ロサンゼルスは酷暑が続いている。サンタモニカ空港に到着して機体のインスペクションを行う。エンジンは一発始動、ランナップエリアに向かう。機内の温度はみるみる上昇。ランナップの後、Rwy21から離陸するが、離陸待ちの間がきつかた。ラムエアーが入ってこないし、離陸に備えて小窓は閉めたまま。着陸機を待って、その後自分か!!と思いきや、北側のランプに居た双発ヘリの離陸が先だった。そして自分。やっと離陸、Right turn at shorelineだ。これで天井と足下の空気吹き出し口から風が入ってくる。かなり海側を飛び、そしてパシフィックパリセイズに向かって行くと、管制塔からトラフィックアラート。こちらのトラフィックモニターにも見えていた。訓練機のSportsCruiseがこちらに向かってくるようだ。すぐに上昇率を高めた。Traffic画面は便利だ。1000ft以上高度差が出たところでno factorと管制官。frequency changeとなった。
そのまま北西に飛び、オックスナードを目指す。流石にサンタモニカマウンテンの北は気温が上昇。2500rpm 23inchの巡航でも、かなりシリンダーヘッド温(CHT)が上昇する。POHだと23.5inch以上スロットルを開けるのだが、このCHTだとエンジンに悪そうだ。ただ、JPI EDM 700 EGT/CHTモニターの調子が悪く、正確なCHT測定が不可能。さらにスロットルを絞り、ミクスチャーは本来よりリッチ気味で飛ぶ。それはそれで、あまり良いクルーズ設定ではない。
内陸の温度上昇を嫌い、反転していつものように海岸線を飛ぶことにした。砂漠から来た気温40度に迫る外気から、30度台の海風にエンジンを晒すことで、なんとなくCHTが落ち着いてきた。外気温で5−10度も違う。さっそく通常の高速クルーズ出力設定に戻すと、TAS170ktに到達。
Special flight ruleのSouth-boundを飛んでいるが、North-boundの機体とすれ違う時もGarminのトラフィックアラートが出る。対向する機体はCirrusのようだが、向こうもかなりの速度が出ている。1000ftの高度差があるとわかっているとは言え、2機の機影がどんどん近づいてくるとドキッとする。そのままPalos Verdesまで向かい、Point farminからトーランス空港管制塔を呼ぶ。ちょっと忙しそうだった。合間をみて割り込み、left turn, Rwy29Lとなった。かなりトラフィックが多く混雑していた。レーダードームから降下をつづていたが、途中you can switch to North runwayと管制官。I can stay on leftと私。そして良い感じにRwy29Lに着陸。Thank you for your helpと管制官。そのままTransient parkingへ。
エンジンカウリングを開けてインスペクションを行った。あと、熱気を逃す目的もある。愛機はD'Shannonのエンジンルーム冷却効率化を図るキットが装着されているが、それでも不十分。今はIO-520BAエンジンを搭載しているが、仮にオーバーホールのタイミングでIO-550に載せ替えたらどんな事になるのだろう?と思う。
そしてトーランス内を散歩し、再びVFRで飛び立つことに。隣には最新のCirrus SR22Tが停まっており、パイロットと同乗者二人が乗り込んでいった。エンジン始動はfuel pumpの使用時間が長く、燃料ダダ漏れ。ジャーーー、っとカウリング下から燃料が垂れ落ちる。この高い気温の中、一瞬でガソリンは気化するというのに、なんという危険さ。エンジン始動後も1500回転くらいの勢いでエンジンを回している。地上で機体の扱いが下手なら、上空に言っても下手なんだろう。人のフリ見て我がフリ直せだ。
火事になるんじゃないかと思ったCirrusのエンジン始動を見守ったあと、こちらもエンジン始動、タクシーアウト。そしてランナップの後に離陸。Straight out, left turn at shorelineを選択した。うだる暑さの中、トーランスビーチの海岸線で左ターン、そしてパロスバーデスの上空を旋回しながら3000ftで巡航。ここでは2400rpm 20inchの出力設定に。これだとCHTは低めなのが分かる。そのままロングビーチ管制塔を呼び、Angel's GateからRwy25Lに向かう。そしていつものようにSignal Hillをかすめてダウンウィンドに入り、数機の先行機とパターンを回る。忙しい空港だ。思えば久々のロングビーチ空港着陸。そのままタクシーバックせず、一度ランナップエリアに入る。エンジン計器などを再確認し、Rwy25LからStraight out で離陸となった。本当はもっとAirport hoppingをするつもりだったが、あまりにも暑いので帰還を決断。ちょっとでも涼しくなれと願い、4500ftまで上昇。そのまま全速力でLAXを越え、パリセイズで反転降下し、サンタモニカ管制塔を呼ぶ。そしてSquawkをもらい降下していると、トラフィックアラート。対抗する機体があるようで、20度右旋回して海上に止まるようにとのこと。こちらのトラフィックモニターにも機体が出ていた。そしてトラフィックをやり過ごし、さらにトラフィックパターンに入ろうとすると、ヘリと進路が交差するとのこと。またとラフィックアラート。Stay at or above your current altitudeと管制官。すぐに出力を上げて1800ftを維持。TPAより400ft高いままダウンウィンドを飛ぶ。何度もトラフィックの位置を伝えられるが、こちらの翼の影に入っている。ただ、Traffic画面には出ているので、安心して飛べた。最終的にヘリが北へ進み、こちらは1800ftのままベースターン。かなり高い位置から降下し、出力を絞って速度調整。そしてファイナルでは80kt、ラウンドアウトは70ktまで減速、いい感じの着陸。
無事にスポットイン。そして気づいたのが、ほとんど虫がついていないこと。こういう酷暑だと虫もいないのか? それにしても、JPI EDM700モニターがないのは辛い。もうすぐAnnual Inspectionだから、JPIの取り外しとオーバーホールをお願いしようと決めた。