おシャカ様はずっと修行を続けられた結果、ある時 「夜明けの明星」 を
ご覧になり、それが 「縁」 となって 「覚者」 になられたのです。
「明星を見た」 のですから、「意識が起きた」 ということです。
決して 「無意識」 ではありません。
「あっ見えた」 という意識を起こした、そのことに因って
「自己の正体」 を見極められたのです。
ですから、いつでも明星を見ていたのに、「道」 を成ずる迄は
本当に見えなかったのです。
いつも見て居ながら見えなかったということです。
本当に見えたという様子は、見たものが完全に無くなった様子をいうのです。
自分と明星が完全に一体に成った状態をいうのです。
おシャカ様は 「視覚」 に因って、「自己の正体」 を見極められたのです。
ですから、私たち衆生も 「六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)」 の縁に因って
必ず 「自己の正体」 を見極めることが出来るのです。
私たち衆生は 「今」、おシャカ様と全く 「同じ結果」 にあるということです。
この 「事実(結果)」 を本当に知(識)ることが私たち衆生の
「修行の課題」 なのです。