皇太子さま～あ！・・・って

外での仕事を終えて、ビルを出た。
台風一過、綺麗な青空が広がる午後だ。



家の近くまで戻ってくると、なんだかあたりが騒がしいぞ？
大通りに大量の警察官と、刑事とおぼしき人たちがいる。

その内の一人に声をかけた。
あらら、とても若い。
まだ、警察官になりたて、と云った感じの初々しい青年だ。

この近くの者ですけれど、何かありましたか？

はい！
皇太子殿下が今から通られるんです♪
◯◯通から◯◯通りへ左折して、◯◯ホテルにお泊まりです。
もう少ししたらここを通られて、この辺りでスピードを落として、窓から手を振られます。
ここで待ってたらいいですよ～

とっても嬉しい情報をありがとうございます！


周りを振り返ると、他の通行人が別の警察官と話している。

何かあるんですか？
お答え出来ませんっっつ！

え？

私、今、ぜ～んぶ聞いちゃったけどな？

ま、いいか♪
ありがとうね、お巡りさん♪


カメラならぬiPadを構えて待つことほんの２～３分
周囲には、異変？に気付いた人が十数人

遠方から白バイのライトが近づいてきた。




高まる期待！

パトカーが通り過ぎ、次に黒塗りの車が現れた。

後ろのおっちゃんが叫ぶ。

あれに乗ってはるぞ！
手を振れ～！！
（ある意味スゴいおっちゃんだ。ww）


え？
そんな直ぐに、御料車が来るのかな？

案の定、通り過ぎた車の中には、いかついおっさんが４名。

・・・警察関係だ。


さらに次々と車が通り過ぎる。

あれも違うな、これも違うな。

そこへ、再び黒塗りの車が現れた。




ん？
御料車だ！
皇太子殿下だ！！
キャーキャーキャー！！！

あっという間に車列は去って行った。




はっと我に返る。

私、キャーキャー言ってました？
天皇家の方にキャーキャー言ってました？
ミーハーみたいに、キャーキャー言ってました？

恥ずかしい・・・

打ちのめされて家に入る。

写真を確認すると・・・
透明人間になった皇太子殿下・・・涙




ふとネコに目を向ける。
あれ・・・目を開けて寝ている？

君、こんたら号と交信してる？ww






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