活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

放下著 (ほうげ じゃく)

2015年11月04日 | 
ある修行僧が師匠に尋ねました。

「私はすっかりものを捨てて、もう捨てるものがなくなりました。これからどうしたらいいのでしょうか」

と。

「放下著 (ほうげ じゃく)」

師匠は答えました。


「放下著」とは、【ない】というものを【捨てなさい】ということです。


修行僧が又尋ねました。

「ないものを、どうして捨てることが出来ますか」

師匠、答えて曰く

「擔取 (たんしゅ) し去れ」

と。


「擔取」とは、担いでいるということです。

ですから、「そんなに捨てることが嫌ならば、担いでいなさい」ということです。


常識から考えてみると、「捨てる」ということと「担いでいる」ということは、全く逆のことです。

しかし、「実相は無相である」ということから言えば、「捨てる」ということも「担いでいる」ということも、「ものそのもの」には、捨てるものも 担いでいるものもないはずです。


別の言葉で言えば、「担ぐ自分」と「捨てる自分」というものも、【ひとつの実相の上の働き】ですから、それは同じ事になるわけです。



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