一昨年の3月にPitot Static Inspectionを行っているので、先月31日付けでPitot Static Inspectionの有効期限が切れた。IFRでの飛行をするには24ヶ月毎のテストが連邦航空法/FARで義務づけられているので、4月に入ってからは全くグラマンを飛ばしてない。ただ、本当にVFRも飛べないのだろうか?と思い、久々にFARの本をじっくり開いてみた。
Pitot Static Inspectionに関わる法律としてFAR Part91.411が有名で、それをもって”IFRを飛びさえしなければ、VFRでのフライトにはPitot Static Inspectionは要らない”と簡単に言う人もいる。自家用パイロットだけじゃなく、FAAの試験官すらそういう言い方をする人がいる。トランスポンダー無しで飛べる田舎なら別だが、Mode Cのトランスポンダーを使ってFlight Followingを受けたりしていればPitot Static Inspectionは絶対必要。特にFAR Part 91.217にあるように、Mode Cトランスポンダーを使ってフライトをする場合、VFRだろうがIFRだろうが125ft以下の誤差でなければならない。ただし、FAR Part 91.217では24ヶ月毎にその誤差をチェックしろとは明記していない。その誤差を規定しているだけで、その誤差範囲に収まるように整備していなさいというふうに解釈できる。
サンタモニカ空港はClass B Airspaceに囲まれたロサンゼルス国際空港の30マイル圏内に存在するので、Mode Cトランスポンダーの使用が義務づけられている。トランスポンダー無しでは事実上サンタモニカ空港から離陸できない。ただ、誤差が125ft以下と確認できれば、Pitot Static Inspection完了のサインを機体ログブックにもらうことがなくとも構わないのではないかと思えてならない。本当にそうなのか、未だ確信はないので、もうちょっと勉強を続けてみることにする。
ここまで書いておいて、私の場合、グラマンを駆ってIFRを飛ぶので、24ヶ月毎のPitot Static Inspectionは絶対必要。ということで、Berlin Avionicsに機体を預け、1日で点検を終わらせた。Transponderの誤差範囲も法律規定内に収まっていた。
たまに自分の機体やその整備に関わるFARをじっくり読んでみるのも面白い。あと2ヶ月程でグラマンのAnnual Inspectionが切れる。またそれに関わるFARも繙いてみようと思う。