ウエストヘブンでお勉強

2013年01月31日 | 風の旅人日乗
昼休みに、ウエストヘブン・マリーナの、
AからZまである桟橋を散歩してまわる。

欧米のプロダクションヨットに占領されたような感のある
最近のウエストヘブン・マリーナだけれど、
まだまだ、こんな美しいヨットも浮かんでいる。





きれいなまま維持していくのは大変だろうけど、
これからも、こういうヨットがたくさん浮かんでいる国でいて欲しい。


同じ桟橋には、こういうアグレッシブな、
外洋爆走タイプのレース艇も浮かんでいる。
世界一周ダブルハンドレースや、シングルハンド大西洋横断レースなどで、
最も勝率の高い、セミカスタムのクラス40。
世界で5隻だけ浮いでいる。



ニュージーランド人の現オーナーから、
誰か日本人でこの艇の購入に興味のある人はいないか、
と直接尋ねられて、実艇を検分しに来た。





個人的にはものすごく興味を惹かれるけれど、
この艇を思いのままに乗りこなせる日本人のアマチュアセーラーは、
そんなに多くはいなさそうだなあ、と思う。




跳ね上げ式のツインラダーの機構を勉強する。
ナルホド。
日本にいては、40ft艇の跳ね上げ式ラダーなんて
見ることなどできないからね。





ついでに、
日本ではなかなか見ることができないメーカーのウインチの外見も、
じっくりと検分。



少し古いモデルのウインチだけど、
このドラムのパターンは、某有名メーカーの新モデルのものに酷似。
どちらかが、どちらかを真似たってことなのかな?














ウエストヘブン・マリーナ

2013年01月31日 | 風の旅人日乗
おはよう、オークランド。




なんだか、朝の写真ばかりになっていますね。

夕焼けもきっと綺麗なんだろうけど、
こちらではその時間は午後8時過ぎていて、
その時間帯はみんなでワインを飲んでいたり
ベッドの上で本を読んでいたりするので、
カメラを持って外に出ることが、少し難しい。




森の向こうに頭を出したスカイタワーの、
右側方向にあるマリーナに浮かぶ船に
今朝も出勤。



オークランドのダウンタウンとスカイタワーを背景にした
ウエストヘブン・マリーナのこの景色の中に、
ニッポンのヨットが浮かんでいる姿を見るのは
とても久しぶりのことで、
単純にすごーく嬉しい。

昔のようにまた、
たくさんの日本人オーナーたちが
ここニュージーランドで船を造るようになればいいな。
そのお手伝いをもっともっとしたいな。


牛の気持ちになってみた朝

2013年01月28日 | 風の旅人日乗
宿を借りているキウイフルーツ農家の台所の窓越しに、



昇ってくる朝日を眺めながら、
カリカリに焼いた熱いトーストをかじる。



空が明るくなると、前庭の先の牧場で
すでにもう一所懸命草を食んでいる牛たちが見えるのだけど
写真には写っていませんね。

考えてみると、アレですね、
牛たちは自分自身を美味しいお肉にするために、
人間に自分を美味しく食べてもらうために、
朝からあんなに真剣に草を食んでいるんだな。
・・・・
もしこのことを理解できる牛がでてきたら、
拒食症になっちゃうかもな。

トーストをかじりながら牛の立場に立ってしまい
朝からしんみりとしてしまったが、
牛の気持ちのことはさておき、
さあて、今日もレースでセーリングできる、うれしいな。


だあー!クソー!
我々を風上から軽々と抜いていく
エリオット・スーパースポーツ35、クルセイダーズ。



全長35ft、オールカーボン。カンティングキール。
数ヶ月前に進水したばかりのニューカマー。
風速16ノットを越えるリーチングになると、この船はほとんど、飛ぶ。

でもね、セーリング角度が深くなると、そうはいかない。
回航マークになっている島を回った後、抜き返す。
抜き返した記念に、振り向きざまにパチリ。



何故だか怒っているようなクルーと目が合ってしまい、
念のため頭を下げておく。

どんどん引き離す。
さようならー。
オークランドに戻ったら、一度乗せてもらおう。
この艇は、今年のロスーホノルル間のトランスパック・レースに参加する。



毎日、2本のインショアレース(1レグ1.5海里)と、
20マイル弱の距離の、複雑な島巡りコースが1本。
飽きない。

最終日は25~27ノットの風に恵まれ、最高のレースになった。
我々の艇のダウンウインドセイルはすべて少々古く、
突風が入るたびにバーストする。
バーストしては取り替え、
バーストしては取り替えしているうちに、
残念なことに最後は揚げるセイルがなくなり、
フィニッシュへの残り1海里ほどは、
ちょっと手持ち無沙汰になった。

