9月13日 匠、頑張れ。

2008年09月13日 | 風の旅人日乗
この8月、米東海岸ニューヨーク近郊のポートワシントンで開催された
マッチレースのグレード2イベント、ニッカーボッカーカップで、
日本の中村匠が見事優勝を飾った。

ニッカーボッカーカップは今回で26回の開催となる、
アメリカでは非常に歴史のあるマッチレース。
数年前まではグレード1イベントであったため、
現在アメリカズカップなどに関わる多くのトップセーラーたちも、
このレースの優勝者として名を連ねる。
ある意味、世界のマッチレース界のトップに登りつめるための登竜門的大会だとも言える。
今年の大会には9カ国から12スキッパーが参加、
うち5人は、マッチレース世界ランキング50位以内のスキッパーだった。

中村選手は日本のマッチレースではトップランカーだが、
これまでグレード3イベントでの2位が最高で、
グレード2での優勝は今回が初めて。

マッチレースでは、
チーム編成、練習、レース転戦と続いていく過程で、
チームとしてのモチベーションを保つことが非常に難しい。
高い目標を掲げてキャンペーンを始めても、
その途上で、ある程度の成績を時折残せることはあっても、
理不尽な理由などで思い通りの成績を残せないことのほうが多く、
そこでモチベーションを失い、
自分たちの最終目標に到達する前にギブアップしてしまう選手やチームが多い。

それを知っている人間として、
最近マッチレースへのモチベーションを失いつつあるように思えていた中村選手だったが、
久し振りに挑戦した国際マッチレースで、しかもグレード2イベントで優勝したことが、
中村選手と彼のマッチレース・チームの『勝利を求める貪欲さ』に再び火を付けることを願う。

確かにニッカーボッカーカップ優勝は、
日本人マッチレーサーとして金字塔のような成績だ。
しかし、中村選手にとっては、これが最終目標では決してないはずだ。
彼がこの優勝をきっかけにして、この先の目標に向かってどのような活動を続け、モチベーションをさらに高めていくかということのほうに、
個人的に強い興味を持っている。

ニッカーボッカーカップの優勝者には、
ワールドマッチレース・ツアーの大会の一つバミューダ・ゴールドカップへの出場権が与えられる。
この10月、中村選手が、世界の本当の強豪を相手にバミューダでどんな戦いを見せるか、
温かい目で、期待を持って注目する。

9月12日 

2008年09月13日 | 風の旅人日乗
これから羽田に行って、朝一番の飛行機で松山へ。
瀬戸内海で、子供たちに海と船とセーリングの楽しさを伝える仕事。
仕事だけれど、主催新聞社から送られてきたカリキュラムによると、
今日午後には、瀬戸内海の野忽那島にセーリングで行って
子供たちと一緒に地引網を引くことになっている。
いいカリキュラム組んでくれるよなあ。

幼い頃に過ごした玄界灘の漁村でも地引網をやっていたけど、
当時当地の地引網は、漁民家族にとっては生活のためのマジ仕事で、
他業種の親を持つ子供が、遊びで加われる雰囲気はなかった。

だから今日の午後は地引網初体験。
セーリングシューズを脱いではだしでやればいいのか、
ビーチサンダルを持っていくべきか、
楽しく迷っているところ。

一泊する瀬戸内海からの帰りは、
連休最終日で松山空港発の飛行機が超満員なので、
松山港から北九州小倉行きの深夜フェリーに乗り、
まだ暗い早朝の北九州小倉砂津港に上陸して、
実家でお茶を一杯飲ませてもらってから
北九州空港から羽田へ、
という裏技(裏道かな)で関東に戻る。

ホクレアの、
新門司マリーナから祝島経由、周防大島までのレグで、
夜、関門海峡-来島海峡間の航路を車間(船間)距離を開けずに
大行列となって走るフェリーその他の大型船団を
横切るタイミングに苦労したが、
今度は自分がそのフェリーの1隻に乗って、
夜中にその航路を関門海峡に向かって走る。

フェリーでの原稿書きに疲れたら、デッキに出て
1年ちょっと前にその海を走っていたホクレアを探してみよっと。