出話に笑顔が咲きました。
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