オークランドで、ちいさんぽ

2012年09月30日 | 風の旅人日乗
朝の気持ちのいい、柔らかい陽射しに誘われて、小さな散歩を。

散歩の途中に草花の写真を撮りたくなるようになっちゃったら、まずいぞ、まずいぞ、
と思いつつ、手が勝手に動いてカメラを取り出す。



オークランド市内のアルバート公園の中で見つけた7分咲きの桜。
なんという種類の桜だろう?

アルバート公園は、東京で言えば日比谷公園みたいな感じで、
オフィス街の真ん中にある。
割と年配者の方々が多い日比谷公園のベンチに比べると、
こちらはオークランド大学のキャンパスに隣接していることもあって
若いカップルに占領されているベンチが多い。

彼らが必要以上に身体を密着して仲睦まじくしているのを見ても
言われのない怒りとか、嫉妬とかを感じるどころか、
微笑ましいなと思える年齢になったことを、嬉しく思います。




こちらは日本でもハワイでもよく見かける花



ハワイでセーリング関係のビジネスを営む友人に、
Birds in Paradice という名前の花だと教えられた。



確かに鳥だな。
天国にはこういう鳥が飛んでいる訳ですか。

老人が草木を愛でる、
という類いの話を聞くときにいつも、ある人のことを思い出す。

「いやさぁ、最近は道ばたに転がっている石を見ても涙が出てきてさ。」
と冗談めかして話してくれたのは、
自分が末期ガンであること秘かに知ってしまったあるヨットの先輩。
セーラーとしても人間としても、とても尊敬できる人だった。
でも彼は老人ではなく、そのとき40歳になったばかりでした。

草木を愛でるのは、「老人」ではなく、
命のはかなさや危うさを知っている人、なんじゃないかなと思います。

いい春のニュージーランドで、しんみりとした話になっちゃいましたね。

では気分転換にセーリング仕事ネタを。
オークランド・ボートショーで見つけた超軽量アンカー。



写真のは、30~40ftのレーシング・ヨットに対応した商品です。
とてもいいです。とても軽いです。ファッショナブルでもあります。

弊社有限会社コンパスコースでもお取り寄せのお手伝いをしますが、
マメな方であれば、御自分で問い合わせてもいいのではないかと思います。




9月29日晴れ 気温18度 オークランド

2012年09月29日 | 風の旅人日乗
昨日の冷たい雨が上がり、
オークランドは早春のいい天気。

仕事相手がみんなボートショーで忙しかったり
子供の相手(今日からこちらの学校は春休み)で忙しかったり。
なので、本日はハワイのセーリングカヌーチームのお手伝いに。



オークランド市郊外にあるソルトハウス造船所で、
7月始めはこんな状態だったHikianaliaも、現在はもう完成し、
来週水曜日にオークランドを出航する準備に忙しい。

まずHikianaliaが目指すのはタヒチ。



この写真は同型のカヌーだけど、
Hikianaliaもこんなふうに走ることになる。
ステアマンにとってはかなり大変な重労働になると思われる。

Hikianaliaは、ハワイ語で、スピカ。
北斗七星からたどっていくと、
アークトゥルスの延長線上にあるHikianaliaだけど、
優しく麦色に光るアークトゥルスに比べると、
厳しく、青白く、強く輝くHikianalia。
カヌーのほうも荒々しそう。

オークランド到着

2012年09月28日 | 風の旅人日乗
定刻より1時間ほど遅れて、オークランド空港に到着。
迎えにきてくれたブレアに送ってもらってリチャードの家に行き、
シャワーを浴びて、クルマを借りて市内を通り抜けて、リチャードの事務所へ。
久しぶりのマニュアルシフト、坂道の多いオークランド市内で
エンストを1回。結構アセる。

信号で止まっているとき、すぐ横に立っている木に八重桜が咲き始めていました。
オークランドは、やっと春。これからどんどんいい季節になります。

ピザで昼ご飯を済ませて、オークランド・オンザウォーター・ボートショー視察と
セールメーカーとの打ち合わせに。

Facebookのメッセージ欄に、
ニュージーランド滞在中のマイク・テイラーから
ニュージーランド国内の電話番号が届いていた。
この週末の土曜か日曜のどちらかは、彼らのタヒチに向けての出港準備を手伝えそう。




羽田から関空に行く途中に見える富士山



これは、この夏の、ある朝の、東北地方沖の太平洋。
朝凪の海に、赤く染まった雲が映り込んでいました。

きれいな景色に恵まれた国ですね、ニッポン。


ニュージーランド

2012年09月27日 | 風の旅人日乗
本日から再びニュージーランドへ。

7月のニュージーランドから帰って以来
サボっていたこのブログにも再挑戦。

7月のニュージーランドのあと9月末の今日まで、
すごくたくさんのいい経験を積んだんだけど
深く考えさせられることがあって
ついこのブログから遠ざかった。

でも、自分自身の備忘録として、
これからは時間があるときに
2012年の夏に経験したことをきちんと
このブログに散文的に書き留めていこうと思います。

ニュージーランドから帰国した後の7月はほとんど
北海道から東海地方にかけての、海の上にいました。



きれいな海と、海岸線でしょ?

海から見た三陸海岸です。
海から見ると震災前と大きく違わない景色なのに、
見る側の思い込みかもしれないけれど
その風景に深い悲しみの色が混じっていました。
この風景を見たときから、ブログを書けなくなりました。

この海まで流されてきた、
たくさんの犠牲者の方々の声が聞こえる気がした。
たまたま生かされた自分は、
海の上でこの風景をぼんやりと眺めていて、
たまたま選ばれてしまった人たちは、
今はこの海の底に沈んでしまい、
もうこの景色を見ることもできない。

偶然生かされて、この風景を見ることができている自分は
何をすべきなのか。

日本人の一人として生まれてきたことを忘れずに、
未来の日本が良くなる何かの役に立ちたいな、
一所懸命きちんと生きたいな、
と改めて思ったです。