中国産セスナの誕生：日本の航空行政を再考しないと”日出ずる国”の空は黄昏てしまう

アメリカという超航空大国から日本の空を見る時、つまらない規制によって空の自由が制約され市場が狭くなっているように映る。結果的に、本来以上に飛行機や飛行機遊びが高価なものになっており、経済大国と呼ばれるようになったにもかかわらず、日本の大衆にとって飛行機は手が届き難い敷居の高い遊びや趣味になっているのは残念だ。

日本の狭い国土のほとんどは山岳地帯で、平地は住宅密集地となっているので、小型機の飛行場を確保したり飛行の安全を確保することは容易ではないことは承知している。それ故にアメリカよりも厳しい耐空検査が必要なことは理解できる。ただ、それらを踏まえても日本の航空行政はGeneral Aviationの活動性を下げるようなもになっているとしか思えない。日本にあるレシプロエンジンの小型機は全国で６００機を切っているらしいが、アメリカでは一つの空港に５００機程度の航空機が駐機している事も珍しくない。日本の空が立ち後れている事がうかがえる。日本はアメリカに比べて国土が狭いから？というのは理由にならず、国土と小型飛行機の比率を考慮して計算すると、アメリカの空は日本の４ー５倍も混雑していることになる。

日本の国土は多くの島々からなり、空港さえ整備されれば本来は航空機がもっと活躍できると思う。アメリカではカナダやメキシコまで国境を越えて飛行機で遊びにいける環境が整っている。日本の周辺諸国に目を向けると、飛行機で飛んでいける”外国”は数多い。共産国家中国や韓国など外交カードとして常軌を逸した戦争責任カードを切ってくる国家や、信頼する事ができないロシアなど、自分で飛行機を操縦して日本から隣の国に行きたいと思わせる魅力が薄いのかもしれない。ただ、共産国家ながら着々と経済発展を続ける中国などの動向を見ると、日本国内だけで航空行政を考えていてはアジアの流れから置いていかれることになるのではないか。

アジアの空の覇権をかけて、定期便からGeneral Aviationまで、日本の行政が国益をかけてビジョンを掲げて前進して欲しいものだ。なぜブログでこのような事を書く気になったかと言うと、次期セスナの二人乗り機、小型機のベストセラーとなるであろうCessna Sky catcher（Cessna 162）の生産は中国の航空機メーカーで行われることになったからだ。この事は先日セスナから発表された。中国という広い国土に航空大国アメリカのGeneral Aviationの雄であるセスナ社という組み合わせ。定期便にしてもGeneral Aviatinにしても、空の覇権がみすみす中国に傾いていってしまっているように思える。

何をどう改革すればいいのか分からないし、具体的な提案もない。ただ、下降の一途を辿る日本の空を憂いているのは自分だけではないはずだ。決して飛び易くはない日本の空で頑張っているGeneral Aviation Pilotの皆さんには、是非とも頑張ってもらい、日本の空の活気を上げていってもらいたいものだ。何より、行政にはそんな日本にGA Pilotの足をひっぱるような要項を削減してもらい、YS-11プロジェクトを立ち上げた時のような”日本の空を憂う”本当に優秀な官僚が現れてくれることを願うばかりだ。