ダウンウインドセイルを一挙に何枚も
新調しなければいけなくなったオーナー氏は
頭を抱えていらっしゃったが、
でも正直申し上げれば、買い替え時だったかと思います。
オーナー様たちには申し訳ないことですが
こうでなければ、セイル屋さんは仕事にならないですね。
日本では、この風速ではなかなかレースをやってもらえないからなあ。





本日もキウイフルーツ畑の写真で〆た後、
オークランドに戻ります。





ワイタンギ

2013年01月27日 | 風の旅人日乗
ベイオブアイランド・セーリングウイークは
ベイオブアイランドの島々が浮かぶ海で行なわれる。



レースの途中やマリーナへの行き帰りに、
ワイタンギの沖を通る。

1840年にマオリ民族と大英帝国との間で、
ここワイタンギで条約が交わされ
それはワイタンギ条約として知られていて
その条約が交わされた日、2月6日は、
ワイタンギ・デイというニュージーランドの祝日になっている。

1000年前からこの島々に平和に住み続けてきたマオリの人たち。
わずか200年ちょっと前にこの島々を「発見した!」と宣言して、
勝手に続々と不法侵入してきたヨーロッパ人たち。

この島々の先住権者はどちらなのか、
どちらがどちらの土地所有権を優先させなければいけないか、
誰にでも分かりそうなものだが、
実際は、大英帝国側にえらく有利な不平等条約だったワイタンギ条約。

大英帝国側は、本来マオリ語にはない単語を、
英語に沿って無理に造語し、それを条約に織り込む。
その言葉をマオリの首長が間違って解釈し、条約にサインした。

しかもその裏には、
先住民であるマオリ民族を、将来的に完全に抹殺することを企む、
大英帝国のさらなる恐るべき策謀があったことを、
今回のベイオブアイランド・セーリングウイークに
乗せていただいた艇のオーナー(ヨーロッパ人)から教わった。


この写真は2010年に別の場所で撮影したもの。
ニュージーランドで開催されたロウイングの世界選手権で、
マオリの人たちが自分たちのカヌーに乗って会場を訪問し
外国から来た選手たちを歓迎するセレモニー。


国土のことに関してはね、
ワタクシたちも、慎重に行動しなきゃいけないね。

これまでその国土を守ってきた先祖に報いるためにも、
これからそこで暮らさなきゃならない子孫の幸せのためにも、ね。


本日も、〆の写真はキウイフルーツ畑じゃ。
なにせ、すっかり驚いたものでな。
明日も出すよ。

北へ。

2013年01月27日 | 風の旅人日乗
オークランドの夜が明ける。



北の方向にあるベイオブアイランドに向けて、出発。

JPN6630でこのレガッタに出ることになる場合に備えて
大雑把にクルーメンバーたちを揃えていたのだけれど、
JPN6630での参加がなくなったため、
逆にその彼らに誘ってもらって
別の艇でベイオブアイランドセーリングウイークに参加。



