まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

入試英語

2021-02-22 20:47:01 | 日記
共通一次、で、ぴんとくるひとは同年代。
今の名前は、大学入試共通テスト、という。もはやセンターですらないっていうね。
 
塾のはしくれに勤めてるので、たまには教育情報。え?いらん?
 
英語です。みなさんお好きですか?
わたしは中一ではじめて出会った英語、教えてくれたのは鹿児島訛りの超きつい老人男性でした。授業の冒頭必ず言うので、あだなは「はわいゆう」でした。漢字で書くと羽合勇。知らんけど。
高校の時教えてくれたのは鳥居先生、あだなはバード。たまたま、オレゴンから留学生がやってきたので、生徒の手前がんばってインタビューを試みる。
好きなスポーツは?さっふぉー。え?何なにそれ知らない、どんなの?野球に似てて珠が柔らかいの。あ。softballね。。。
大汗かいてるバードがかわいそうだったな。
 
日本の英語教育ってそんなかんじでした。文法にすごく力入れてたように思う。大学生になって留学したとき、前置詞とか助詞とか過去完了とかいちいちていねいにやってたら、「学者かっ」てつっこまれたよ。ちゃらんぽらんに喋るイタリア人に。
 
ところが時は流れ、今は小学生も英語の成績がつくようになりまして、カラフルな教科書にはQRコードがついており、読み込むとネイティブの発音が聞けます。羽合勇もバードも、この時代に先生やってたらかなりきつかったろうな。
 
そしてここから本題なのですが、今年の大学入試共通テストについて偉い先生が分析した結果をダイジェストに記すとこんなかんじです。
 
(全体)

・試験全体の総語数は約5,500語で、昨年(2020年)のセンター試験を1,200語以上も上回っている。
・試験内容では、従来のセンター試験と大きな改変は感じなかった。
・英語力以前の「注意欠損」が問題。意味も把握せずに、知っている単語に飛びついてしまう。生活の中で、「注意欠損」にならないように指導すべし。
・基礎学力がある子は、80点を下回らない。読書をする習慣をつける。

(リーディング)
・fact(事実)とopinion(意見)の違いをきかれる問題が出る。日本人はその区別が苦手。
 普段から、factとopinion、客観と主観を分けて考える訓練をしておくと良い。
・「先に設問を読んでから解くように」という教え方もあるが、このような問題ではそれだと余計に時間がかかる。まず、問題文全体をざっくり把握する力が必要。その上で、詳細を理解する。

 
ちなみに、リーディングとリスニングは配点が同じになったそうです。読んで理解する、聞いて理解する。訓練が要りますよね。で、耳コピして模倣する能力はピークが9才といわれ、そのあとは低下していきます。理解する能力との比例グラフが交差するのがこのあたり。つまり、英語やるなら9才より少し前にはじめるといいんですってよ。
 
とはいえわたし個人としては、赤子のように母国語がまともに使えないうちに他国語を習うというのには賛成できません。コトバはアイデンティティの確立に重要なポジションを占めているからね。
 
超早期英語教育よりもずっとだいじなことは、先生のレポにもあるように、課題に注意深く取り組む力の育成です。そして読書。大学受験の話だよね?なんて感じるかもしれないけど、結局、大学受験は小中高の延長上にあるんです。適切なタイミングで、適切な課題を。今日も生後七ヶ月のお母様から体験学習の問い合わせが来ましたけどね、もう、ほんと、頼むから公園や海や山や図書館に連れてってやってほしい。塾なんて探す暇あったら。(社長ごめんよ。)
 
そしてがんばって入試をパスして入った大学、今年度みたいに対面講義ほとんど無し、なんてことがもう起きませんように。