前回日記に続き、Folland Gnatという古き良き時代のターボジェットエンジン戦闘機に搭乗する機会を得た。チノ空港から離陸そして無事帰還、フライトを終えた。機体から降りた後も高揚感に浸れる程の経験だった。
Folland Gnatをソロで飛ばすには、FAA及び保険会社の要求事項として1000時間以上の飛行時間は必要。FAAの扱いでは、軍用機を民間転用して飛ばす場合には原則的に全てExperimental Aircraft扱いになるので、通常のType ratingは存在しない。しかし、それに準じた訓練をきちんとしたCredentialを持つインストラクターから受けることが義務づけられている。大凡10ー20時間のType-ratingに準じた訓練を経て、フライトログブックにサインオフしてもらい、指定された試験官ららFlight Testを受け、それに合格しなければならない。ジェット飛行時間を持たないパイロットの場合、その訓練時間は長くなる。ちなみに、今回一緒に飛んでもらったSkip Holm氏はFolland Gnatの訓練ができるインストラクター/試験官の一人。嬉しいことに、私のログブックに今回のフライト0.8時間分をDual Flightとして記載してくれた。人生初のジェット/タービン飛行時間が付いた! しかも、ターボプロップ機やビジネスジェット機じゃないくてジェット戦闘機で。
Folland Gnat, Dual Flight Time 0.8hr, Jet Turbine Time 0.8hr, Remark: initial jet training, signature; Skip Holm
私のログブックの中でも輝かしい一行になった。
しばしHolm氏や皆と話しをし、帰途につくことになった。現実の世界に戻る瞬間。4700lbsのThrustを持つジェット機から下り、108BHPの愛機グラマンに乗り込んだ。
”こんなにチャチな機体だったかな?”
これが自分の機体に乗り込んだ時の最初の感想。エンジン始動、プルプルプルブルルン、、、とエンジンに火が入る。先ほどのキュイィィィーーーンというジェット始動音にはほど遠い。凄いものを味わわせてもらうと、現実に戻るのが辛い。そのままチノ空港Rwy26Rにタクシーしていく。計らずも私のグラマンと、OさんのVelocity(Nさん達も同乗)、Kobaさんのセスナ150という日本人組の3機が並んでランナップした。私がRwy26Lから、Velocityとセスナ150がRwy26Rから離陸していった。流石にVelocityは速く、私をあっさりと追い抜いて北に向って飛び去った。
100kt程度ののんびりフライトでサンタモニカ空港に帰還。これが現実か、、と思いつつ、いつものように”空を飛んでいる事自体への喜び”があるのも事実。さきほど250ktで飛び去った景色も、いま100ktで飛んでいる景色も、同じカリフォルニアの青い空には変わりない。色々な事を考えながら30分ちょっとでサンタモニカ空港の管制圏へ。いつものようにストレートインでRwy21に着陸となった。機体を自分の駐機スポットにタイダウン。キャノピーカバーをかけ、愛機を眺めながらふと思う。
”いつか俺も戦闘機を所有してやる。”
おっさんになってもスケールの大きな夢を持ち続けられる。飛行機遊びというのは素晴らしい
最新の画像[もっと見る]
戦闘機ですか。
日本では宝くじに当たっても自家用機さえダメです(買えるが置く所は無いしメンテナンスも出来ない。アメリカに移住か?)
心強いメッセージありがとうございます。願っても敵わない事があるのが夢ですが、願っていないものは実現しないと思っています。欲しい!と思うのが第一歩。夢実現の際は是非後ろに乗って下さい!!
>ponさん
大口をたたいているだけですが、夢は大きい程楽しいという事もあります。日本よりもアメリカの方が様々な夢に対して柔軟性が高い制度が存在するので、アメリカ移住も一つの手段だと思いますよ。特に飛行機に関してはとんでもなく寛容な国です。
ところで、三社から内定契約書が届きましたが、やっぱりチャイナよりエバがおすすめかな?
内定おめでとう! これでエアラインパイロットですね。やっぱりEVAでしょう。
Fuchiehの発フライトの時には、ロスから台湾までかけつけます!
そうします。
来月から一年間弱の訓練が始まるので、
乗り越えるように頑張ります。
ロスから台湾までかけつけてくれるなんて、
本当に気持ちだけでもすごくうれしいです。
大感謝です。
>”いつか俺も戦闘機を所有してやる。”
Gnatに拘らなけrば、所有するだけなら、意外と安いですよ。L39なら数が多いので(全米で100機はあります)多分新品ののSenecaより安く買えます。Gnat、Mig-15、Mig-25あたりだともっと入手は難しくなると思いますが。。。やっぱり問題は、信頼できる専門のメカニックと部品供給のルートを確保する事ですね。Migをメンテナンス出来るのは全米でも片手の指を数えるくらいしか居ないと聞いています。この手の機体は何も整備またはチェックしないで飛ぶのは10時間くらいだそうです。そういえばComptonにF5が駐機してますね。
確かにMig15などは8万ドル程度で購入できますし、なんでもいいから戦闘機を所有するだけでしたら夢でもない世界だと思います。しかし、きちんと飛ばせる体勢を整えるというのは別次元の話しだと思います。Mig15なども、部品調達やメンテナンスなどを考えると面倒で高くつくので、それを反映した低い査定額になるわけです。
ちなみに、今回乗ったGnatですが、オーナーは部品取りの機体をもう1機持っており、エンジンも呼びが1個確保しているそうです。イギリス製のGnatですが、整備はイギリス人(British American)が担当、常時Air Worthyになっています。最大Landing30回でランディングギアの整備をしなければならないこの機体、購入時に払う金額より、購入後の支出の方が多いとみています。この辺りをクリアするには、やはり相当に資金がいると考えています。でないと、それこそコンプトン空港の機体のように、外置きでNon-air worthyのまま、雨風に曝され朽ち果てて行く戦闘機を1機作るだけになると思います。 いつかはそういう環境を作り上げられるようになりたいものです。