この日は、3レース。



成績は、まあまあかな。楽しいレースでした。

錨泊しているオランダの大型客船の真後ろに入り、
その風陰を利用して、メインセールを降ろす。



今回のレース期間中は、キウイフルーツ農家のお宅に
泊めていただいた。



木の実状態のキウイフルーツ、初めて見たぜ。




1月21日 十五少年漂流記

2013年01月21日 | 風の旅人日乗
部屋が東向きなもので、
いつも東ばかりを向いて暮らしておる。

沖縄では、東と書いて「あがり」、
西と書いて「いり」と読む固有名詞が多いけど、
東は、太陽をはじめとする天体があがってくる
ところであるのだなあ、と改めて認識。

下は昨日の、雨上がりの、東の空の夕焼け。
西の空ではなく、東の空です。




今朝は、ワイヘキアイランドからフェリーで
オークランド市内に通っている
航海計器エンジニアを迎えに
クイーン・ワーフへ。



ジュール・ベルヌの「十五少年漂流記」では、
ここ女王桟橋に係留していたスルギ号の舫い綱がほどけ、
少年たちの漂流が始まった。

学校を出て、スルギ号に向かって少年たちが駆け降りた女王通り、
こちらの言葉ではクイーンストリートは、
この桟橋からまっすぐに丘の上に向かって伸びる通りで、
今もオークランドの目抜き通りとして
たくさんの観光客でにぎわっている。

今朝は、スルギ号ではなく、こんなデッカイ客船が
南の島から到着。



明日からベイオブアイランド・レースウイーク。
3日ほどブログ更新お休みします。


1月20日 季節外れの時雨

2013年01月20日 | 風の旅人日乗
船で作業をしにウエストヘブン・マリーナに行こうとしたら、
今日はアイアンマン・レースの日で、
マリーナに繋がるどの道も通行止め。

クルマを宿に置いて、
1時間かけて徒歩で行こうとしていたら、
粒の小さな、冷たい雨が降り始めた。

ま、天が休めと言っているのかな。
仕方ない、明日のセーリングに必要な準備は、
明日早朝にやることにする。

で、部屋でぼんやり。

数日前にお気に入りのほぼ日手帳をどこかに忘れ、
日記を整理することもできない。

下の写真は昨日のウエストヘブン。
ランチバー&パブ&レストランのウッドデッキ。
海に出ない日は、この景色を見ながら昼飯を食べ、
仕事上がりのビールを飲む。



オークランドは、日本以上の釣り人気。
絶対数は一桁も二桁も違うけど、
セーリング艇所有者よりも小型釣り舟所有者のほうが
圧倒的に多いのも、日本と同じ。

みんな大物を釣り上げて
意気揚々とこのスロープを上がってくる。
憎いばかりの笑顔なんである。

1月19日 本日の朝日

2013年01月19日 | 風の旅人日乗
いま格闘している相手は、この船。
次から次に、いろいろ課題を与えてくれます。



でもそれをひとつひとつ解決していくのが、すごく楽しい。




最近、朝のランニングコースのお気に入りは、ここ。



仕上げに、このスロープを数本、駆け上がる。



本人は駆け上がっているつもりだけど、
もしかしたら、歩いているようにしか見えないかもしれない。
仕方ないのだ。

この芝生の広場で、2001年、故ピーター・ブレイクのお別れのセレモニーがあった。
集まったオークランド市民の人たちで、ここが埋まった。
オークランド・ドメインの、オークランド博物館の前。

あれからもう12年も経つんだなあ。




1月16日 東雲

2013年01月16日 | 風の旅人日乗
朝。目が覚めて、ベッドから降りて
床に足を伸ばして身体をストレッチしながら
ほとんど毎秒毎に色を変えていく東の空を眺める。



広大でかつ漆黒の宇宙の中にけし粒のような天体があって、
その天体は、無数の天体の中ではとても希有なことに
薄皮のような空気の層と水を持ち、
厳しい宇宙環境から
かよわくて、はかない生命を守ることができる。
その天体に、すごいばかりの幸運と偶然で生まれ落ちた生物である。

と、自分のことをイメージしてみる。

その天体に存在することが許されている時間はとても短いとは言え、
そんな幸運に恵まれるなんて、ありがたいことだなあ。

なんてことを数秒考え、
一秒後にはそんなことなどすっかり忘れて、
本日分の些細な懸案事項に頭を占領されつつ
朝のウォーク&ランへ。

今日一日働いたマリーナに、
グレッグ・エリオットの最新作E35SSが上架されていた。



来週のベイオブアイランド・レースウイークの準備だとか。



こんな、カッコいい黒のマット仕上げにするには
どんなペイントを使えばいいのか?

