Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

プルトニウム

2014年12月19日 | Weblog

             

Jパワー(日本原燃)が青森県の大間に建設中だったMOX燃料(ウランとプルトニ
ウムを混合した燃料)を専門に使う原発の稼働申請を行ったという。2011年3月
に起きた福島原発の爆発事故で、原発の安全神話の嘘が完全に覆されたにも関
わらず、安倍政権は国民大多数の反対を無視して、脱原発・自然エネルギー利用
へと国の政策を転換しようとしない。


プルトニウムは人工的にしか作られない極めて危険な物質で、プルート=地獄の
王という語に由来する通り猛毒を持ち、どんなに微量でも人が吸いこんだら肺がん
を起こす。更に半減期は2万4千年であり、これはもう一旦生成したら永久に消滅し
ない危険物質といえる。ウランを燃料とする通常の原発の使用済み核燃料を再処
理して取り出すプルトニウムは、核分裂でウランとは桁違いの強力なエネルギーを
出し、それ故強力な核爆弾の原料となる。


1995年ころフランスが南太平洋で行った核実験では、日本が再処理を依頼した
使用済み核燃料から抽出したプルトニウムが使われたらしい。タヒチの人々は日
本が造ったプルトニウムで被ばくしたという訳である。


プルトニウムを燃料とする高速増殖炉は日本に現在3基ある。福井県敦賀にある
「ふげん」、茨城県大洗にある「常陽」、そして同じく敦賀にある「もんじゅ」である。
「ふげん」は既に実験を終えて廃炉に決まっているが、「常陽」と「もんじゅ」は壊れ
て使えないまま、燃料の冷却だけのために毎年何十百億円もの無駄な金が使わ
れている。


プルトニウムはウランより遥かに強力な放射能を持ち、核分裂では膨大なエネル
ギーを出すため、MOX燃料を燃やす高速増殖炉では冷却に通常の水ではなく液
体ナトリウムを使う。ナトリウムは常温で酸素と激しく反応する取り扱いが極めて
難しい危険な冷却材である上、運転制御が難しくて事故につながりやすい。


「もんじゅ」や「常陽」はこれまで何度か放射能漏れやナトリウム漏れの事故を起こ
していす。今「もんじゅ」が停止している理由は、燃料取り出し装置の一部が破損し
て炉内に落下しており、上から見ることも出来ないし人間が近づけないので、にっ
ちもさっちも行かないのです。「常陽」も同様に燃料の移動が出来なくなっており、
現在まで止まったままです。


ことほど左様に危険で金(国民の税金)ばかりがかかる高速増殖炉は、もうアメリカ
も英国もフランスも遠の昔に開発をやめているのに、莫大な無駄金を使って、物に
ならない危険な原発を続けているのは日本だけである。国のエネルギー政策に関し
てだけでも、安倍内閣は完全に狂っています。”国民の安全と利益を守る”などと、
一体何処を観て言っているのでしょうか・・・


                                             

日本は原発から撤退するべきです。放射能は目に見えず、匂いもなく、一旦汚染さ
れてしまえば取り除く手立てはありません。「除染」などと云うと、あたかも放射能を
取り除いたかのように錯覚させられますが、実際は汚染された表面の土や塵や草
木を集めただけのことで、完全に除去するなんて出来ないのです。そうやって集め
た汚染物質は、こんどは保管場所にも困っているのが現状です。当たり前です。
今後何十年、何百年と危険な放射能を出し続ける汚染物質を預かるなんて誰だっ
てやりたくありあせん。


福島では、汚染地域の立ち入りを”除染したから”という理由で徐々に解除しはじ
めました。本当は、政府・東電は一刻も早く住民への生活保証金や慰謝料の支払
いを打ち切りたいためです。汚染地区の、他所へ非難していた住民がそろそろ切
り捨てられる時が来た、ということです。何処を向いても、政治のウソ、デタラメが
顔を出しているというのに、相変わらず国民は(福島県民でさえ)現政権を支持して
しまうのですね・・・


もう、私はワラウしかありません・・・