活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

坐禅修行の三要件3

2021年01月12日 | 坐禅

三番目に「戒法の護持」ということです。

 

「今という、手の付けられない処(今の事実)」を守っていくという事です。

 

それぞれの人が、それぞれに一杯一杯なのですから、どんな状態であろうとも、それぞれの人には「それその物」ではありませんか。

 

「法」あるいは「認識以前の自分」という者(事)がきちんと現成(げんじょう)しているのです。

 

今度は自分が坐って「実証(理論においても事実においても証明する)」をする、そういう坐禅修行をして頂かなければいけません。

 

「戒法の護持」を別の言葉でいえば「現成公案そのままに成っている」ということです。

 

「現成(今の事実)」に少しでも手を付けたり、守るべき者(事)が出たり、「そうあるべきだ」という者(事)が出て来るということは、このことは全て「戒を破った(破戒)、戒を汚した事」になるわけです。

 

それほど私たち衆生は「既に戒の中での日常生活をしている」という事です。