LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

Piper Seneca IIでかっ飛ばしてセドナまで一泊旅行 (セドナ雑感)

2010-03-24 | 航空関連エッセイ
飛行機の機動力を活かして日帰りでセドナ入りというのではなく、今回はセドナで一泊という日程。レンタカーを走らせ、Vortex / Power Spotと呼ばれる所を回った。この赤岩に囲まれた雄大な自然の中で、何かスピリチュアルなものに思いを馳せ、目に見えない力が湧き出ている(パワースポット)と感じる人達もいるのだろう。それ故にPower Spotなどと呼ばれるのだと思う。様々な人がスピリチュアルな世界を求めてここセドナを訪れる。

自分の思想や科学知識や宗教観がそう感じさせたのかもしれないが、セドナのパワースポットで何かパワーや力を感じることは無かった。というか、自分の中ではそういう特定のパワーがここから出ているとは思っていない。ただ、このような自然の驚異を目にすると、宇宙全体を包括するような想像主や法則を感じると言うべきだろう。この地球という奇跡の惑星の存在と、身近な雑草にも組み込まれる生命の偉大さのなかにも十分なまでに驚異やパワーを感じる。ただ、文明生活の中でそんな事象に鈍感になっている人々が多い中でも、このセドナの自然の美しさを見る時に忘れかけている自然への驚異や尊敬の念、それから自分の小ささを強制的に感じさせられてしまうのだろう。それがこの地にパワーがあると思わせる所以だと思う。どんなに綺麗に整備された都市でも、何百年という歴史を持つ古い都でも、何十万年という歳月をかけてできたこのセドナの自然のスケールにかなうわけがない。そういう謙虚な気持ちにさせられるのこそがこの地のパワーなのだと思う。

セドナには街灯がない。これは市として景観を守る為の規制の一つなんだと思う。住宅も少ないので、ちょっと車を走らせ、セドナの中心から外に出ると、真っ暗な自然の中にいける。車のライトを消すと、月明かり以外何も無い真っ暗な世界になる。そして空を見上げると、都会では見る事ができないとんでもない量の星が空を被っている。あまりに美しい夜空に感動すると同時に、1分も空を見つめているとなんとも表現できない不思議な恐怖心に襲われる。人の生涯の短さを感じさせられる恐怖心なのか、あまりに大きな力、パワーを感じての恐怖心なのか、人間の小さな脳で137億光年という果てしない宇宙の広がりを感じている恐怖心なのか、自分の中でも理解できない。

セドナを始め、こういう偉大な自然を見ると、仕事帰りに見る夕陽からでも、足下の草木からでも偉大な自然の営みを感じる。文明生活の中にいると、人間は自分の大きさを勘違いし、そして鈍感になる。鈍感になってスケールが小さくなった自分の感性が正しい方向に修正される、それがセドナなどの雄大な自然を舞台にした観光地に秘められた”パワー”なんだと思う。



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2 コメント

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Unknown (DAIJA)
2010-03-24 09:48:16
こんにちは、いつも楽しく拝読しております。
セドナに行かれたのですね!G.C.は何度か行ったのですがセドナはまだなので私もいつかは飛行機で行ってみたいなぁと、、、先週はセドナではなくセナド広場(マカオ)に1泊3日で行っておりました(笑)。
個人ジェット戦闘機や飛行機旅行と、アメリカジェネアビの広さ深さとC2さんの熱意にただ感心させられます。
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Unknown (C2)
2010-03-24 13:26:00
>DAIJAさん
いつもコメントありがとうございます。セドナは大好きな空港で、砂漠の中に突如として広がる赤岩に囲まれた風景が、空から眺めるとまた最高です。アメリカのGAの凄さは、”飛行機を飛ばすことは基本的に大事ではない”という雰囲気だと思います。その雰囲気がこのブログで伝われば大変嬉しいです。
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