まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

夕陽の浜で

2021-02-08 22:38:00 | 日記
太陽がもうかなり水平線に近づいてきた頃に
二人は大きな玉砂利の浜を
ゆっくり歩いてきた。

水際に着くとしばらくの間
思い思いの場所で海を眺めていた。

そろそろ戻ろうか、というように、彼が近づいて行くと、
まだもう少しいたいわ、というように、彼女が動いた。

太陽が完全に落ちれば辺りは闇となる。

安全に歩けるだけの明かりには猶予がもうほとんど無い。

二人はあきらめたように帰路に着いた。

通りすぎるとき、あたたかな笑い声がちいさく響いた。