LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

セスナを下駄代わりに使ってマッキャランラスベガス国際空港まで日帰り飛行。

2008-12-06 | 航空関連エッセイ
アメリカでは飛行機は特別な乗り物じゃない。本来は特別な乗り物じゃないのだが、日本などでは何か本来以上に仰々しく扱われている感じがしてならない。子供の頃からよく東京の調布飛行場に行っていたが、その頃は飛行機を身近なものと感じることはなかった。

こうやって毎週末飛行機遊びをするようになって感じることは、パイロット資格も操縦技術も特殊技能でもなんでもないということ。かと言って、"気を抜いて操縦しろ”、”飛行機をなめてかかれ”という意味ではなく、あくまでも飛ぶ時は本気だ。ちょっとでも気になることがあれば飛ばないし、些細なことでも気になれば滑走路上だろうが離陸中止する、そして上空でも細心の注意を払う。ただ、注意深く操縦して飛行機で飛ぶ事をなめてかからないという原則と、飛行機を本来以上に仰々しく扱うのは違う話し。この日はそんな事を考えされられるフライトエピソードだった。

飛行機仲間でイギリス人のW氏と日本人のN氏がべガスフライトに出かけるとのこと。W氏は事業用パイロットでインストラクターでもあり、会社所有形式にして双発機も飛ばしていた強者パイロット。本業は別にあり、飛行機は副業、そして時として完全に趣味の世界。私がラスベガスに行く時にはお気軽なヘンダーソンラスベガス空港などのClass D Airportに行く事が多いが、マッキャランラスベガス国際空港(いわゆるべガスのど真ん中)にはあまり行く事がない。ところがこの日はそのマッキャランに行こうということになった。別にべガス旅行!というわけじゃなく、ちょっと昼食して運試しのカジノでもやって帰ってこようという計画。ちょっとドライブしてお気に入りのレストランで昼食でもとって帰ってこようという感覚に近い。飛行機で飛ぶ事は車で走ることと同じ。

機体はW氏所有のセスナ172SPを使うことに。この機体は2004年モデルで、KMD550 5" Color Multi Function DisplayとKLN 94 color GPSがついており、3軸のAuto-pilotも装備。Garmin G1000仕様の最新172ほど凄いわけではないが、C172としては豪華装備の機体だ。Torrance Airport (TOA)からLas Vagas International Airport (LAS)までのコースは、KTOA-SLI VOR-PDZ VOR-KAPV-DAG VOR-KLASとした。このコースをGPSに入力。これで機体が勝手に飛んでくれる。

VFR Flight FollowingをSocal Approachにお願いし、Torrance Airportから離陸。そのままDirect SLI VOR、そして9500ftまで上昇し、PDZ VORへ向かう。そしてCajon Passを越えてDAG-LASと飛行機が勝手に飛んでくれる。通常のC172は遅い機体だが、C172SPは上昇力ではそこそこいけている。ただ、巡航速度は純正固定ピッチプロペラのせいでTAS130ktにも届かない。操作は煩雑になるという理由と高価になるということで可変ピッチプロペラをC172Rに採用していないのは理解できるが、20馬力パワーアップしているC172SPには可変ピッチプロペラを採用して欲しい!と思う。でないと馬力アップが巡航で体感できない。

ひたすら砂漠を進んでいると、途中で前方に積乱雲がモクモクと育っている。Ceilingは12000ftくらいだろうか。雨が降っているところもあるようで、進行方向に対して右側に進路をとり、雨が降っているエリアをさけることに。それでも、成長している積乱雲の下を通ると凄い揺れだった。流石にオートパイロットオフで揺れの中を飛行。W氏もFlight watchでLAS周辺の天気を聞いていた。

そうこうしているとLAS Class B Airspaceが迫ってきた。Jean Airportの上空でLas Vegas Approachを呼び、 "Cessna577FA, over Jean, 9500ft, inboud Mc Caran with ATIS XX"とコール。すぐにSquawk Codeをもらい、しばらく経つとClass Bへのクリアランスが下りた。普段はRwy25のnumber上空を飛び、Hotel Stratosphereのあたりで左ターン、Rwy19Rに着陸というのが小型機さばきの定番だが、この日はRwy1とRwy7を使っていた。Approachからはheadingを左に左にととらされ、後続のJet達を先に着陸させているようだった。そしてついに右ターンとなり、かなりオフセットした形のファイナルでRwy1Rに降りるように言われた。ところがShort finalでRwy1Lへ変更となり、無事に着陸。FBOはExective (Atlantice)、駐機してからワゴンでFBOに向かい、手続きを済ませてべガスの街へ。徒歩でMGMに行けるのでそこでランチとカジノ。

帰りはLAS ATIS取得, Clearanceへコンタクト, Groundへコンタクト, そしてTower, Departureとハンドオフ、Class Bを抜けて行った。行きと同じコースでTorrance Airportまで帰還となった。ランプ定位置に駐機、そして皆がそれぞれ”see ya !"と言って帰っていく。この後ビーチに行ったりゴルフにいったり買い物にいったり、残り一日を別なことをやりながら過ごすのだろう。飛行機でべガスに乗り込むことが一日の一大イベンド!じゃないところがアメリカっぽくていい。

飛行機は便利な乗り物、でもただの乗り物。新幹線がないアメリカでは、飛行機は比較的短時間で目的地に着ける移動手段、とくに小型機なんて道具でしかない。そんな気軽な飛行機とのつきあい方が自分にはとても心地良い。





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