LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:グラマンでフライト

2016-01-17 | Flight Log (機長)

1500ftから3000ftくらいまで層状に雲がある。気温は13度程度、LA Basinの空港は軒並み露点温度8度から10度。雲の間を飛べばキャブアイスが心配な天候。それならインジェクションエンジンのボナンザで飛べばいいのだが、今日はキャブレターエンジンのグラマンを飛ばすと決めていた。プリフライトを行い、機体を引き出し、車をスポットに停め、そして元気にエンジン始動。暖気した後、タクシーアウトすることに。Cessna Citationがこちらに向かってタクシーしてきていた。当初、管制官からhold short of Taxi way Aと言われた。ところが、すぐにTaxi to Rwy21 via A, stay close to the wall in the run up area, for the jetと管制官。そのCitationはずっとIFR release lineで待っていた。

こちらはそのCitationがリリースされる前にランナップ完了。念のため、ランナップエリアからTowerを呼ぶ。万が一にでもIFRリリースを邪魔しないための配慮。ところが、Citationのリリースはまだらしく、南側で離陸待ちしていたCessna172RGに続いて、No.2で離陸となった私と愛機グラマン。Right turn at shore lineを選択した。離陸滑走を開始すると、なんとも遅い。こんな遅かったかなと焦るほど。ただ、ローテーション速度に到達すると、フワリと浮き上がる感じで離陸した。海岸線まで来るとトラフィックアラートがあり、11時の方向にセスナとのこと。後に10時になった。ただ、何も見えない。ちょうどBroken Scatteredの雲の上にいた。やっとそのセスナを見つけると、frequency changeとなる。

LAX上空を見ると、2500-4000ftに雲が点々としていた。最初はSpecial flight ruleはダメかなと思ったほど。ただ、LAX上空に近づくと、ギリギリ合法で雲を避けて飛ぶことができた。3500ft、2500rpm、余裕で105kt IASは出る。気温が低いので、グラマンで軽快に飛ぶには最適だ。ホーソン空港とトーランス空港の合間に向かって降下し、雲を避けた。ここではきっちりキャブヒートをオンにしておいた。Harbor UCLA General Hospitalの手前からトーランス管制塔を呼ぶと、maintain present altitude, follow the freeway, Rwy29Rとのこと。2000-2100ftくらいを維持して飛行していたが、途中heading 120 for spacingと管制官。ただ、雲に入ってしまいそうなので、descend to avoid the weatherと自分、approvedと管制官。しばらくしてfinal turnを許可され、セスナに続いてRwy29Rに着陸。軽いグラマンのような機体を毎回ソフトランディングさせるのは意外に難しいなと再確認。

そのままTransient parkingにタクシー。アジア系アメリカ人のDiamond Katanaオーナーが話しかけてきた。Fullertonがベースと言っているから中国系なんだろう。なかなか感じのいいパイロットで、しばし立ち話しをした。彼のKatanaはロタックスエンジンで、自動車のガソリンで飛行可能。おまけに時間4ガロン程度の燃料消費。このグラマンより時間あたりの燃料代が安いことになる。Diamond DA20 EclipseになるとAvgasになってしまうが、自動車ガソリンで飛べるKatanaはオススメかもしれない。複合素材でできた丸い形状の機体、グライダーのような綺麗な翼、Diamond Aircraftの機体は佇まいは美しい。ずんぐりむっくりしたグラマンAA1とは対照的。グラマンはグラマンで可愛いのだけれど。

そんな立ち話しを終え、休憩を済ませ、そのままRwy29Rにタクシーバック。グラマンの利点、キャノピー全開のコンバーチブル状態でタクシー。これが最高に気持ちいい。ランナップエリアに到着すると、Diamond DA40、そしてGlassair2と3の2機が居た。全てが複合素材の機体、時代を感じる。そんな中、唯一のアルミ製飛行機、グラマン AA1ランもランナップ開始。そして、Rt downwind departureで離陸。コンプトンの横を越えて北上。ここでかなり気流が乱れていて、強いリフトがあった。2300rpmにしてもIAS100kt越えするほど。ちょっと気持ち悪いリフトや揺れが続くなか、雲を避けながらダウンタウンまで飛ぶ。ボナンザと違い、比較的小気味よくスロットル調整ができるグラマンだからこそ、ピッチとパワーの両方で乱れた気流の中での機体制御ができる。

ダウンタウンまで来て左ターン、Fwy10に沿って飛び、サンタモニカ管制塔を呼ぶ。Squawk021X、そのままストレートイン。フルフラップ、60ktでの着陸。でもラウウドアウトがちょっと高め。1,2秒で本来のグラマンのラウンドアウトの高さに戻し、比較的短い距離で制動できた。

駐機後、PCにてログした時間を確認したところ、ちょうどこのフライトでグラマン通算ログ時間が700時間を越えた。自分のフライトログブックの半分を支えてくれたことなる。毎回ボナンザを飛ばす度に好きになっていくけど、このグラマンへの愛おしさも深い。


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