私たち衆生が眼で見、耳で聞き、鼻でにおいを嗅ぎ、舌で味わい、手で触れる
ことに因って知覚している世界を「五官の世界」といいます。
「五官の世界」は余りにも「現実感」を伴っている為に、これを「五感の世界」
といいます。
私たち衆生は、「五官(五感)の世界」を外の世界として実際に存在している
ものであると思い込んでしまっています。
しかし、これはつまり「自分の心の創作物」を知覚しているのに過ぎないのです。
これはある意味では、「実際に存在しているもの(実在)」が「現象として顕している
表現のうちのひとつの側面」といういい方ができるかもしれません。