この艇を造ったグレッグ・ソルトハウスがちょうど来たので
聞いてみたら、
「ステッカーだよ。重いし、ぶつけると剥がれるしね。」
と恥ずかしそうに。

アメリカズカップ艇やTP52などのハイエンドのレース艇は
船体塗装をアンダーコートだけにして、
細目のペーパーで磨いてマット仕上げにしているけど
実際は毎日のメンテナンスが大変だ。

重くなるけれど、妥協案としてステッカーという手もあったわけだな。
本日もひとつ、いい勉強をしました。





1月14日 PRADA

2013年01月14日 | 風の旅人日乗
激しい雪の中でのテストセーリングを終えて、
あ、間違えた、
蒸し暑い夏の風でのテストセーリングを終えて、
ウエストヘブンに戻っていたら、
遠くに、赤とシルバーの派手な翼をそびえ立たせた双胴艇が。



強風域のテストに出かける
イタリアのアメリカズカップ挑戦チーム、
PRADAの、
AC72。



ダガーボードは、
ラウンドしているチームニュージーランドと異なり、ストレート。
オラクルの転覆事故を見た後なのに、
アグレッシブな選択だと思う。


ここのところ毎日、夜寝ないでさ、
来月セーリング専門誌で紹介するこのヨットの原稿で
苦しみ中。


©Pogostructure

一昨年と昨年、フランスで乗ってきました。
とても魅力のあるクルージングヨットです。


©Pogostructure



1月11日 ミッション#1 完了

2013年01月12日 | 風の旅人日乗
産まれたばかりのJPN6630にとって、
とてもいい感じの、だけど、
修行僧が水垢離をするような、
ストイックなクローズホールドが続く
処女航海になった。



ウエイポイントを通過して、
次の目標に向かうたびに、
風がその目標地から吹いてくる。

予想していたものの、
行けども行けども真上りの
辛い、とは言いたくないが
楽しー!、とも言いにくい
セーリング。

ボルボオーシャンレースの経験者ジャスティンをして、
パーフェクト・アップウインド・コース!
と言わしめた24時間。

セーリングを始めた直後から、
スピードメーターの示度が上がらないことに、
ジャスティンと二人でココロを痛めた。

新月を翌日に控えた暗い夜、一晩中
波に叩かれながら、
ぬるいコーヒーをこぼさないように飲みながら
どうしてこんなに遅いのか、
ジャスティンとその話題ばかりしていた記憶しかない。

が、

朝凪と潮止まりを利用して



GPSと海図を使って速度計の修正をしてみたら、
コンピュータが言う速度予測とほとんどたがわない
スピード性能を持つヨットであることが分かった。

朝日を浴びながら
ふたりで破顔一笑。




ハロー、オークランド。
久々の、海からの訪問。




1月9日 海賊とよばれた男

2013年01月09日 | 風の旅人日乗
回航の日和を待つ間に、
南半球の夏の日射しを楽しみながら原稿仕事をやっつけようと
椅子とテーブルを友人宅の庭に出し、
パソコンを準備したまではよかったのに、
ついでに横に置き、コーヒーを飲む間ちょっとだけ、
と自分に言い訳しながら開いた本がいけなかった。

今回ニュージーランドに持ってきた数冊の本の中にあった
百田尚樹さん著の『海賊とよばれた男』上・下巻。

ご存知、出光興産創業者、あるいは店主の、出光佐三氏と
その店員だった男たちの熱いお話。

平均して5ページごとに目頭を熱くさせられながら、
本を閉じることができずに、
もう下巻の半分まできてしまった。

自分が目指すビジネスの理念のためにどんなに困難を強いられても、
その理念を曲げなかった。

日本人であることに、
日本人としての誇りを持ち続けることに、
こだわった。

ニッポンの若者たちが、
特に何もしなくても普通に人生を送ることができる平和な時代に、
敢えて、困難なアメリカズカップに挑戦する姿(まだ未来形ですよ)を、
佐三さんのようなお方にこそ、見ていただきたかった、と思う。



今年のアメリカズカップ防衛チームの1号艇とそのウイングは、
昨年11月サンフランシスコ湾で倒壊した。
防衛艇のテストを続けるために必要な2枚目のウイングが、
今日サンフランシスコに届いたらしい。

