LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:酷暑の中を飛ぶにはJPI EDM700を直さないと、、

2020-08-10 | Flight Log (機長)

ロサンゼルスは酷暑が続いている。サンタモニカ空港に到着して機体のインスペクションを行う。エンジンは一発始動、ランナップエリアに向かう。機内の温度はみるみる上昇。ランナップの後、Rwy21から離陸するが、離陸待ちの間がきつかた。ラムエアーが入ってこないし、離陸に備えて小窓は閉めたまま。着陸機を待って、その後自分か!!と思いきや、北側のランプに居た双発ヘリの離陸が先だった。そして自分。やっと離陸、Right turn at shorelineだ。これで天井と足下の空気吹き出し口から風が入ってくる。かなり海側を飛び、そしてパシフィックパリセイズに向かって行くと、管制塔からトラフィックアラート。こちらのトラフィックモニターにも見えていた。訓練機のSportsCruiseがこちらに向かってくるようだ。すぐに上昇率を高めた。Traffic画面は便利だ。1000ft以上高度差が出たところでno factorと管制官。frequency changeとなった。

そのまま北西に飛び、オックスナードを目指す。流石にサンタモニカマウンテンの北は気温が上昇。2500rpm 23inchの巡航でも、かなりシリンダーヘッド温(CHT)が上昇する。POHだと23.5inch以上スロットルを開けるのだが、このCHTだとエンジンに悪そうだ。ただ、JPI EDM 700 EGT/CHTモニターの調子が悪く、正確なCHT測定が不可能。さらにスロットルを絞り、ミクスチャーは本来よりリッチ気味で飛ぶ。それはそれで、あまり良いクルーズ設定ではない。

内陸の温度上昇を嫌い、反転していつものように海岸線を飛ぶことにした。砂漠から来た気温40度に迫る外気から、30度台の海風にエンジンを晒すことで、なんとなくCHTが落ち着いてきた。外気温で5−10度も違う。さっそく通常の高速クルーズ出力設定に戻すと、TAS170ktに到達。

Special flight ruleのSouth-boundを飛んでいるが、North-boundの機体とすれ違う時もGarminのトラフィックアラートが出る。対向する機体はCirrusのようだが、向こうもかなりの速度が出ている。1000ftの高度差があるとわかっているとは言え、2機の機影がどんどん近づいてくるとドキッとする。そのままPalos Verdesまで向かい、Point farminからトーランス空港管制塔を呼ぶ。ちょっと忙しそうだった。合間をみて割り込み、left turn, Rwy29Lとなった。かなりトラフィックが多く混雑していた。レーダードームから降下をつづていたが、途中you can switch to North runwayと管制官。I can stay on leftと私。そして良い感じにRwy29Lに着陸。Thank you for your helpと管制官。そのままTransient parkingへ。

エンジンカウリングを開けてインスペクションを行った。あと、熱気を逃す目的もある。愛機はD'Shannonのエンジンルーム冷却効率化を図るキットが装着されているが、それでも不十分。今はIO-520BAエンジンを搭載しているが、仮にオーバーホールのタイミングでIO-550に載せ替えたらどんな事になるのだろう?と思う。

そしてトーランス内を散歩し、再びVFRで飛び立つことに。隣には最新のCirrus SR22Tが停まっており、パイロットと同乗者二人が乗り込んでいった。エンジン始動はfuel pumpの使用時間が長く、燃料ダダ漏れ。ジャーーー、っとカウリング下から燃料が垂れ落ちる。この高い気温の中、一瞬でガソリンは気化するというのに、なんという危険さ。エンジン始動後も1500回転くらいの勢いでエンジンを回している。地上で機体の扱いが下手なら、上空に言っても下手なんだろう。人のフリ見て我がフリ直せだ。

火事になるんじゃないかと思ったCirrusのエンジン始動を見守ったあと、こちらもエンジン始動、タクシーアウト。そしてランナップの後に離陸。Straight out, left turn at shorelineを選択した。うだる暑さの中、トーランスビーチの海岸線で左ターン、そしてパロスバーデスの上空を旋回しながら3000ftで巡航。ここでは2400rpm 20inchの出力設定に。これだとCHTは低めなのが分かる。そのままロングビーチ管制塔を呼び、Angel's GateからRwy25Lに向かう。そしていつものようにSignal Hillをかすめてダウンウィンドに入り、数機の先行機とパターンを回る。忙しい空港だ。思えば久々のロングビーチ空港着陸。そのままタクシーバックせず、一度ランナップエリアに入る。エンジン計器などを再確認し、Rwy25LからStraight out で離陸となった。本当はもっとAirport hoppingをするつもりだったが、あまりにも暑いので帰還を決断。ちょっとでも涼しくなれと願い、4500ftまで上昇。そのまま全速力でLAXを越え、パリセイズで反転降下し、サンタモニカ管制塔を呼ぶ。そしてSquawkをもらい降下していると、トラフィックアラート。対抗する機体があるようで、20度右旋回して海上に止まるようにとのこと。こちらのトラフィックモニターにも機体が出ていた。そしてトラフィックをやり過ごし、さらにトラフィックパターンに入ろうとすると、ヘリと進路が交差するとのこと。またとラフィックアラート。Stay at or above your current altitudeと管制官。すぐに出力を上げて1800ftを維持。TPAより400ft高いままダウンウィンドを飛ぶ。何度もトラフィックの位置を伝えられるが、こちらの翼の影に入っている。ただ、Traffic画面には出ているので、安心して飛べた。最終的にヘリが北へ進み、こちらは1800ftのままベースターン。かなり高い位置から降下し、出力を絞って速度調整。そしてファイナルでは80kt、ラウンドアウトは70ktまで減速、いい感じの着陸。

無事にスポットイン。そして気づいたのが、ほとんど虫がついていないこと。こういう酷暑だと虫もいないのか? それにしても、JPI EDM700モニターがないのは辛い。もうすぐAnnual Inspectionだから、JPIの取り外しとオーバーホールをお願いしようと決めた。


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