勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

ら抜き言葉

2011-09-18 23:50:25 | Weblog
 前回も取り上げたばかりだが、言葉は進化し若者は次々と新しい言葉を作り出す。大人はそれに眉をひそめ日本語の乱れと苦言を呈す。そのときに必ず取り上げられるのが「ら抜き言葉」である。

 今回取り上げたYouTubeからの音楽は、石原裕次郎さんが歌い、浅丘ルリ子さんの台詞入りの「地獄花」である。僕の好きな曲であるが、その理由のひとつに彼女の台詞の良さがある。流石に言葉を大切にするトップ女優である。

地獄花 石原裕次郎・浅丘ルリ子

 この「地獄花」と、表題の「ら抜き言葉」の関係であるが、台詞の一節に「誰も二人の世界には入って“来れない”んですよ」とある。このとき既に作詞家の萩原四郎氏は「ら抜き言葉」を使っていた。この曲の発売が1971年であるから、今から40年前のことである。「天声人語」によると、川端康成氏も「雪国」で、芸者の駒子に「来れないわ」「来れやしない」と、何度も言わせているという。

 ら抜き言葉には利点もあると、以前ある言語学者(金田一春彦氏だったと思うが)が言っていた。「来られる」や「見られる」などは、可能の他に尊敬や受身を意味することもあり、「来れる」「見れる」は「来ることができる」「見ることが出来る」などのように可能だけの意味として使われ、誤解を招かない便利な言葉だと。。。

 言葉は生き物、近い将来「ら抜き言葉」は立派な日本語としてアナウンサーにも使われる言葉になるかもしれない。ただ、今は僕は使いたくない言葉ではあるが。。。