LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:サテライトラジオの接続確認とナイトフライト

2016-01-23 | Flight Log (機長)

この日は飛ぶ以外に一つやりたいことがあった。ボナンザに装着されているGarmin 530Wは、GDL69Aというユニットが追加されている。SiriusXMサテライトラジオ/気象情報を受信できる装備で、この衛星通信装備があるからNEXRADの気象情報やTAF/TRF/METARなどがリアルタイムで表示される。そのサブスクリプションの情報や契約登録手続きについて色々調べるためだ。SiriusXMの衛星通信は地上障害物に左右されることがないのが利点。前のオーナーが装備してくれた有難い一品。今の時代なら、ADS-Bを送受信できるGDL88を装備するのが賢い選択だが、GDL69Aがこのボナンザに装備されたのは2007年のこと。アメリカでは2020年にはADS-B OUTの装備が義務化される。2020年までにはGDL88を購入して装着しないといけないが、それまではGDL69Aの衛星通信を利用しようと思う。問題は毎月もしくは毎年の衛星通信使用料金。SiriusXMと別契約しないといけないのだが、毎年380ドル程度かかるのが問題。499ドルあれば、ADS-B INのアンテナを購入できるので、接続料は無料のままiPad Xplaneに気象情報やTFRをリアルタイムで表示することができる。なかなか悩ましいところだ。今の所、前のオーナーが年間契約してくれたアカウントが生きていて、なんと私は無料でSiriusXMのサービスを受けている。ただ、前のオーナーのアカウントがいつ切れるか分からず、自分のアカウントでの再契約のしかたなどをマニュアルを片手に確認してみた。普段は使わないGarmin530Wのページへと進み、アカウント番号などを色々書き留めた。

こうやって色々と機体を触っていると、今まで気にしなかった細かい所までわかるようになってきた。このボナンザにはメインスイッチを入れずともCom1とオーディオパネルの電源だけ入る "Ground Com"スイッチがある。Com1はGarmin 530Wなので、当然その付属機器であるGDL69Aにも電源が入るのだと思った。ところが、そうではないようで、マスタースイッチを入れた時だけCom1の衛星通信機能が使用可能になる、つまりGDL69Aに電源が入るようだ。気にしていなかった。言われてみれば、Ground Comスイッチを使ってフライトプランを入力しても、エンジン始動後に衛星通信が使用可能になるまでラグがあった。

色々と航空計器をいじっていれば、やはり飛びたくなる。素直に飛ぶことにした。ちょっと霧っぽい空。でもSky clearというATIS。エンジン始動、ランナップで暖気。残り燃料は30ガロン弱、離陸してピッチ10度まで上げられる最小限度の残量に近い。デジタル燃料計でも確認したが、最小残量は満たしているようだ。給油なしで飛ぶことにした。この日はGarmin 530WのOBSスイッチについても試しながら遊んでみたかった。

Rwy21から離陸、Right turn at shore line。やはり速い。気持ちよく離陸し、パシフィックパリセイズ上空でGarmin 503WにKSMO directを入力、OBSスイッチを使ってSpecial Flight Ruleを飛ぼうと思った。ところが、速くてエアスペースをバーストしそうになる。あと、Garmin 530Wには夜間照明がなく、室内灯を点けて操作しないといけない。ボタンの場所を覚えていないといけないので、ちょっと操作に手こずった。狭いエアスペースを120ktで上昇しながら夜間照明がないスイッチ操作は危険。もっと慣れてからだ。ちょっと海岸線へと進路を伸ばし、オートパイロットで飛行。サンタモニカ管制塔にはfrequency changeを遅らせて欲しいとお願いし、Garmin 530Wの操作をした。無事に入力、Special Flight Ruleを飛びながらOBSボタンを使ってみた。覚えればなかなか便利。OBSを使ってのS-TECオートパイロットのNaviモード飛行、OBSから通常GPSフライトプランへ変更した時のオートパイロットの作動など、なんとなく分かってきた。ただ、何となく分かっている程度ではIMCでは使用できない。もっと慣れないといけない。

3500ftでLAXを通過。けっこう揺れた。2300rpm 21inch 14galの設定、コンプトン空港に向かって降下。薄い雲の層の下に入り、そのまま北上するという計画。のんびりのつもりでも、150kt IASを超えた。GS160kt以上でていた。そしてコンプトン横から1600ftに降下、うすい霧や雲のような層のしたに入ろうとすると、雲に入ったかのような視程低下。これは危険。ストロボを点けた機体がガスとも霧とも雲ともつかない低高度を飛んでおり、衝突の危険が頭をよぎった。これは危ないと、180度反転、上昇回避することに。2500rpm 25inch mixture full rich、とんでもなく頼もしい上昇するボナンザ。まだまだ30時間ちょっとしか飛んでいないボナンザ。いまだにContinental IO-520BAエンジンの頼もしさには感動する。一気に4500ftまで来て、Special Flight Ruleで逆戻りすることに。OBSスイッチを使ってSMO VOR To 312 / From 132を飛ぶ。ここでもオートパイロットを使用した。そしてパシフィックパリセイズで反転、Rwy21 Right Trafficと管制塔の指示。ギアを出したが、フラップは使用せず。そのまま着陸。ちょっと高さが狂い、1ftは高めのラウンドアウト。ただフレアで調整可能だったので、機体にはある程度慣れてきた証拠だ。ナイトフライトのコクピット視界に慣れていないだけ。

昼間飛んでいると、Garmin530Wに夜間照明がないなんて気にもしていなかった。どこの位置にスイッチがあるのか、昼間に使い込んで頭に入るようじゃなければ、ナイトフライトでGarmin530/S-TEC Autopilotの組み合わせを使用するのは安全じゃない。もっともっと飛んで、色々な装備を使い倒さないといけない。


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