このカーボン製のウイングを作ったのは、
ここニュージーランドの
オークランドからクルマで1時間強、北に走ったところにある
ワークワースという町で働くハイテク技術を持つ職人たち。

サンフランシスコで待つセーリングチームに
一刻でも早くこのウイングを送り届けるために
こちらの人間にとって何よりも大切なクリスマス&年末年始休暇を
返上して作ったのだと思う。

『海賊と呼ばれた男』の中で、笑顔で困難に立ち向かう
古き良きニッポン人たちの姿と、重なってしまい、
トレーラーに載ったシュリンクパックされた荷物の写真にまで、
目頭を熱くする。はずかしい。

明日まで続く予報の向かい風が横からの風に変わるまで
出港を待とうとしていた自分が情けなくなり、
明日早朝オークランドをクルマで出て、
明日昼過ぎにタウランガを出港することにしました。

一緒に乗ってくれるのは、ボルボオーシャンレースに
3度出場した男。そうだ、そのうちの1度は
”カリブの海賊”号にも乗った男、でもある。



胸を借りて、いろんなことを学んでこようと思います。


1月8日 クライストチャーチ経由でオークランド

2013年01月09日 | 風の旅人日乗
飛行機の窓から、
クライストチャーチ市内を流れるエイヴォン川が見える。

この町にある造船所で建造した帆装艇の
プロジェクト・マネージメントを担当したのは
もう10年前のことになった。
その頃は、この美しい町が地震に襲われることがあるなど、
誰も思っていなかった。

一昨年、この町に来て、被害の様子を目の当たりにした。
多くの日本人の若い命も失われた。
辛い、辛い。

タウランガからオークランドへの130海里を利用した
JPN6630のテストセーリングは、
天候の具合がよろしくないので
1、2日様子を見ることにした。

1月9日。今回のニュージーランド最初の朝。
オークランドに太陽が顔を見せる。




1月6日 南半球への出国1日前

2013年01月06日 | 風の旅人日乗


もう日程を動かすことができない
明日1月7日のニュージーランドへの出国を前に、
日本で済ませておくべき仕事と私用が
山のように積もったままで、
アセる、アセる。

それでも昨日夕方の数時間は、東京の下町で
母校のヨット部現役と4年生たちに
未来の計画について話をすることができた。

セーリングの魅力の入り口を知ったばかりのこの子たちに
さらに奥深くて大きな夢を見せてあげるのは
オラっち世代の役目だ。



ここは、東京の佃島と月島の横を通る朝潮運河の晴海側出口。
先輩から譲り受けて、
自分たちの手で作り直した小さなおんぼろヨットを
大学のポンドから出し、この運河を抜けて、
ここでマスト(帆柱)を立てて、
自分たちの故郷がある南の島を目指した。

夜明け前の真っ暗闇でのマスト立て作業には、
たくさんの同級生や後輩たちが寮から手伝いにきてくれた。

未知の海への船出に、
期待と不安で胸がいっぱいになる、あの気持ちと、
その航海を自分たちの力で達成したときの、
心が空一杯に広がっていくような、あの気持ちを、
できるだけたくさんの日本の次世代に
体験して欲しいと願う。






1月2日 夜明け前

2013年01月04日 | 風の旅人日乗
1月2日夜明け前。

潜伏中の都内某所から
東京港の晴海埠頭まで歩く。



学生時代、ここは早朝とか夕方のランニングコース。
この埠頭から、初めての外国だったシドニーにも出帆したし、
ハワイへも出かけた。

10代の終わり頃、
生まれて初めて乗った練習船と同じ名前の練習船が停泊中。



あの頃の、
海と船とセーリングの夢でいっぱいだった自分に
大人になった今の自分は、ちゃんと応えられているかな、
なんてね、
自分のココロに軽いパンチを打ってみる。



結構頑張って、
だいぶ応えているとは思うけど、
まだまだ到達できていないコトや、
力不足を感じて諦めているモノもあるかも、
なんて、今の自分のココロが思う。

そうだな、
そろそろラストスパートをかけなきゃな。