雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

問題行動(その1)

2007年10月10日 | 「発達障碍」を見つめる眼
異常に暑い気候による特別な配慮だったのか、ちびくまの通う
中学では、9月の終わりまで保健体育の授業はプールでしたが、
さすがに10月に入るとそうも行かなくなり、体育館での
創作ダンスに変わりました。

それでなくても自分の体を自分の思いどおりに動かしたり、
見たイメージを自分の体で再現することの難しいちびくまですが、
それに加えてダンスのテーマや振り付けは班ごとの「話し合い」で
決めるとあって、聴覚過敏と言語力の不足、とまさに
泣き所が勢ぞろいした感じで、かなりハードルの高い課題であるようです。

それでも、耳をふさいだり、落ち着きなく体を動かしたりしながら、
よく我慢して頑張っていたちびくまですが、今日はこれまでと
全く違った行動に出たようで、障担K先生から電話がかかってきました。

「今日は自分の班を離れて体育館の中をうろうろして、
 他の班のやっていることを見て回ったかと思ったら
 体育館から出て行ってしまったそうなんですよ」

字で書くとまるで叱られているみたいですが、K先生の声は
明らかに楽しそうで、「やったあ」と言わんばかりでした。
この先生が障碍児教育の天才じゃないのかと私が考えるのは
こういうところです。

これまで、聴覚過敏があってもうるさい環境も我慢して
いい子で一生懸命頑張っていた子が、突然こんな行動に出たら
普通の人の目には「これまでなかった問題行動が出てきた」と
見えるでしょう。

ちょっと自閉症のことを知っている人だったら、「自分のいるべき
場所に○を描く」とか「やるべきこと(やってはいけないこと)を
紙に書いて示す」とかいう視覚支援を増やすことを思いつくかもしれないし

もっとわかっていない人だったら、頭ごなしに叱り付けるとか
力づくで連れ戻すとかして、息子に「2度と体育の授業には
行きたくない」という気持ちにさせてくれたかもしれません。

でも、体育の先生もK先生も、ちびくまの表情や動き、言葉などを
よく観察して、「特に何かが辛かったとかわからなくて不安だったとか
いうのではない」ことだけはしっかり確認した後は、
「どうしてあんな行動に出たんだろうね~」と面白がりながらの
謎解きにはまってくれたようなのです。