雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

寄り添う姿勢

2007年01月15日 | 入院生活
昨年10月に初めて四肢の筋力低下に気づいた時、ただ「近いから」とこの病院にかかり、「たまたまその日の外来担当でベテランそうだったから」という理由で今の主治医に診てもらうことにした私だったのですが、珍しい難病だったことがわかり、療養が長期になるにつれて、実はこれがかなりラッキーな選択であったことが判明しつつあります。
まず、ここはこの地域を含む広域での神経内科基幹病院であったこと。9人の常勤ドクターと100床の神経難病病棟と数十床の一般病棟枠、独立した筋ジス病棟と重症心身障碍児(者)病棟を持つこの病院の神経内科は、大学病院の神経内科に優るとも劣らない体制であり、学会の神経内科専門医養成施設にも指定されていること。
そのため、多くの難病患者さんが他の病院から紹介されて遠くから受診・入院しに来ています。
しかもその中にあって私の主治医は診療部長であり、筋神経疾患の専門医であり、神経内科専門医養成コースの主任指導医であり、大学病院等と共同で最新の治療法を研究する研究者でもあることがわかったのです。
なので看護師さんも私は珍しいケース故に他の病院から主治医に紹介されて来たものと思っている人が殆どで、「自分でネットで調べて飛び込みで外来へ来た」と話すとびっくりされたり、「それは無茶苦茶当たりやったね~」と感心されたりします。
でも、そういった肩書きとかキャリアとか医師としての技術の高さという事以外に、このドクターが主治医で良かった~、と感じることがあります。それはドクターの人間性というか、人柄の部分です。
いつも変わらない穏やかな笑顔。決して尊大でなく、乱暴でもぶっきらぼうでもない話し方。毎日どんなに忙しくても担当患者のベッドを1人1人見て回り、ゆっくり診察したり時には世間話をしていく余裕。この病院では外来の場合、診察室の中からドクターがマイクで次の患者を呼び入れますが、このドクターだけは診察室の入口まで出てきて患者の目を見て名前を呼び、中へと招き入れるのです。ちょっとしたことだし、その分若干待ち時間が長くなっているのかも知れないのですが、1人1人の患者を大切にしてくれる感じが私個人としてはとてもいいなと思っています。
看護師さんの中にも、採血や点滴などとても上手くて介護の手際も良いのだけれど患者からは嫌われている人、どちらかというと頼りなくてドジを踏んで先輩に叱られたりしているわりに患者からは好かれている人がいますが、やはり基本は知識やテクニックに”加えて”「どこまで相手に敬意を持って寄り添うことができるか」ということに尽きるのではないかと感じています。
先月のまつこさんの講演でも「本人の思いを抜きに効果的な支援をしようと思うと管理や支配になってしまう危険がある」ことに触れられていましたが、自閉症の人たちを支援したいと願う私たちが決して忘れてはならない視点だと思います。

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