この日はどうしても試してみたいことがあった。カメラをキャノピーから出して、機外の様子を撮影することだ。キャノピーを開けて飛んでも大丈夫なグラマンならではの芸当。プリフライトインスペクションを行い、機体に乗り込む。やはり愛機はいい。エンジンは一発で始動、そのままタクシーアウトし、ランナップでは短めの暖気。マグチェックはスムーズで、エンジンの調子の良さが伝わってくる。Rwy21からはRight 270 at shore lineで離陸することに。すぐに離陸許可がおり、離陸滑走を開始。そして60ktちょっとでローテーションした。そのまま80kt弱で上昇していく。気流の関係もあるが、なによりエンジンがスムーズに回っている。この上なく心地よい。そして海岸線で旋回、綺麗な景色を楽しむ。 今日の黄昏時の空は本当に美しい。地球というのは綺麗な星だなと思う。本当なら山昇りしたりハイキングしたりしないと感じない”自然”や”地球”なのだが、こうして飛行機から見る視点だと、一瞬にして自然を感じることができる。
黄昏れ時の空を飛ぶ私と愛機の動画:http://www.youtube.com/watch?v=8k4qEzsMLtw
この後はいつものようにロサンゼルス国際空港をSpecial Flight Ruleで越えた。はっきり言って定期便状態だ。そして3500ftのまま南下、最終的にはパロスバーデスの上空で180度旋回し、海側の景色からいきなり綺麗な夜景になる。そのまま3000ftくらいでトーランス空港の上空を飛び、そして1800ftでロサンゼルス国際空港のClass Bの下をくぐってロサンゼルスダウンタウンを目指す。ここからはロスの夜景が広がり、ダウンタウンの横をかすめてFwy10の上空を飛んで東へ向う。サンタモニカ空港まで6.5mileくらいで管制塔を呼んだ。最初はIdentと言われ、straight in Rwy21と管制官。ところが、途中でspeed up!という指示が飛んできた。他の機体よりも速めの100ktくらいでアプローチしているのにどうしたことか??と思ったが、私に続くNo2に軍用ヘリ、ブラックホークが130−40ktくらいで突っ込んできているらしい。まけるわけにはいかず、ここは2500rpmを越える設定で降下しながら速度維持。重力を使った加速、ショートファイナルまで120kt前半は出ていたと思う。Fwy405上空からスロットルを戻し、右フルラダーで減速、ラウンドアウトは75ktくらいだった。こちらがタクシーアウトしてしばらくたち、ブラックホークがRwy21に下りてきた。十分なスペーシングが出来た。この日はThank you!という管制官からの言葉がなかったが、トラフィックの流れに応じて柔軟にアプローチして航空管制に協力している姿勢を示せていると思う。グラマンのくせに、ショートファイナルまで100ktで突っ込んで来ることも管制官に覚えてもらっている。
この日も離陸から着陸、スポットインまで、全てLEDライトオンのままだった。 タクシー中も快適そのもの。まだLEDをつけてない機体オーナーには、是非ともお勧めしたい。
それにしても、今日の空は綺麗だった。
なんか、グラマンが成層圏を飛んでいるようですね。自分が飛んでいるホノルルではナイトのリースをやっていないのでとても羨ましいです。やっぱりオーナー機はいいですね。
成層圏を飛んでいるようという表現は的を得てますね。抜けるような雲一つない空に夕陽が沈み、なんとなく暗くなっていく経過を見ていると、この空の上に宇宙が広がってるんだと実感できます。そんなこと考えながら、いつも1人で飛んでます。